※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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宇宙の植物

アーマード・ダークネスの巨体が植物怪獣の触手群に覆われる。漆黒の装甲に絡みつくのは無数の緑の蛇だ。蔓は精密機械のように複雑な挙動を見せた。

 

一本は鞭のようにしなり、アーマード・ダークネスの胸甲を鋭く打つ。金属と有機体が激突する鈍い音が響き、衝撃が太郎の脳髄まで駆け抜けた。

 

別の触手は螺旋を描きながら兜へと伸びる。先端がパックリと割れ、内部に密集した肉質の繊毛が露わになった。ハエトリグサを思わせる捕食器官が開閉する度に、唾液のような透明な液体が糸を引く。それがアーマード・ダークネスに滴り落ちると、装甲表面でジュッと溶解音を発した。

 

「……ッ!」

 

俺は歯を食いしばる。植物怪獣の分泌する消化酵素は極めて強力だった。

 

通常兵器なら一瞬で融解させられるだろう。

 

けれど、アーマード・ダークネスの外殻は神父的な最強の防御壁だ。溶解液など通用しない。

 

「まだまだだ!」

 

俺は右手の剣を振り回す。刃の軌跡が紅蓮の弧を描き、迫る蔓を両断していく。

 

切断面から濁った緑の血液が噴き出し、空中で霧散した。

 

しかし切断された部位から即座に新しい触手が生えてくる。

 

植物怪獣の再生速度は尋常ではなかった。

 

「キリがないな」

 

蔓を巻き込みながら巨体が宙に舞った。眼下には蠢く触手の大森林と、その根元で蠢く巨大な本体の輪郭が見える。

 

中枢は巨大ワニを思わせる形状だった。しかし鱗の一枚一枚が植物の葉脈で形成され、背中からは無数の触手が生えている。

 

その口元から伸びた長い触角が空中の俺を捕捉しようとしていた。

 

「あれが本体、まるで見た事がない生物だ」

 

「宇宙怪獣か、けれど」

 

アーマード・ダークネスの巨体が植物怪獣の触手群に覆われる。漆黒の装甲に絡みつくのは無数の緑の蛇だ。

 

「これを、このままにしておくわけにはいかない」

 

槍の柄を強く握る。

 

その名の通り暗黒の炎を纏う必殺の投槍だ。俺の怒りを込めて、全力で振り抜く。

 

「くらえッ!」

 

槍は流星のごとき速度で放たれた。空気を切り裂く轟音と共に、漆黒の軌跡が植物怪獣の腹部を貫いた。直後、槍先から膨大な暗黒の焔が噴き出す。

 

「ギャオオオオンッ!!!」

 

怪物の悲鳴が天地を震わせた。貫かれた腹から内臓がこぼれ落ちる代わりに、腐敗臭漂う黒炎が噴出し始めた。腐った花の匂いと腐敗臭が混じった異臭が辺りを支配する。

 

「燃え尽きろ……!」

 

炎の効果は絶大だった。植物細胞を蝕む猛毒の炎が、植物怪獣の全身に延焼していく。無数の触手が灰になりながら天へ舞い上がり、まるで巨大な黒い花弁のようだった。

 

「これは、凄まじいな」

 

それを見たグリムの言葉。

 

その言葉通りだ。

 

けれど、まだ。

女王は誰にする?

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