戦術人形が指揮官を愛するまで_裏 作:イエローケーキ兵器設計局
居た……良かったぁ……(๑´•.̫ • `๑)
「指揮官、楽しい?」
「あたし達と一緒なら、楽しくないわけないでしゅよね?」
「楽しいよ?ほら、もう少し寄ってくれ2人とも。」
私は今、繁華街に指揮官とMG42と出かけている。私達の休暇は1週間。その間の哨戒任務などはアンジェの指揮のもと皆が引き受けてくれるらしい。報酬は指揮官の写真。ふぅ……。初めてだけど制服デートも悪くないわね。
「お昼、どこにしようかしらね?」
「あたしはヴルストが食べたいでしゅ!」
「AK-12は何か食いたいものはあるか?」
「私は……そうね……」
特には無い……まあ、合わせておきましょうか。たまには、ね。
「ソーセージが食べられるところに行きましょうか」
「やったぁ!」
「良いのか?」
「ええ。作戦の成功はMG42のおかげだもの」
「AK-12〜!」
「もう、大袈裟なんだから」
レストランに入ると客でいっぱいだった。店の外で待つ。武装警察官と目が合った。ん?
「もしかして……?」
しーっ、と左手の人差し指を口に合わせるM3を持った武装警察官。
「どうした?」
「いいえ、何でもないわ」
「そうか?」
「ええ。気の所為だったわ」
指揮官とMG42の意識が武装警察官から離れたのを確認して手を小さく振る。もしかしなくても護衛任務ね?お勤めご苦労さま、M3。更に周りを見渡すと50m先の屋上2箇所にそれぞれPzB39とPzB38が見えた。あの姉妹の見分け方は簡単で気配を隠しきれていないのがPzB39、気配を消していて一瞬でも目を離すと見失うのがPzB38。服が傷んでいないのがPzB39、服に継ぎ接ぎの跡があるのがPzB38。
「AK-12、こちらPzB38」
人形間通信で話しかけられる。
「PzB38、こちらAK-12。どうぞ」
「そちらの103m先に不審な人物2名、念の為警戒されたし」
「了解した」
雑踏の向こう、少し騒ぎになりかけているところが僅かに見えた。指揮官に伝えるべきね。
「指揮官」
「ああ、わかってる」
「えっ?」
「MG42、少し歩こうか。予約は出来たし」
「え〜?」
「AK-12も手を繋いで、行くよ」
「どうやら片方が気づいたらしい。排除に取り掛かる」
雑踏の中を指揮官と手を繋いで歩く。交差点に差し掛かる。銃声2つ。MG42を引っ掴み、指揮官に覆い被さる。
「動かないで」
突然の銃声に騒然とした辺りを見渡しても特に怪しい人物は居ない。何も知らない民間人達が怯えている。
「AK-12、邪魔者は排除した。指揮官とMG42を助けてあげて」
「指揮官、MG42、行きましょう」
「すまんな」
「ふぅ……危ないでしゅねぇ。パンツァービュクセももっと我慢すれば良いのに……」
「それで指揮官に危害が及んだら意味が無いじゃない」
「うぐっ、それもそうでしゅねぇ……」
雑踏の中を指揮官と手を繋いで歩く。まるで兄妹のように。指揮官が兄で、MG42は…………妹かしらね。
レストランに戻ると丁度、私達の番だった。
「いらっしゃいませ、アンドレイ様、こちらへどうぞ」
初老の店員に案内されて奥の和室型個室に案内される。靴を脱いでっと……私達、ソーセージを食べに来たのよね?
「お料理をお持ち致します。少々お待ちください」
そう言って店員が帰っていく。警戒はするに越したことはない。
警戒したけれど普通のレストランだった。
ソーセージは太く、長く……やけに多い。
「こちらザウマーゲンとなっておりま……し、失礼しました!」
「MG42、目線」
「えっ……?」
明らかに表情が怖かったからか店員が怯えて帰ってしまった。
「ヨモツヘグイ……」
ふと窓の外を見ると川が流れていて橋渡しが船を漕いでいる。
「今さら魂の無い俺達のような人形が気にするか?」
「それもそうでしゅね食べましゅよ〜」
「頂きます」
あら、美味しい。パリッと、そしてジューシー……ドイツ料理を舐めてたわ。
無事に店を出た私達はさらに歩く。
「あら、こんな所に模型店なんてあったのね」
「本当だ」
「怪しくないでしゅか?」
「……うーん、そうかもしれん」
入る事を躊躇っていると人形間通信でPzB38から呼びかけられた。
「AK-12、その店は事前調査済み。店主は(個人名)。彼は元々、模型メーカーの社員で素性はクリアだよ」
「AK-12、了解」
「行きましょう、指揮官」
指揮官の手を取って店のドアを開ける。MG42は指揮官の左手に掴まれていた。
この話はまだ続きます