戦術人形が指揮官を愛するまで_裏 作:イエローケーキ兵器設計局
ご主人様が行ってしまった後、私はお手洗いに籠もっていた。ここなら一人になって落ち着ける。
「んっ……。」
ご主人様……。
「欲しい……。」
ご主人様に触って欲しい……。
「ご主人様……。」
クリトリスやら何やらを触って欲しい……とは言わない、ただ頭を撫でて欲しい。自分を認めて欲しい。私がここに居て良いんだと思わせて欲しい。
「はぁ……ご主人様……。」
いい加減、トイレから出て夕飯の準備をする。音頭を取るのはルシア。力仕事はエルウィンに任せ、私は材料を加工していく。
「エルウィン、このお肉をトンカツサイズに切って叩いて。アンティアはニンジンを切って頂戴。一口大に。」
「了解した。」
「わかった。」
ドンドンドン、カツカツカツ。まるで何かの演奏会のような厨房にお邪魔者。
「あ、ゴキブリだ。」
「任せなさい。」
ルシアが追い払って(追加で消毒)調理はまた進む。
「指揮官がクライアントと接触したわね。」
指揮官とレナーテ、クライアントの会話を盗聴するルシア。私達は指示を待ちながら調理を進める。
「そう……。」
俯いた彼女。
「腕によりをかけて作るしかないわね。みんな、やるわよ。」
そう言って笑うメイド。天職は兵士ではなくこっちだったのでは?
材料を焼いて煮込む。隣では油を鍋に注いでいるのが見えた。
「ある人物がかつて言ったの。カレーライスは飲み物であるって。」
「それは……メタボリックシンドローム患者に共通する発言の1つか?」
「まあ聞いてよエルウィン。私達はあの夜、記憶を消された。残ったのは戦闘に必要な記憶とバックアップで残した大部分の記憶、よね?」
「……そうだな。」
カレーを煮込みながら、静かに聞いているとこっちに言葉を投げかけて来ないから助かる。
「時に……"飲み物"とは情熱的であるべきと思わない?」
「ほう……?」
「今回の案件だってそうじゃない。手を伸ばせば守れるのに立場があって守ることができない。」
「……。」
「私達だって知ろうと思えば知れることがある。カツの揚げ方に、指揮官の行方不明になった同僚の事とか。」
「ライカ指揮官か……。」
異邦からやってきた女性指揮官。元ソ連防空軍パイロットで、かつてはフィドラーと呼ばれる大型戦闘機に搭乗して前線で戦っていた、という……噂がある。でも私達の歴史ではソ連防空軍の交戦記録にヒットは無いし、第一、これ以上のデータが表には噂すら無い。なら裏はどうか?年齢が32歳であること、娘が居ること、基地を鉄血と共同で持っていることぐらいしか無い……ルシア談だけど。
「……誰かご飯炊いてる?」
「あ。」
「ルシア……お前……。」
「忘れてた!」テヘッ
「急いで炊いてください。あと40分で到着予定です。」
なんとか間に合わせてカツカレーを配膳した。
食後、ご主人様に呼び出されて屋上に行く。
「アンティア、1つ頼んでも良いか?」
「なんでしょうか。」
「よしよししてくれないか。」
「……どうぞ。」
腕を広げる。
「すまん……。」
私の貧相……貧相か……な胸の中で小声で泣くご主人様。とりあえず立っているのも如何なのでベンチに誘導する。
「ご主人様、貴方様の苦悩は分かります。可能な限り敵味方関係なく助けたい、そう仰られていましたよね。」
「うん……。」
脚の間に座ってもらってご主人様の頭を撫でながら戦術人形としての想いを自分なりにぶつけてみる。落ち着いてくれると良いのだが。
「その過程で犠牲は出るものです。残念ながら。ご主人様がどんなに頑張っても。」
「うぅ……。」
「発生する犠牲を最小限にするのがご主人様、貴方様の仕事です。」
「……そうだな、アンティア。ありがとう。」
「いえ。礼には及びません。」
よし、と席を立とうとしたご主人様の腰を思わず掴む。
「ん?」
「その……やっぱり……わがままを言ってもよろしいでしょうか?」
なんとか絞り出した声は細く、自分でもなかなか聞き取りにくいものだった。
「構わないよ。」
「その……頭を……撫でて頂けないでしょうか。」
「それで良いのかい?」
「はい……今はそれで……。」
さっきとは逆の体勢で、今度は私が頭を撫でられる。ご主人様の手は大きくて、温かくて……。
「……安心します。」
「それは良かった。」
ふと、お尻に硬いものが当たっていることに気づいた。
「ご主人様、これは……?」
「す、すまん……。」
「ご主人様。」
お尻をご主人様の方に押し当てていく。
「ちょっ、おま……。」
「ご主人様、私は新米メイドです。夜伽を教えてくださりませんか?」
屋上のドアを封鎖。物理鍵と電子鍵で時間は稼げる。夜はやや冷えるけれど、私の腕の中のご主人様と一緒なら暖かい。
「アンティア、良いのか?」
「何がでしょうか?」
「初めてが俺で……。」
「私は貴方様が良いのです。皆から聞きました、貴方様は変態で容赦が無いと。」
「ぐっ……。」
「レナーテからは卵生モジュールの話も聞きました。ご主人様は私にはしてくださらないのですか?」
呻くご主人様をぎゅっ、と強く抱き締める。
「アンティア……。」
「無理に、とは言いません。でも……。」
私も貴方様に愛されたい。貴方様を私も愛したい。
「気持ちを教えてくれてありがとう。」
貴方様の手が頬に伸びる。いつの間にか向き合っていた。口に唇が迫って……あぁ……これが噂に聞くキス……。ちゅーっ。
「アンティア、初めてのキスの感想は?」
「幸せです、ご主人様。でも、これ以上の幸せが待っているなんて……私、回路が焼けてしまうかもしれません。」
「壊れたら直してあげよう、何度でも、私たちが求め合う限り。」
「ご主人様……。」
至上命令はご主人様を守り、助けること。その上で……。
「んっ……好きです。ご主人様。」
たまには対価を要求しても良いのかもしれない。キスをねだって、服の上からおっぱいを揉んでもらって(メイド服を脱ぐと寒い)、そして……。
少し寒い夜、暗くても熱画像でよく見えるいきり立ったご主人様棒。失礼致します。
「これが……ご主人様の……れろっ。」
「アンティア……ほ、本当に初めてか?」
「はい、ご主人様。予習はさせて頂きましたが、実践は初めてです。」
アクセスの仕方はルシアが教えてくれた。エルウィンは最初は恥ずかしがっていたけれど最後には私よりも自分から調べていた。彼女なりに思うところがあったのだろう。
「そんな、舌遣いはっ!?」
「ひほひひひへふは?(気持ちいいですか?)」
「気持ちよすぎてもう出そう!」
「はひへひひへふほ(出して良いですよ)。」
「ごめん、出るっ!」
刺激開始から射精まで、エルウィンやルシアからの事前情報よりかなり早い。もしかしたら二人のうちのどちらか、もしくはレナーテあたりの誰かがこっそり糸を引いていたのかもしれない。
「ごめん、苦いよね、吐いて良いよっ!」
苦しい。けれど……。
「んっ……んっ…………ふぅ……。」
嫌ではない。好きな人が私の為に出したのだから。
「挿れる……よ?」
「はい……お願い……します。」
ベンチの背もたれに手を伸ばしてお尻を突き出す、いわゆる後背位の姿勢。ロングスカートが少し邪魔だけれど接合部が見えない方が恥ずかしくなくて良いかもしれない。
「はい、ご主人様。初めてなのでかなり狭いかもしれませんが……私で良ければ……あっ、ぐっ……!」
はいっ、てきたぁ……!
「落ち着くまで待つから……。」
ゆっくりと人工筋肉を押しのけて入ってきたご主人様を時間をかけて受け入れる。
「ご主人様、ぎゅっ、としてください……後ろからで良いので……。」
産まれたての子鹿(民間の動物研究資料の動画がアーカイブされていた)みたいに脚をぷるぷるとさせてなんとか立っている私をご主人様が包み込むように支えてくれる。
「ご主人様、もっと深く……あぅっ……。」
ぐぐぐっ、とゆっくりと力強く強襲してくるご主人様を私は悦んで受け入れる。プログラムにそう書いてあるように潤滑剤を分泌して、滑りをさらに良くしながらもっと来て欲しい、壊して欲しいとすら思っている。
「おくっ、おくがっ……!」
(設計者に黙って着けた)性行為モジュールの深部をずんずんとご主人様が容赦なく探索するから、回路がぱちぱちと焼けてしまいそう。
「ご、ご主人様……すきっ!すきっ!」
「アンティア、好きだっ!」
「わたしもっ!みんなも!あいしてください!」
「わかった!」
「あいしてますっ!ごしゅじんさまっ!」
かいろがっ……!
モジュールの出口、つまり膣口から白濁液がどろっと垂れる。あぁ……ご主人様の寵愛が……。
「そ、その……大丈夫か?」
「ご主人様……ぎゅっ、としてください。今は……それだけで……。」
正面から抱き合うと、もっと膣から白濁液が垂れてきてしまう。皆に見られたらどうなるだろう……引かれるだろうか。それとも……遂にか、と思われるのか。
ライカ指揮官
:過去からやってきた旧ソ連の亡霊。現在、娘"レナ少佐"と部下を遺して行方不明となっている。彼女の乗機は現存しており、ノヴァヤゼムリャの何処かに隠されているとされている。
次回予告
レナーテ、卵を産む