サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
夜の闇が深まる中、俺はヤプールと対峙していた。
エンペラ星人の血が血管を駆け巡る感触と共に、右腕に漆黒の装甲が出現する。
アーマード・ダークネスの籠手だ。
未だに、その力を完全に制御した訳ではない。
それでも、今ならば、この腕の籠手と刀だけならば暴走する心配はない。
「・・・行くぞ」
俺は刀を抜いた。
闘技場を作り出し、俺とヤプールは開始の合図を待つ。
そして――。
「はあっ!」
俺はヤプールへと飛びかかった。瞬時に距離を詰め斬りかかるが鎌状の右手がそれを弾き返す。金属同士が擦れる音が鳴り響いた直後、刃先から紫電が迸った。
「ちっ!」
咄嵯に跳び退くも左腕を掠める。皮膚が焼け付く痛みに歯を食いしばる間もなく第二撃が飛んでくる。
「止まってくれないか」
「戦うのは好きではないが。貴方はここで滅ぼさなければいけない存在だ。だからこそ」
「そうだな・・・」
ヤプールの両腕から放射された熱線を紙一重で回避しつつ接近する。一閃。
しかし狙い澄ました斬撃は容易く防がれた。彼の左手が変形した盾が青白い火花を散らしながら刀を受け止めている。
「何だと!?」
驚愕する暇もなく蹴りが繰り出される。横腹に直撃し数メートル吹き飛ばされた。
地面に叩きつけられる衝撃で肺から空気が漏れる。咳き込みながらも立ち上がる。視界の端では既に第三の攻撃が始まろうとしていた。
右腕の鎌から放たれた無数の光線。避ける間も防御する余裕もない。
(くそっ!)
目を閉じた刹那、闇の力が勝手に働いた。漆黒の障壁が展開され光条を飲み込んでいく。衝突したエネルギーが火花を散らす中、俺は奥歯を噛み締めて叫んだ。
「まだだ!!」
呼応するように刀身が闇の粒子で包まれていく。だがそれは俺が望んだ形ではなかった。
右腕全体が黒曜石のような輝きを帯び、装甲が手首から肘にかけて拡大する。
(まずい!このままじゃまた・・・)
「太郎!」
絶花の声が遠く聞こえる。そうだ、俺はただ戦ってるんじゃない。この闇を制御するために戦っているんだ。
呼吸を整え集中力を高める。闇の奔流を抑え込み刀だけにエネルギーを流し込むイメージを思い描く。
「ほう」
ヤプールが感嘆の声を漏らした時には既に準備完了していた。闇の刀が真価を発揮する時だ。
「喰らえ!」
一閃と共に漆黒の刃が伸びる。本来なら届かない距離からの斬撃が虚空を切り裂いた。
「なるほど」
間一髪で回避したヤプールの肩口から黒煙が上がる。
(効いてる!)
好機と見て踏み込もうとした瞬間、彼の瞳孔が妖しく煌めいた。
「面白い!」
突如として大地から炎柱が噴き上がる。咄嗟に飛び退いたものの熱風に煽られて体制を崩す。そこに待ち受けていたのは四方向からの同時攻撃だった。
四方八方から放たれる光線。逃げ道は無い――否、ある。
俺は敢えて前に出た。闇の力で強化された脚力を最大限に活かして光線の雨を掻い潜る。
一発が大腿を掠め血飛沫が舞う。二発目は肩甲骨を焼く痛みを与えた。それでも止まらない。止まれない。
(ここまで来て負けるかよ!)
最後の一歩を踏み出す直前、視界の端に信じられない光景が映った。ヤプールが両腕を交叉させて防御姿勢を取っていたのだ。
まさか――誘導されていた!?
「遅い!」
勝利を確信したヤプールの哄笑。しかしそれは致命的な油断だった。
俺は全力で地面を蹴ると同時に上半身を捻った。遠心力に乗せて放たれた渾身の一撃は正確無比に鎌の関節部を捉える。
金属質な破砕音と共に武装が砕け散った。
けれど、まだ、俺は。
「刀が無くても!」
俺はそのまま、拳を固めて。
ヤプールを殴った。
「ぐはっ!」
拳から放たれた衝撃波が、地面を全体を揺らす。
そして。
「・・・」
ヤプールは、そのまま地面へとゆっくりと倒れ、戦いが終わる。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア