北方に横長に広がる大陸の、右半分を統治する青の領土。
コーンフィールド王国と比べて魔物の襲撃が多く、古より外敵の侵入を拒み続けたその堅牢な壁の内側には王城を中心に六つの区画が広がっている。二つの塔に挟まれた南門を通ることで出入りが出来、ここを通らなければ誰も中へも外へも移動できない。
区画は北から時計回りに貴族の暮らす貴族街、浮浪者といった最下層の人間が暮らす貧民街、職人の工場のある職人区、南門と商人が集う商業区、一般市民の暮らす庶民街、教会のある教会区の並びになっている。
こちら世界地図(一部ネタバレ)になります。
縮図とか色々おかしいと思うかもしれませんが、あくまで目安?だと思っていただけると助かります。サイズに制限があるため、白の領土と赤の領土が近く見えますが、実際にはもう少し離れております。
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では、本編をどうぞ。
scene.7
四人からなる勇者一行がコーンフィールド王国を出発してから隣国に着くまで、約三週間もの期間を要した。途中、魔物の襲撃を受けたり、寄り道をしたり、襲撃を受けたりと苦難の連続であって決して楽な旅ではなかったが、それでも何とか無事にたどり着くことができた。
「ようやく……辿り着いた!!」
勇者フブキは疲労を吐き出すように呟く。
体力:1033 魔力:442 総合戦闘力:1475
「やっと、着いたんだぁ」
魔法使いのミオが杖を地面について安堵する。
体力:400 魔力:1602 総合戦闘力:2002
「流石に、一筋縄でいかぬ旅であった!」
戦士バクニは、上機嫌で笑みを浮かべている。
体力:1649 魔力:412 総合戦闘力:2061
「ここが……公国か」
感慨深そうに、デュラハン(僧侶あのく)は目を細める。
体力:408 魔力:1633 総合戦闘力:2041
四人は首都への入国手続きの順番待ちをする列へと並ぶ。
邪教徒の住まう漁村での事件から一夜明け、四人は死体の処理をするために四人で手分けして準備を行った。デュラハンが風の魔法で砂浜を掘り返し、前衛組は死体を掘られた穴へと集め、最後にミオが炎の魔法で火葬にする。三十人はいた死体をすべて燃やし尽くすには時間もかかり、全てが骨になる頃には日も沈んでしまっていた。結局、廃村でもう一晩過ごしてから四人は公国に向かって旅を再開した。
「それにしても、すっごい大きいよね」
ミオは首都を囲う巨大な城壁を見上げながら、感嘆の声を漏らす。
この都市の最大の特徴は高さ三十メートルにも及ぶ外壁であり、これは一見すると圧迫感すら与えるものではあったが、これが魔物の襲撃を阻む物理的な防壁であることを住民も理解しているので反対意見は意外と少ない。壁とは雨風や寒暖、潜在的な侵入者の様々な外的要因から身を守るだけでなく、周囲の視線や状況を視覚的に遮断されることで不安感から解放されるからだ。この世界においては外的要因で最も危険なものは魔物なので、壁があれば襲われる危険性は大分下がる。
「そっか、ミオはここに来るのは初めてなんだっけ?」
「うん。そもそも、ウチは白の領土から出たこともなかったから」
「だったらさ、一緒に観光しようよ! 実は私も公務とかで回れてないから」
「お嬢さん方、盛り上がるのは結構だが、その辺りは入ってから決めようか。ほら、順番も回ってきたぞ」
「うん。わかった」
順番の回ってきた四人は、それぞれ入国のための手続きを済ませる。
首都への唯一の出入り口である巨大な門には何人もの衛兵がおり、街への出入りする者を一人一人チェックを行っている。ただ冒険者であれば入国に関してはそこまで厳しくはなく、認識票を提示して本人確認や犯罪歴がないかの確認をして問題がなければ通される。その際、初めて訪れる者に対しては滞在する上での注意事項が口頭で説明される。
当然のことながら勇者一行に問題はなく、四人は引き留められることなく入国を許された。ただ、やはり勇者が来たという知らせは重大らしく、衛兵の一人が駆け足で何処かに向かって走っていくのをデュラハンは見逃さなかった。
兎も角、無事に入国した四人は先ずが宿屋へと向かった。
公国の首都だけあって宿屋は幾つもあり、貴族街にある宿なら一晩で金貨一枚を平気で請求されてしまう。とはいえ、それはあくまで最高級のところの話であり、商業区のところにいけば手頃な値段で宿泊することは可能である。勇者一行と言ってもお財布事情は決して裕福と言い難いので、安全性と利便性を考慮した上で旅人に優しい宿に泊まることとなった。
「あーっ、疲れたー!」
「こらこらフブキ、これからの予定を決めるんだから起きて」
部屋に入るなりフブキはベッドにダイブし、ミオにより窘められる。
ここ暫くは野営続きで久しぶりにちゃんとした寝床で休めるとなれば気持ちは分かるが、これから今後のことを話し合って決めなければならないので勇者であるフブキにもきちんと話に参加してもらわないと困るのだ。
それはフブキも分かっているので、素直にベッドから起き上がって椅子に座る。
「公国まで来たけど、次はどこに向かえばいいのかな?」
「次は黄の領土にあるアロス共和国に向かうことになる。位置的にはここから真南、海に囲まれた離島だ」
「これが目的の場所だよ」
ミオがテーブルに広げた地図を指さす。
現在、勇者一行がいるのは横に広がる北方大陸の東側に位置するヴァイツェン公国、そこから真南に陸を下り、海を渡った先にある離島が目的地であるアロス共和国となる。直線距離でいえばコーンフィールド王国よりも更に離れている。
「でもさ、海の上なんでしょ? どうやって行くの?」
「見ての通り、ここにある港から船に乗ることになる」
「小生は船に乗ったことがないから分からないのだが、魔物に襲われぬのか?」
「程度は分からないが、船には対魔物戦闘を想定した装備を用意している筈だ」
「じゃあ、その間はゆっくり出来るのかな?」
「完全にとは言えないけど、それより問題がある」
「問題というのは?」
「ミオさん、現在の俺たちの残金を教えてくれ」
デュラハンに訊ねられ、ミオは資金の入った袋を取り出す。
そして地図の上に袋を逆さまにして中身を広げれば大量の硬貨が――なんて事はなく、こんもりと山を作る程度であった。
「見ての通り、これが現在の所持金だ」
「えーっと……銀貨が五枚に、銅貨が二十三枚」
「おそらく乗船するには、銀貨が幾らか必要になる」
ここの宿泊費は人数分を、まとめて支払い済みである。
念のために三日分は納めてあるので、明日からまた野営に逆戻りなんて心配はない。だが、これから消耗した分の物資補充や武器防具の整備と色々と入り用なので、手元に残るのは銅貨が数える程度になってしまう。
とてもじゃないが、乗船の費用は足らない。
「ど、どうしよう?」
「ここまでの道中で手に入ったドロップ品を売れば、幾らか足しにはなるだろう。それでも、ギルドの方で幾つかクエストをこなす必要になる」
魔物のドロップ品は冒険者ギルドの方で買い取ってもらえるが、珍しいものか需要のある物でもない限りは、そこまで高額で取引されることは先ずない。現在のレートがどんなものかは実際にギルドに行かないと分からない。
「であれば、小生たちは資金集めをすると?」
「割の良い仕事があれば数日で済むだろうが、何日掛かるやら」
「……ミオと|観光≪デート≫したかったのに」
「しょうがないよ。ウチたちは魔王討伐の旅をしているんだから」
むぅ、とフブキはむくれた顔をする。
そんな彼女をあやすように、ミオは頭を撫でて上げる。
「連日クエストをこなす必要はないから、息抜きに観光したらいい」
「むっ! であれば酒場に早速向かうのである!」
「そうだね。今日はゆっくりして、明日から頑張ろうか」
そんな風に和気藹々と話していると、部屋の戸が控えめにノックされる。
誰だろうかと席を立ったデュラハンが扉を開ければ、そこには仕立ての良い制服に身を包んだ初老の男性が立っていた。
「何か御用ですか?」
「お初にお目にかかります。さるお方から、お預かりした品がございます」
そうして恭しく、男性は一通の封筒を差し出してくる。
それをデュラハンが受け取れば、彼は一礼して去っていった。
「あのく君、誰だったの?」
「いや、代理人から封筒を受け取ったんだが……」
封筒を裏返したところで、彼の動きが止まる。
差出人が誰なのか確認したデュラハンは、無言でそれをフブキへと差し出した。
「んー? なに……あっ」
「どうしたの?」
「……この国の君主様からだ」
「君主って……大公閣下様ってコト?」
思わぬ差出人に、ミオは驚きを隠せなかった。
確かに一国の姫が勇者として旅をしており、その勇者一行が自国を訪れたのなら声を掛けられるのは考えてみれば普通なことだった。普段のフブキを見ていると忘れてしまうが、彼女はコーンフィールド王国の王太女なのだから。
「そ、それで大公閣下は何て言ってきてるの?」
「ちょっと待ってね。えーっと……『勇者一行殿。明日の午前十時、城まで来られたし』」
「それ以外には何もないの?」
「うん。それだけだよ」
ほらっ、とフブキはピラピラと手紙を振る。
確かに見えた文面は短く、本当に必要最低限しか書かれていないようだった。
「……これ、全員で行かないと拙いよね?」
「文面に勇者一行って書かれているしな」
「ぬぅ、小生はそういった礼儀作法など知らぬぞ?」
「その辺りは大丈夫だと思うよ。大公の地位に就く前は冒険者として名を馳せてたって話だし、堅苦しいのも好んでないから冒険者が礼儀作法が出来なくたって一々目くじらを立てるような人じゃないよ。それに、これは正式な謁見って訳じゃなさそうだから心配する必要ないよ」
流石はお姫様だけあって、フブキは慣れている様子だった。
その後四人は改めて今後についてどうするか話し合うことにした。
◆
「……ふぅ」
夜、商業区にある酒場。
デュラハンは一人、カウンターに腰かけて一杯傾けていた。
安酒を取り扱っている訳ではなかったが、食事も酒もリーズナブルな値段で提供される酒場なだけあって店内には彼以外にも幾人もの冒険者がわいわいと酒盛りに興じていた。
静かにジョッキを口に運んでいると、不意に声を掛けられる。
「お隣、相席しても宜しいかしら?」
「あぁ、別に構わない」
特に相手の確認もせず、そう答える。
声色から若い女性であることは分ったが、まだ店内にはカウンター以外にも座れるスペースがあるのに相席を望んでくるなんてどんな物好きかと思いながら顔を上げると。
「……ちょこ」
「こんばんわー」
そこにいたのは、魔王軍の三人いる軍団長の一人である癒月ちょこであった。
魔王軍の幹部である彼女は白衣に胸元が大きく空いたシャツやタイトスカートといったセクシーな衣装やメイド服に身を包んでいるが、今回は普段と違って落ち着いた服装――それでも胸元は空いている――を着ている。その美貌と魅惑的な身体つきも相まって、見る者の視線を否応なしに引き寄せている。
だが、デュラハンはそんな恰好を気にすることなく、鼻を伸ばしている店主に声をかける。
「店主、彼女に甘めの……ミードを一つ。俺はシードルを」
「………」
「店主、酒のオーダー」
「っ! あ、ああ!」
店主は慌てて酒の用意をする。
暫くして二人の前に頼んだ酒が出されると、デュラハンは口止め料込みの代金を店主の前に差し出す。それを見て意味を察した店主はそれを黙って受け取ると、二人のいる場所から少し離れた場所に移動する。
「それで、何かあったのか?」
「現在の魔王軍の情勢と、陛下からのお言葉を伝えに……」
そこで、ちょこの言葉が止まる。
何かあったのかと思い、彼女の方へと向けば不思議そうに首を傾げている。
「どうかしたのか?」
「デュラハン様、顔……変えられました?」
「いや?」
思わぬ発言に、デュラハンも首を傾げる。
自らの首を持たない彼は他人の首を借りることで、その人物の記憶と知識を覗き見て自らのものにすることが出来る。例えその後で首を外しても残り続けるが、一度でも解除すれば二度と同じ首は使えない。どういった原理なのか自身でも分かっていないが、外した首はドロリと形を失って解ける。
なのでおよそ三週間、デュラハンは術を解いていない。
「何と言いますか、顔立ちが変わったと言いますか……」
「そうか?」
ちょこの言葉に、自らの顔に触れる。
ふと思い返してみれば、確かに術をこれほど長期間も継続させたことは一度としてなかった。もしかしたら自覚していなかっただけで、顔の形が変形するといった何かしらの弊害は出ているのかもしれない。
「……変な、感じなのか?」
「元の顔の持ち主はは薄っぺらい感じでしたが、今はむしろ……好感が持てる精悍な顔立ちになっておりますわ。女だったら、思わず見惚れてしまう程です」
この酒場に向かう道中、やたらと視線を感じたのを思い出す。
妙に女性からの視線が多いとは思ったが、ちょこの話を聞いて納得する。
「変でないなら問題ない。それより本題に戻ってくれ」
「畏まりました。では現在、我が魔王軍はセーグル帝国との小競り合いを続けておりますが、そう遠からずこの膠着状態に終止符を打てるかと思われます」
魔王城のある赤の領土に隣接する黒の領土。
そこを統べるセーグル帝国は抜きんでた軍事力を有し、それにより魔王軍は勢力を拡大できずに足止めを食らうことになってしまった。全兵力を投入すれば多少時間は掛かっても帝国を滅ぼすこと自体は可能であったが、そんな力尽くな行いは美学に反するとして魔王直々に禁止されている。
「指揮に当たっているのは夜叉だったか?」
「いいえ、今の指揮をしているのは月影旅団です。夜叉兵団は別の任務に出ています」
夜叉兵団と月影旅団、どちらも妖魔軍団と並ぶ魔王軍の主力である。
前者は武闘派の戦闘民族“鬼”だけで構成された剛力無双、後者は敵軍を攪乱して弱体化させることを得意とする暗中飛躍。因みにちょこが率いる妖魔軍団は
「成程、確かに月影なら裏工作が得意だからな」
おそらくは帝国を外からではなく、中から切り崩す方針に切り替えたようだ。
ならば今まで最前線にいた夜叉兵団は一体どこに向かったのだろうか、そう思ったデュラハンは訊ねることにした。
「それで、夜叉は何処にいるんだ?」
「ここです」
そう言って、ちょこは下を指さした。
それが何を意味するのか直ぐには理解できず、デュラハンは首を傾げる。
そんな彼に苦笑しながら、ちょこは説明する。
「今、この青の領土にですわ」
「……まさか、勇者に夜叉をぶつける気か?」
「流石に、陛下もそんな無茶はさせませんわ。ただ、けん制するためだと」
「成程……確かに、そうだな」
早合点だったと、デュラハンは安心してグラスを傾ける。
ふふっ、とちょこも微笑んでグラスに注がれた蜂蜜酒を味わう。
「それで、陛下からは何と?」
「んー……『スケコマシ』だそうですわ」
「は?」
今度こそ、デュラハンはフリーズした。
魔王が口が悪い人物であることは百も承知であり、決して労いの言葉をもらえるとは思ってはいなかったが予想の斜め上の言葉に思考停止してしまう。それに対し、ちょこはニコニコと微笑みながら続けた。
「まさか勇者の仲間として送り出した部下が、報告であんな情交を送り付けてくるとは思わなかった。だそうですわ」
「………あ」
そこでようやく、デュラハンは理解した。
ハーフエルフの不知火フレア、彼女との性交した場面も含めて見聞きした全ての情報を魔王への定期報告として送っていた。陛下が欲しいのは勇者に関する情報なんだから、わざわざ他人の性交渉を見せる必要は何一つとしてなかった。なのに、デュラハンはいつもの癖で添削することなく上げてしまっていた。
そんなものを見せられて、あの魔王が文句を零すのも無理からぬことであった。
「やらかした……」
「私も一緒に見たけど、あんなに激しく求めあって……思わず濡れてしまいました」
そう言いながら、ちょこはデュラハンの膝に手を置く。
そのまま彼女の手は彼の太ももの付け根へと這わせていき、それと同時に豊満な乳房を肘へと押し付けてくる。
「あんなの見せられて……私も、期待してしまいました」
「……分かった」
流石に、人目のある場所でおっぱじめる訳にはいかない。
デュラハンはグラスの残りを飲み干すと、ちょこの身体を支えるようにして立ち上がり、酒場を後にする。
◆
酒場を後にしたデュラハンとちょこは、人気のない方に向けて歩く。
ちょこはしな垂れ掛かっているものの確りとした足取りで歩いており、決して酔いが回っている様子ではなかった。単純に甘えているだけなのは明白であったが、歩くたびにむにゅむにゅと柔らかく形を変える乳房が身体に押し付けられるので彼の理性はゴリゴリと削られていた。
「デュラハン様、まだ~?」
耳元で、甘ったれた声で囁かれる。
これをわざとやっているのではなく、素でやっているのがたちが悪い。
「流石に、この辺りの宿だと色々と拙い」
「ちょこ、もう我慢できないの。早く、デュラハン様のあっついの頂戴?」
ちょこの言葉と共に、ムワッと濃密な雌の匂いが鼻腔を突き抜けた。
それだけで彼女の準備がとっくに万端なのは明らかで、それを目の当たりにしてはデュラハンも我慢できなくなった。
「……しょうがない」
「はしたない娘は、嫌い?」
「いいや、大好きだ」
不安そうに見上げてくるちょこに、デュラハンは応える。
彼女の背中へと手を回し、そのままショートパンツ越しに臀部を鷲掴みしながら抱き寄せる。
「あんっ♡」
「ここだと人目につくからな、もう少しだけ我慢できるな?」
「はぁ~い」
イチャイチャと絡み合いながら、二人は近くの路地へと入り込む。
幾つもの建物が密集して立ち並ぶ商業区、その建物と建物の隙間にある人が何とか通れるように伸びる狭い道は複雑に曲がりくねり、下手に踏み入れれば見通しの悪さも相まってまるで迷路に迷い込んだような錯覚を覚えることだろう。
そして周囲に誰もいないことを確かめた上で、互いに向き合って唇を重ねる。
「んちゅ……♡ ぢゅる……♡ れる……♡」
お互いの舌を絡ませるディープ・キス。
口内で唾液を混ぜ合わせながら貪るような激しい口づけを行う。
「ちゅっ、ちゅぱ……れろ♥」
互いの舌同士が絡み合い、淫靡な水音を立てる。
ふと、こうして彼女とキスをするのはこれで二度目だったことをデュラハンは思い出した。ただ、前回は唇が触れ合うだけのものだったが、今はそれ以上の深さになっている。
息継ぎすることも忘れて唇を重ね合わせるのと同時に、デュラハンは両の手をそれぞれ別に動かす。右手でちょこの豊満な乳房を服の上から鷲掴みにし、左手でショートパンツの上から臀部に触れる。衣服の上からでも分かる柔らかさと弾力を味わうように揉みしだけば、「んっ……♥」とくぐもった喘ぎ声が漏れる。
「ぷはぁ……♥」
暫くして、ようやく二人は長い口づけを終えた。
唇は離れても繋がった透明な糸は下に垂れ、彼女が着るセーターの胸元に黒いシミを作る。
頬を紅潮させたちょこは潤んだ瞳でデュラハンを見上げてくる。
「先ずは、私からご奉仕いたします」
そう言うと、ちょこはその場にしゃがみ込む。
そうして慣れた手つきでデュラハンのズボンを脱がし、更にその下から肉棒を取り出す。
「あぁ、素敵♡」
天高くそそり立つ男根を見て、ちょこはうっとりとした表情を浮かべる。
先ずは手で優しく竿を包み込んで上下にしごけば、それだけでも十分な気持ちよさが伝わってくる。暫く手を動かしていたが、ちょこは大きく口を開くとパクっと亀頭を咥える。亀頭全体が温かな粘膜に覆われる感覚に思わず身震いすれば、ちょこは咥えた状態のまま舌先でチロチロと舐め回す。そして唇でカリ首の部分を重点的に攻めたりして刺激を与えながら徐々に奥まで飲み込もうと頭を動かしていくが、半分ほどしか入らずに一旦引き抜くと唾液塗れになったモノにフーッと息を吹きかけたりして焦らしてくる。
「デュラハン様、気持ちいいですか?」
「あっ、ああ」
「なら今度はこちらでお相手します」
ちょこがセーターを捲り上げれば、ぶるんっと下着に包まれた巨乳が飛び出てきた。それは一般的に見ても大きい部類に入る代物であり、窮屈そうにブラジャーの内側に収められていた。それを外してみれば支えを失った柔肉がたゆんっと揺れ動く様は、見ているだけでも楽しくなるくらいに迫力満点だ。
「ちょこのおっぱいで沢山気持ち良くなってください」
「――ぉっ」
そう言うや否や、その大きな乳房で肉棒を両側から挟み込む。
全体を包み込むような柔らかさと心地よい温もりを持つ塊に包み込まれ、思わず声が漏れてしまう。そんな彼の姿を愛おしそうに見つめたあと今度はゆっくりと上下運動を開始する。最初にフェラチオした際に付着した唾液が潤滑油のような役割を果たし、ヌチャヌチャッと卑猥極まりない音を鳴らす中で絶妙な圧力をかけて搾り取ってくる。
「んっ……ふぅ♥ はぁ、はぁ……♥ どうですかぁ?」
「っ……凄くいい」
「んふっ♪ もっとサービスしてあげちゃいますね」
ちょこは乳房の間に肉棒を埋めさせたまま、その先端に向けて舌を伸ばした。鈴口をチロチロとくすぐるように舐めるだけで終わるが、次第に舌先だけでなく舌全体を使ってペロペロとキャンディーでも舐めるみたいに転がし始めた。舌先で尿道を穿りつつ裏筋に沿って舐め上げていくなど丹念な愛撫を行っていくが途中からは口いっぱいに亀頭部分を頬張りジュポジュポという湿っぽい音を立てて吸い上げたり舌全体を使って舐め回したりするなどの濃厚なフェラチオを始めたのである。
「おくひのなかでびくってしれまふね♥」
「ちょこ……そろそろヤバイかも」
「ふぁい♥ いつでも出してください♥」
口を離すと、柔肉を駆使して徹底的に竿を擦り上げる。その刺激により射精感が一気に高まってきたデュラハンは両手で彼女の両肩を掴んで固定させると、その欲望に任せて激しく腰を振り始める。
「射精る!」
「ひゃぁっ♥」
腰を前に突き出したところで、どぴゅっと大量の白濁液が放出される。
間欠泉のように勢いよく噴出した精液はちょこの端正な顔立ちを瞬く間に穢し、谷間に白色の水たまりを作り上げる。
「わぁ、いっぱぁぁい♡ ぢゅるるるっ」
ちょこは谷間に溜まった精液を飲み干すと、尿道に残った残滓を啜る。それから顔に付いた精液も指先で掬い取ってから飲み込み、指先に付着したものもキレイにしていく。
「ちゅぷ……ふぅ」
「前から思っていたが、随分と美味しそうに飲むな?」
「デュラハン様の精液は魔力が濃くて美味なんですよ」
「そうなのか」
「はい。それよりまだまだ元気ですね♡」
「まだまだお腹いっぱい食べたいだろう?」
「はいっ♡」
そう言ってちょこは立ち上がると、ショートパンツのホックを外してショーツと一緒に降ろせば股間から透明な液体が糸を引くように垂れて地面に落ちるが、彼女は気にした様子もなく家屋の壁に両手をついて臀部をデュラハンの方へと向ける。そして彼の方へと振り返りながら、誘うように軽く腰を横に振る。
まだ出し足りないと脈打つ肉棒は、萎えることなど知らないと硬度を取り戻す。
彼女の背後へと立ち、慣れた手つきで亀頭を秘所へと宛がい刺し込んでいく。既に濡れそぼった膣は難なく侵入を許し、ぬぷっと音を立てて飲み込むと彼女自身も待ち侘びていたかのように迎え入れてくれる。
「ゔォぉ゛ッ♡」
「ぐっ」
久しぶりのちょことの性交。
ちょこは喉から獣のような唸り声を上げ、デュラハンも思わず声を漏らす。
彼女とは数え切れないほどに身体を重ねてきただけあって膣内は容易く男根を根元まで吞み込むが、しかしだからといって緩いという意味ではなく、ギュウっと肉棒を締め付ける強烈な圧力は一瞬たりとも気を抜くことが出来ない程でありながらも優しく包み込んでくれるような温もりがある。何より鍵と鍵穴がジャストフィットするように、膣内は彼の逸物の形に完璧に合致しているようだった。
「っ、相変わらず、ちょこの膣は最高だな」
「あぁん♡ 久しぶりのチンポ、大っきくて逞しいのぉ」
「動くぞ」
そう宣言してからピストン運動を開始する。
柔らかな尻肉に指を沈めるように鷲掴みしながら持ち上げるように突き入れれば、膣壁がうねるように蠢いてくる。そして引き抜こうとすれば名残惜しそうにヒダが絡みついてきて、それでもギリギリまで腰を引いてから最奥まで押し込む。パチュン、パチュンッと互いの肌同士がぶつかり合うたびにリズミカルな音色となって路地裏に木霊する。
「あっ♡ んっ♡ やっぱり、すごぉぃぃぃ♡」
「ふぅ、あんまり、ふぅ……そんな声出すと、野次馬が来るぞ」
「んっ♡ こんなの味わったら、あっ♡ 声を抑えるなんて出来ないわ」
「まったく……」
呆れたように呟くデュラハンであったが、その口調とは裏腹に抽送の速度は増していくばかりである。それに合わせて結合部から流れ出る白く泡立った液体が、飛び散って幾つものシミを地面に作る。
「なら、早めに終わらせないとな」
そう言って腕を伸ばし、ちょこの片足を抱える。
立ちバックから片足立ちへと姿勢が変わったことで結合部は丸見えとなり、彼女の秘所を貫く男根が出入りする様が眺められるようになる。それに伴いピストン運動に合わせ、豊満なおっぱいもユサユサと揺れておりその光景を見るだけで興奮が止まらない。それに誘われるようにデュラハンはもう片方の手を伸ばし、その柔らかく張りのある乳房を乱暴に握り潰す。
「あんっ♡ そんな、強く掴んだらダメっ♡」
「そう言いながら、こっちは自己主張してるぞ」
「あっあっあっ♥ だめっだめぇぇぇぇ♥♥」
手の平に感じる硬く勃起した乳首を親指と人差し指で握れば、面白いくらいに膣壁が収縮を繰り返してくる。
それに負けじと更に突き上げる速度を上げていけば、やがて耐えきれくなったのか、ちょこは絶叫しながら全身を痙攣させる。
「お゛っほぉぉ♡♡♡♡」
「――っ!」
身体を仰け反らせながら達すると同時に、膣内も締め付けがより強くなる。
思わず射精しそうになるのを堪え、デュラハンは抱えていたちょこの片足を地面へと降ろした。そして繋がったまま、今度は彼女の両肘を掴んで手前に引っ張りながら激ししく腰を振っていく。軽く意識を飛ばしかけていたちょこは一気に引き戻され、その口からは獣のような嬌声を上げる。
「お゛ほっ♡ ンオ゛オ゛ッ♡」
獣じみた喘ぎ声を上げるちょこは、頭の中は快楽に溺れ切っていた。
最早まともな思考すら出来ないようで、涙や鼻水といった体液を垂れ流しながらもデュラハンからの責め苦を受け続けている。
「はぁ、はぁ! いくぞ、出すぞ!」
「イッく! イグイグイグッッッ♡♡♡」
「射精るっ!!」
「お゛っ!? お゛っほぉぉぉぉ゛ぉ゛ぉ゛っ!!!
そして遂に限界を迎えたデュラハンは、腰を叩きつけると同時に射精する。ドビュッと熱い奔流が膣内に放たれると同時にちょこも身体を弓なりに反らして盛大に絶頂を迎え、ガクガクと痙攣しながら白目を剥いてしまう。
「……ふぅ」
長い射精を終え、一息つきながらデュラハンは腰を引く。ズルッ、と脱力する肉棒を膣内から引き抜けば、ごぽっと大量の精液が逆流してきて地面へと零れる。
力の抜けたちょこは崩れ落ちそうになるのを抱きかかえるように支えながら、彼女が意識を取り戻すのを待ちながらこの後の予定についてデュラハンは思いを馳せていた。
◆癒月ちょこ‐怠惰の悪魔 ハザード:Ⅳ
年齢:■■歳 性別:女性 身長:165㎝(98H) 適正:鞭、魔法(青)
装備:茨の鞭、魔法の給仕服、色香のルビー
体力:9135 魔力:21315 総合戦闘力:30450
魔王軍が一つ、妖魔軍団の軍団長。
精信組さや魅力の術に長け、甘い言葉と微笑みで相手の正気を狂わわせて戦わずにして敵を骨抜きにする魔性の女。部隊も新しい魔道具などの開発や兵站の支援を得意としており、怪しい効能を持つ秘薬や魅了の香も作成している。一見すると包容力にあふれる甘いお姉さんだが、嵌まったら最後二度と抜け出せない。
現状、複数の衣装で登場しているちょこ先生。
因みに女悪魔が持っている武器――と考えた際に最初に浮かんだ三叉槍でしたが、それ以外に何が似合うかと思ったのが鞭だったので、装備品はこれになりました。
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