オリュザ火山にある温泉村。
かつての戦火から逃げ延びた者たちによって開拓された村であり、そのため規模としては決して大きくはなく、世帯数も二十に届かない程しかない。また歴史も五十年ほどと浅いため、教会もなければ駐屯兵も存在しない。
温泉と激辛料理がが売りだが、かなりの人気を博していることもあり最近では観光名所として有名になりつつある。ただ最近では失踪事件が相次いでいるので、外部からの来訪者は激減してしまっている。
しかし村民たちは、あまり困窮していない様子で……?
では、本編をどうぞ。
「ふぅ……良い湯だ」
夜、『水禽の宿』の露天風呂。
地面を掘って作られた浴槽は石で囲われ補強されており、そこにお湯が流れ込むようにするための竹の管が繋がっている。湯口に手をかざせば熱いと感じる程度には温度も高いが、外気の冷たさも相まって浸かっていても手や足を出しておけばのぼせる心配はなかった。浴槽の大きさは大人が四人もいれば少し窮屈になりそうな広さだが、幸いにも今のところは利用客はデュラハン一人だけである。
おかげで足を延ばしながら、ゆったりと浸かれている。
「温泉か……これはこれで、悪くないな」
温泉に浸かりながら、空を見上げる。
やはり地上と違って標高が高いだけあり、星々の輝きがいつも以上に鮮明に見えた。今日は雲も無い快晴故、空には多くの星が爛々と煌めいている。よくよく眺めてみれば、今日は新月だったようである。故に、こんなにも星々が鮮やかなのは自然なことだった。
穏やかな、何処か非日常的な環境がそうさせたのか。
「いつか、陛下をお連れしても良いかもしれない」
らしくない言葉が、自然と零れ落ちる。
直後、自分で言った言葉がありえないことに自嘲する。
「何を馬鹿なことを……」
自分が仕えるのは、世界に宣戦布告した魔王。人類を滅ぼさんとする破壊の獣、そんな存在が星を見に来たなどという人間らしいことを望むはずもない。
などと、そんなことを思いながら浸かっているとカラカラという軽い音をたてながら引き戸が開かれ、誰かが露天風呂に入ってきた。一瞬、バクニが入ってきたのかと考えたが、ひたひたと裸足が石畳を踏む音は男女の境界を作っている竹垣の向こう側から聞こえている。
「わぁ~い! 貸し切りだぁ~♪」
聞こえてきたのは、楽し気なフブキの声だった。
彼女一人しか居ないのか他に声は聞こえず、掛け湯をしてから湯船に浸かるのが分かる。
「あ゛あ゛ぁ゛~……生き返る~」
年頃の女性とは思えないような響きだったことは、一先ず聞かなかったことにする。
このまま黙っていようかとも考えたが、意味もないのでデュラハンは声を掛けることにした。
「随分と気持ちよさそうな声だな、フブキさん」
その言葉に、竹垣の向こうでフブキはビクリと肩を震わせた。
「えっ、あのくさん!? 居たんですか!?」
「黙っていようかとも思ったんだが、流石に気付かれると思って声を掛けさせてもらったんだ」
「そ、そうなんですね……あれ、じゃあさっきの独り言とか、もしかして」
「……まぁ、聞こえてないと言ったら嘘になるな」
「ああー!! 誰も居ないと思ってたのにぃ~!」
顔を赤らめ恥ずかしがる様が、容易に想像できる。
そのことに苦笑しながら、デュラハンは尋ねる。
「それで、ミオさんは一緒じゃないのか?」
「あっ、はい。何か、部屋に帰ったら疲れたとかで、今は部屋で寝かせてます。そういうあのくさんも一人ですか?」
「バクニは後から来ると言っていたが、今のところ姿はないな」
「そうなんですね……」
ふと、会話が途切れる。
そうして互いに無言のまましばらくの間、湯を楽しんでいると。
「――あのくさん、少しいいですか?」
「何だ?」
「………魔物って、何なんですかね?」
突拍子もない問いに、思わず返答に詰まる。
その雰囲気を察してか、フブキは少し慌てた様子で詳しく説明する。
「その、魔物が人類の共通の敵っていうのは私も分かっています。実際、これまで何度も戦ってきてるし……」
「その通りだな」
「でも、この山で人と共存できてる魔物が居るのを知りました」
それは彼女の常識を覆す事態だった。
人類と魔物は決して相いれない、何処まで行っても交わらない平行線の存在。
どちらかを滅ぼさない限り、安寧の世が訪れることはない――そう思っていたのに。
「いえ、本当は少し前から気付いていたんです。あの青の領土、遺跡で戦った夜叉兵団の長。とても強くて、私なんかじゃ足元にも及ばない高みに位置する存在。本当に短かったですけど、言葉を交わすことも出来た。彼女には彼女なりの事情があったのかもしれないけど、私はこうして見逃された。そうして今日、改めて思ってしまったんです」
人類と魔物は分かり合えるのではないか、と。
それは言葉にすることはなかったが、容易に想像することが出来た。
デュラハンは暫く考え込んだ末、ゆっくりと彼女への返答を口にする。
「フブキさん、人類と魔物の違いは何か分かるか?」
「えっ……それは、見た目からして凶暴だったり、人を食べようとするとか?」
「じゃあ質問を変えよう。かつて人と獣人が争っていたのは知っているか?」
「はい。今から二十年近く前、領土を問わず人と獣人による戦争があったと習いました」
「当時、まだ獣人への理解が浅い上に差別意識も根強かった。素の状態でさえ彼らは人間に比べれば力も優れていた上に、動物と同じような爪や牙を持つことが畏怖されたんだ。おまけに一部の王族や貴族なんかが獣人のことを二足歩行するケダモノ、なんて侮蔑の目で見ていたからな。話し合いは拗れに拗れ、仕舞いには血で血を洗い流すような争いとなった」
「それを後に英雄と呼ばれるラインハルト大公と、その仲間――人と獣人を問わず彼に志を共にした者たちの活躍により、大きな犠牲を出しつつもようやく終結に至ったんですよね?」
「そうだ。彼らが居なければ和平の席が成立することは決してなかった」
魔物の脅威を除けば、今日の平和は存在しなかっただろう。
そうした話を踏まえた上で、デュラハンは改めて話を元に戻して続ける。
「改めて人類と魔物の違いは何なのか。それは、考え方だ」
「考え方、ですか?」
「人は時に感情や迷いにより流されることはあるが、基本的には理性で考えて行動する。しかし魔物は自らの本能に従い行動する。例えば人は自らの腹を満たすために働き、対価を支払うことで食事を得ているが、魔物は腹が減れば近くにいる獲物を食らう。ぶっちゃけて言えば、獣人と違って魔物こそが獣そのものなんだ」
「で、でも、魔物の中にも理性的な人はいますよね?」
「確かにある一定以上の強さを持った魔物は理性を得て、言葉を交わすことも出来るようになる。だが、本質は何も変わっていないから人の思想に共感して従ったとしても、それはあくまで表面的なものだ。どんなに言葉を尽くそうとも、きっと魔物たちには理解出来ない。例え本人たちが理解してるつもりだったとしてもだ」
「……じゃあ、どうあっても分かり合えないと?」
少し憂いに満ちたで声で、フブキは訊ねる。
それに対し、デュラハンは一呼吸置いてから考えを伝える。
「もし全ての魔物、とはいかないまでも対話できる存在と分かり合いたいのなら強くなることだ」
「つよく?」
「そうだ。魔王が魔物全ての頂点に君臨しているのは、何物も歯向かえない程の純然たる力の差があるからだ。本来は個人主義の塊のような魔物が、魔王軍として組織が成立しているのはそれが理由だ。逆に言えば強くなければ、どんな理想を掲げたところで意味をなさない」
その言葉を聞いて、フブキは考える。
そして少しの間考えた末に、彼女は笑みを浮かべて答える。
「……私に、出来ますかね?」
「そればかりは分からん。ただ、勇者だけが魔王と渡り合える存在なのは間違いない」
「私、これからも頑張ります。そうすることが、私の使命ですから!」
「必要なら、俺も胸を貸そう。望むのならベッドの中でも構わんぞ」
フブキは力強く宣言し、デュラハンは茶化すように応援する。
そこから暫しの沈黙が流れたが、やがてフブキは自分が言われたことの意味を理解する。
「~~~っ!! あのくさんのエッチ!!」
「ん? 俺は添い寝するぞと言っただけだが、一体何を考えたんだ?」
竹垣の向こうで、バシャンっと湯が跳ねる音が響く。
先ほどまでのシリアスな雰囲気が完全に消し飛び、デュラハンは声を押し殺しながら笑う。
「くくっ……ん?」
ふと、頭上から何かが落ちてくる音に気付く。
それに顔を上げるのと同時に、落ちてきたそれは見事に彼の顔面に命中する。
「あだっ」
ガンッと音を立ててぶつかった何かは、ぼちゃんっとお湯に落ちる。
それを拾い上げてみれば、それは風呂に備え付けられていた竹を編んで作られた桶だった。
「えっちなのは、いけないと思います!」
竹垣の向こう側から、そんな声が聞こえた。
見えてないというのに桶を命中させたことに驚きながら、デュラハンは桶を脇に置いて湯船から上がる。
「これ以上物を投げられても敵わないからな」
「湯冷めしないでくださいね!」
「そっちも、長湯してのぼせないようにな」
それだけ言い残し、デュラハンは脱衣所へと戻っていく。
◆
湯から上がったデュラハンは一人、部屋に向けて廊下を歩く。
それほど長くない距離を移動しながら考えるのは、風呂に来なかったバクニのことだ。
(夕食の際に飲んでいたから、部屋で寝ているか……あるいは、事件に巻き込まれたか)
可能性として高いのは前者だが、後者もないとは言い切れない。
一先ず部屋に戻ってから確認すれば良いかと考えながら、泊っている部屋の戸を開けると。
「おっかえり~~♪」
ぎゅっ、と誰かが抱き着いてくる。
確認するまでもなく、それがおかゆであることはすぐに察した。彼女はデュラハンの胸板に顔を押し付けながら、マーキングするように身体を擦り付ける。彼女の服装は普段のものではなく宿が用意した薄っぺらい衣服に身を包んでおり、彼女が身体を動かす度に下っ腹に柔らかな感触が押し当てられて思考が思わず流れそうになるが、何とか堪えて彼は冷静に声を掛ける。
「おかゆ、どうしてこの部屋にいるんだ? バクニに入れてもらったのか?」
「そうだよ。あのく君が部屋にいないタイミングを見計らって、バクニ君にお願いして部屋を変わってもらったの」
「部屋を……何だって?」
「元々は別の宿に泊まってたんだけど、こっちに変えてもらったの。それでバクニ君にはそっちに移ってもらったから、今夜からこの部屋はボクたちが使うから何の問題もないよ! お願いしたらバクニ君も快く応じてくれたから」
「そ、そうなのか?」
別宿ではなく、別室なら問題ないのだろうか。
そう考えるデュラハンの腕を引っ張って室内へと入らせてから扉を閉め、おかゆは念入りに扉の外に「就寝中」の掛札をかける。これで少なくとも翌朝になるまでは、誰もこの部屋の戸を叩くことはないだろう。
そんな彼女の行動に気付かないデュラハンは、背中を押されながら客間の奥にある座敷へと踏み入れる。
「―――は?」
目の前の光景に、思わずデュラハンの思考が停止した。
そこには二人分の布団が敷かれていたが、何故かそこにこの部屋にいる筈のない人物――ころねがいた。いや、彼女がいるだけなら彼とて困惑することはなかっただろう。だがしかし、問題なのはその状態だった。
「ん゛ーっ! んぐーっ!!」
ころねは布団の上で両膝を曲げながら両足を開き、股を見せる姿勢を取っていた。
よく見れば抵抗できないように両腕は足に縛り付けられ、その足も閉じられないよう棒状のものに括り付けられている。なので黒のミニスカートも捲れ上がり、その内側に隠されていた黒色の下着が露わになっている。M字開脚と言う屈辱的な体勢を取らされて尚、彼女の瞳には強い抵抗の意思があったが、口元には布製の猿轡が噛まされているので言葉を発することを禁じられている。
そんなころねを尻目に、デュラハンは下手人へと問う。
「……おかゆ、これはどういうことだ?」
「んーとね、簡単に言うところさんにもボクと同じになってもらおうと思ったの」
悪びれた様子もなく、彼女はそういう。
意味が分からず困惑するデュラハンだが、おかゆはころねの方に向き直る。
「ころさん、ごめんね? ボク、ころさんに一つだけ嘘ついたの」
「?」
「ボクはあのく君の恋人じゃなくて、本当はペットなの」
「っ!?」
おかゆの発言に、ころねは大きく目を見開く。
そして自らの言葉を証明するかのように、おかゆはデュラハンの股間へと手を這わせ、ズボン越しに陰茎を撫でる。服の上から形を確かめるような優しい愛撫を繰り返した後、内側へと手を差し込んで直接摩ってくる。
「あっ、少し大きくなってきた。あのく君もその気になった?」
「おかゆ、お前は戌神と親友だと思っていたが?」
「えっ? ころさんのことは大好きだよ。ころさんがボクのことを一番と思うのと同じように、ボクもころさんのことが大切だよ?」
話しながらも、手の動きは止めない。
竿部分を軽く握り上下に摩ったかと思えば、亀頭部分を掌で包み込むように覆う。
「っ。だったら、何で巻き込もうとしてるんだ?」
「女として言えば独り占めしたいって気持ちはあるよ。でも、ころさんのことも大好きだから、ボクと同じ快感を味わってほしいって思ったんだ。二人一緒にあのく君に飼ってもらえれば、大好きな人といつも一緒に居られるでしょ。それに確信しているんだ。ころさんも口では嫌って言っても、これを知ったらハマるって」
そう言って、おかゆはころねを見やる。
それにころねは唯一自由な首を左右に振り、拒否の意志を示す。
「その前に、ボクと一緒に気持ちよくなろうね」
「仕方ない愛猫だ」
おかゆの背中に手を回すと、そのまま自分の方へと引き寄せて軽く抱き締める。
そのまま彼女の唇を奪えば、おかゆも素直に受け入れ舌を差し出し絡め合わせる。
「っ!!?」
「んっ、んちゅ……んぢゅっ」
ぴちゃぴちゃという淫らな水音が響く中、ころねの目からは信じられないものを見るような目で二人を見ていた。
唇が触れ合うだけの軽いキスは数秒、我慢できないと言わんばかりに舌を絡め合いながら濃厚な口づけを交わす。その間もおかゆは肉棒を擦る手を止めることはなく、デュラハンも負けじと下から持ち上げるように彼女の乳房を掴み上げる。その触感を愉しむようにムニムニと揉みほぐしながら、指先でお椀型に盛り上がった双丘の先端で突起する乳首を抓る。
「んぅっ……もう、あのく君激し……んっ」
「好きだろ、強くされるの」
正に恋人のような情熱的なキスを交わす。
一方のころねは自分の親友が、目の前で男とキスする現実を受け入れられずにいた。
猫又おかゆという少女は「全肯定猫」と呼ばれるほど包容力が高く、良くも悪くも人から好意を向けられやすい。それが純粋なら問題ではないが、中には邪な考えを持って近付いてくる輩も大勢いた。なのに本人はのほほんとして気付いていない様子で、ころねがヤキモキすることが多々あった。故にこれまで彼女に気付かれないように相手を血祭りに上げてきたし、今も手足が自由だったら直ぐにでも飛び掛かって泣こうが命乞いしようが容赦なく原形を留めない程に叩き潰してやるのに。しかし手足を縛る縄はビクともせず、加えて口も塞がれていることもあって猿轡の中でくぐもった呻き声が漏れるだけだ。
「ぢゅっ、んちゅっ……ぷはぁっ。そろそろ、次に進もうか」
そう言うや、おかゆはその場でしゃがみ込み、デュラハンのズボンを下着ごと脱がす。
衣服という拘束から解き放たれた肉棒はパンッと弾けるように跳ね、逞しい姿を見せつける。おかゆの目の前に曝け出されたそれは既に隆起し、反り立つ様は宛ら天を衝かんとする塔を思わせた。
「あはっ♪ 相変わらず、すっごく逞しいね」
「――っ!?」
おかゆは嬉しそうに微笑み、ころねは愕然とした。
彼女とてその歳になるまで男性経験が無い訳ではないが、それでも目の前で勃起している肉棒のサイズは到底異常だ。今まで見てきたどの男よりも数倍太く、長く、そして触れるまでもなく固いことが分かる。まさに凶器と呼ぶに相応しいそれに、ころねは怯えを抱く。されど、牝としての本能からか目を逸らすことが出来ない。
「あっ、ころさんも気になる?」
「っ!」
おかゆに指摘され、ころねは咄嗟に顔をそむける。
鏡を見ずとも、自分の顔が紅潮していることは分っていた。
「おかゆ、そろそろ始めてくれ」
「はーい。じゃあ、いただきまーす」
大きく口を開け、ぱくっと肉棒を頬張る。
彼女の小さな口にはあまりに大きくあったが、おかゆは喉の奥まで咥え込んでしまう。サイズの問題から彼女の犬歯が竿に当たるが、決して傷付けないように注意しながらおかゆは口内で奉仕を始める。
「じゅぷっ、んっ……んんっ」
頬の粘膜で挟み込みながら、カリ首の部分に舌を這わせる。
肉棒の裏筋や亀頭の先端にも舌を伸ばし、全体を万遍なく刺激していく。
「いいぞ、おかゆ」
「んぶっ、んんっ……っ」
褒めるように頭を撫でれば、おかゆはより激しく口を動かす。
竿全体に唾液を絡めつつ舌と頬を使って竿や亀頭の様々な部分を刺激していけば、射精感も増していきより一層に硬さと大きさを増していく。膨張することにより圧迫され口の中が一杯になり、彼女の鼻先に陰毛が当たってしまうがその程度の些事は気にせずに舐め続ける。
「んっ、んぶっ……ぢゅるっ」
上目遣いで見つめてくるおかゆ。
その眼差しは、早く出してくれと言わんばかりに潤んでいる。
「ぐっ、そんなに激しくされると……流石に」
「んっ……ずぢゅるるるるぅっ!!」
口腔から粘ついた水音を立てながら、激しくストロークする。
それと同時に頬を窄め吸引すれば、デュラハンは腰が抜けそうになり、やがて我慢も限界を迎える。
「出るぞっ!!」
「んぶっ!!」
ドピュッドピュッと白濁液が、おかゆの口の中にぶちまけられる。
その圧倒的な勢いと量にあっという間に彼女の口内を満たしていき、おかゆはゴキュゴキュッと喉を鳴らしながら嚥下していく。ネバネバと喉に絡み付く精液を何とか飲んでいくが、ある程度のところで何故か飲み込むのを止めて貯めていく。少しして射精が止まった頃には、彼女の頬は精液でパンパンになっていた。
「おかゆ?」
デュラハンが不思議そうに、彼女に声を掛ける。
精を吐き出して萎えた肉棒から口を離すと、おかゆはころねの方へとそそくさと近づく。そして唐突に猿轡を外し――。
「お、おが――」
「んぢゅ」
「む゛ぐっ!!!?」
ころねにキスをし、自身の口内に貯めた精液を口移しする。
突然のことに硬直するころねだったが、直ぐに頭を振って逃れようとするも、顎をがっしりと掴まれているせいで逃れることが出来ない。そうして流し込まれた精液を吐き出すことも出来ず、呼吸する為にもそれを嚥下していく。もはや精液と言うより、白濁のゼリーと呼ぶに相応しいそれを何とか飲み込んだころねは、大きく咳き込みながら目の前の親友を睨み付ける。
「んんっ、げほっ……はぁ、はぁ……おがゆ、何で――」
「どうだった? あのく君の精液、すっごく濃いでしょ? これを中に出されたら、どうなっちゃうかな?」
そう問いかけながら、ころねのお腹を撫でるように指を這わせる。
思わず生唾を呑み込んでしまったころねは、咄嗟に逃げるように視線をそらし――見てしまう。
おかゆの後方で仁王立ちするデュラハンの股間、一度出しただけでは満足できぬと云わんばかりにそそり立つ男根。その先端から滴り落ちる透明な液体は、まるで得物のを前に涎を垂らす獣のようだった。
それを目にした瞬間、ころねの全身が粟立つ。
あれを挿入れられたら、もう後戻りはできなくなると直感的に理解する。
「あのく君ももう我慢できないよね? ちょっと待ってて、今準備を…」
デュラハンが挿入できるよう、ころねの下半身に手を伸ばす。
そうして下着の縁に指を掛けたところで、四つん這いになるおかゆの臀部にガチガチに昂ぶる肉棒が押し付けられる。それは早くしろという催促と言うよりは、今すぐに目の前の牝を犯したいという欲望の表れだ。
「あ、あれ? あのく君? 犯すのはボクじゃなくて、ころさんの方で……」
予定と違う行動に、おかゆは混乱する。
けれども何も聞かされていない雄は、本能のままに目の前の雌を犯す選択をする。
彼女の身体を覆う薄っぺらい布を捲りあげれば、下着すら身に着けていない秘所は既に愛液で濡れているのが分かる。そこへ亀頭を押し当て、ググッと腰を前に押し出せば秘裂は易々と侵略者を迎え入れていく。
「ん゛ぁっ♡」
鈍い喘ぎ声が、おかゆの口から漏れる。
身体を大きく仰け反らせ、おかゆは身体を震わせる。
性交するのはこれで何度目かとなるので彼女の膣内は既に、彼の凶暴なまでの剛直の形に沿うように変わってきていた。しかし形状に慣れてきたとはいえ、その衝撃に耐えられることとはまた別の問題である。
「はっ、はっ、はぁっ♡」
荒い呼吸を繰り返しながら、おかゆは快感に打ち震える。
その姿を黙って見ているしかないころねは、どうすることも出来ないでいた。
「ころねも待ってるし、そろそろ動くからな」
「ま、待っ……」
おかゆの命乞いを前に、デュラハンは行動で持って答える。
パンッという乾いた音が室内に響き渡り、それに合わせておかゆの嬌声も上がる。
「あんっ♡」
「これが欲しかったんだろ? たっぷり味合わせてやるからな」
「ぁあんっ♡ ぁっ、だめっ……ぁんっ♡」
一定のリズムで抽送を繰り返す。
その度に結合部からは卑猥な水音が響き、ピストンを繰り返す内に二人の腰の辺りを白濁とした粘液で濡らす。相も変わらずおかゆの膣内は包み込むように肉棒を締め付けつつも、柔らかい肉襞が絡みつくように動いて刺激を与えてくる。ただ、気のせいかもしれないが、いつもより締め付けが強いように感じる。
「あっ、すごっ……いぃっ♡ これっ、ほんとにすごいのぉっ♡」
「俺も凄いぞ。おかゆの膣内、最高に気持ちいい」
「嬉しいっ♡ あぁんっ♡ もっと……もっとボクのこと、めちゃくちゃにしてぇっ♡」
すっかり出来上がっているおかゆは、懇願するように叫ぶ。
その要望に応えるようにデュラハンが抽送の速度を上げていけば浴衣の肩がするりと滑り落ち、火照った肌と豊満な胸が露わになり振動に合わせて揺れる。後背位の体勢からでも見える程の大きさを誇る肉鞠は、たわわに実った果実のごとく、汗ばんだ肌によって艶やかに輝いており、ピンク色に染まった先端部はぷっくりと膨らんでいた。
「お、おかゆ……」
親友のあられもない姿に、ころねは狼狽する。
まるで一匹の雌のように乱れ狂うおかゆの姿にショックを受ける反面、その光景に興奮を覚えていることに彼女はまだ気が付いていなかった。胎の奥でジュンッと疼き始めており、もし黒色の下着でなかったのならクロッチ部分が変色しているのがバレていたことだろう。
そんなころねを尻目に、二人は自分たちの世界に熱中していた。
「あぁんっ♡ そこ、ダメぇっ……っ♡」
「ここが良いんだろ」
「あ゛ぁっ!?♡」
おかゆの弱いところを、重点的に攻め立てる。
彼女の好きな場所は既に把握しているので、Gスポットを狙ってピストン運動を速めていく。合わせて腰をホールドしていた片手を離し、ピンと真っ直ぐに立つ尻尾の付け根を軽くポンポンと叩いてやれば、締め付けはさらに高まる。
「尻尾、トントンってされると、気持ちよくて♡」
「なら念入りにしてやらないとな」
「だめぇ♡ そんな、んっ、激しくされたら、あん♡ も、もう…」
「俺もそろそろ出そうだ。どこに出して欲しい?」
「おくっ♡ 一番奥にっ、びゅーびゅーって出して、濃厚ザーメン汁でいっぱいにしてっ♡」
雄を煽るかのように、おかゆは誘惑する。
それに乗るように、彼は更に追い打ちをかけるように抽送を加速させる。
そろそろ限界を迎えようとしたその時、ふとデュラハンの脳裏に賢者の言葉がよみがえる。
――今後、調子に乗って中出しし過ぎないことね。子供が出来るかもしれないよ?
賢者が冗談で言ったことは理解している。
だが、それでもおかゆを本当に孕ませてしまうのではと躊躇ってしまう。
ただ彼の思考とは裏腹に、動き続けていた下半身の最後の一突き、子宮を貫かんばかりの勢いで最奥を穿つ。
「うっ! 射精るっ!!」
限界まで込み上げてきたものを解き放つ。
一回目とも引けを取らない、いやそれ以上の大量の精液が、おかゆの膣内へ注ぎ込まれる。熱い奔流が子宮を満たし、溢れ出す子種液は膣内を埋め尽くし、それでも入り切らないものは外へと逆流していく。
「ん゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉっ♡♡」
「っ!」
おかゆは濁音交じりの叫びに、ころねが小さく息を呑む。
大きく身体を仰け反らせながら絶頂していたおかゆは、やがて糸の切れた人形のように前のめりに倒れ込む。どうやら意識は失ったようだが、まだ身体には余韻が残っているのかビクッ、ビクッと小刻みに痙攣を続けている。
「ふぅ……」
気持ちよさそうな表情を浮かべ、デュラハンはゆっくりと息を吐く。
それから腰を引いて肉棒を引き抜くと、栓を失ったことで白濁色の液体が流れ出す。
「さて、次は……」
「ひっ!」
デュラハンの視線が、ころねへと向けられる。
本能的な恐怖から思わず後ずさろうとするも、未だに身体は確りと拘束されたままで、それも叶わない。
「こ、こぉねは、その……え、遠慮しようかな」
「大丈夫だ。夜は長いからな、じっくり、たっぷり、楽しもう」
それは、正に鎌首をもたげる蛇のようだった。
ころねにとって長い夜は、これから始まるのであった。
と言う訳で、おかゆとの一戦でした。
本当はころねとの一幕もそのまま継続して書く予定でしたが、思ったより伸びてしまったので分割することにしました(なお、書き終わってるとは言っていない)。
それからアンケートへの協力もありがとうございます。
正直、語彙力とか乏しいから読者が読みたいものが書けてるか不安なのでスバルとの一夜もどうしようかと思ったのですが、皆様期待されているようなので頑張って書きます。
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