サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
焚き火で炙ったパンと粗末なスープを口に運びながら、俺たちは男――闘士ヤプールの話を聞いていた。彼は仮面のような無表情を保ちつつも、どこか虚空を見つめるように遠い目をしている。
「私がヤプール王によって粛清されたのは偶然ではない。反乱分子の烙印を押された時点で、滅びの運命は決まっていた」
ライザが熱々のパンを吹き冷ましながら小声で言う。
「粛清……」
「肉体を失い魂のみとなって宇宙を漂流していた。そんな私は感じた」
「感じたって、何を?」
「お前の中にあるエンペラ星人という強大な力と血脈をだ。そして私は思った――」
ヤプールは初めて俺を直視した。仮面越しに見えるはずのない瞳孔が見開かれたような錯覚に陥る。
「闘うことこそ我々の存在意義だと。戦うために生まれ、戦うことを止めた瞬間に消えゆく定め。しかしこの身一つでは何もできまい」
グリムがカップを置いた。湯気が立ち上る水面を見つめながら問い返す。
「だから人間態を?しかもリュウという男の姿を借りて」
ヤプールは首肯した。
「彼の精神力は極めて稀有だった。我が魂魄を取り込んでなお自我を保ち続けた強靱さこそ、この身体を選ぶ決め手となった」
猫猫がスプーンでスープを掻き混ぜながら言う。
「つまりこの人は戦う相手が欲しいわけね」
「否」
ヤプールの否定は雷鳴のように轟いた。
「戦いは手段に過ぎん。究極的には滅びを求めるのだ。真の意味での消滅を」
俺の背筋に冷たい汗が流れる。彼の言葉が持つ絶望的な重みに戸惑いを隠せない。
「滅び……?なぜそこまで?」
「選択肢など無い。存在する限り闘争を避けられぬ運命ならば――」
一拍置いて彼は静かに告げた。
「いっそ終わりにしてくれ」
その刹那、リュウの顔をした男の周囲で陽炎が揺らいだ。幻想的な光景に全員が息を呑む中、彼は再び俺を見た。
「故に問う。エンペラ星人の血を引きし者よ」
魂の深淵から響く声が夜気を切り裂く。
「決闘を受けよ。そして私に安息を与えよ」
沈黙が場を支配した。焚き火の爆ぜる音だけが無情に響く。
俺の手の中のパンが熱を失っていく。だが、心臓は早鐘のように打ち続けていた。
これは単なる暴力ではなく――
「存在意義の問題だ」
ヤプールが結論づけた言葉が頭蓋の内側で反響する。
俺はどうすべきか?
迷ったが。
「・・・良いだろう」
「太郎!」
そうして、俺は立ち上がる。
「王として、宣戦布告された以上は受けなければならない」
「太郎!」
絶花の必死の声に俺は微笑む。
「ここで逃げたら、俺が王として認められない」
「そもそも俺が王を名乗るのは、ここに居る皆を王国民として迎えるつもりだ。だからこそ」
俺は立ち上がる。
「ヤプール、お前の勝負、受けよう」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア