サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「・・・なんというか、パラレルワールドなんていう話題を聞いたら、常識を疑いたくなるね」
「まぁ、猫猫の言う事も理解出来るけど、実際に行ったからな」
そう、俺は猫猫と共にとある場所に来ていた。
「それで、なんで海外の、それもこんな森の奥の植物を採りに来てるのさ?」
それは、海外のジャングル地帯であった。
「・・・ここにある植物を使って薬を作るんだよ」
猫猫はそう言うと俺の方を見る。
すると猫猫は興味深そうな顔をしながら話し続ける。
「最近までの私は日本の毒にばかり眼を向けていたけれど、最近は太郎のおかげで海外への伝手も増えたからね。それに普通では分からない植物の知識も得られたからね」
「まぁ、ウィズの情報網とかあればな」
「実際にウィズさんの知識には助けられましたが、それで」
そう、俺と絶花が訪ねると。
「神話の中には伝説となった植物が記されたものがあります。それに基づいて探してみると良いでしょう」
そんな風にアドバイスをくれたのだ。
そして実際に現地に行ってみると驚愕した。
なんとそこは地球とは全く異なる生態系だったからだ。
まるで別世界に紛れ込んだのではないかという程に違和感があった。
例えば見たことの無い生物が闊歩していたし何より巨大な木が立ち並び空を覆い隠すほどにも生えており圧迫感を与えてくるほどである。
さらに植物も未知の物が多くあったのでそれだけでも価値が高いと言えるだろう。
それに加えて今まで知らなかった鉱石などもあり収穫も大きかった。
エンペラ星人の血が騒ぐ──
全身の細胞が沸騰するような高揚感と共に思考が加速していく。
同時に頭痛に似た痛みも感じ始めているため集中できず焦燥感に苛まれる。
だが今は考える暇はないようだ。
目の前に広がるのは深く暗い森だったはずなのだが突然霧がかかったように景色が見えにくくなったせいなのか平衡感覚すら曖昧になりつつあった。
まるで夢の中にいるかのような錯覚すら覚えてしまうほどの非現実的な空間となってしまっていたのだ。
しかし唯一確かなことが一つあった。
それはこの森全体から殺気にも似た敵意を感じ取れるということだ。
しかもそれはただ漠然としたものではなく明らかにこちらに向かって放たれているものだった。
それを証拠に今まさに四方八方から獣のような唸り声のようなものが聞こえてきているのである。
これは間違いなく自分達に向かって放たれている敵意に他ならないだろうと思わせるだけの圧力があった。
しかもそれが尋常ではない数存在しているらしいこともまた伝わってくる。
このままでは不味いと思った太郎と絶花が咄嵯に構えた瞬間だった。
前方の茂みの奥の方から飛び出してきた影が一匹。
それは四足歩行で全身灰色の毛皮に包まれた犬型の生命体で全長は1メートル以上ある大型種であることは見てとれた。
そしてその額には第三の目がある奇妙なものだった。
「グルルッ!!!」
低い声と共に牙を剥き出しにして威嚇してきた相手に対して二人は既に戦闘態勢に入っている。
鋭い風切り音が夜空を引き裂いた。
同時に太郎の目の前を遮っていた狼の一頭が、まるで糸を断ち切られた操り人形のように崩れ落ちる。
その背中からは鮮血が噴き出し、地面を赤黒く染めていった。
「……なんだ?」
狼たちもまた驚きと恐怖に満ちた悲鳴を上げる。
すると、さらなる銃声が立て続けに轟く。
「ギャオォーーン!?」
「ウワァーーォウ!!」
「グガガッ!!」
森全体が激しく震動するほどの銃声と共に倒れていく狼たち。
彼らは一斉に動きを止めたかと思うと次々と頭や胴部を貫かれていった。
太郎たちの後方の崖の上に立っていたのは小さな人影だった。
小柄な体躯に不釣り合いな大きさの猟銃を持ち、赤い頭巾を被った少女の姿が見える。
風に乗って獣臭が鼻腔を突く。先程まで飛び掛かろうとしていた狼どもは全て地面に伏していた。奴らの背中からは真っ赤な血溜まりが広がっている。それらが混ざり合い黒く濁っていく様はまるで地獄絵図のようだった。その中央で私はただ呆然と立ち尽くしていた。
視線を上げれば、崖の上に一人の少女が立っていた。小柄な体型に似合わぬ巨大な猟銃を肩に担ぎ、赤い頭巾をフードのように被っている。
彼女の顔は闇に溶け込んでほとんど見えないが瞳だけが光って俺達を見据えている。
「さて、お前達、こんな所で何をしているんだ」
そう、問いかけた。
女王は誰にする?
-
アルファ
-
ララ·サタリン·デビルーク
-
エミリア