サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
砂塵が晴れていく中、膝をつくヤプールの姿が見えた。鎌状の右腕は原型を留めず、胸部装甲には大きな亀裂が走っている。
それでも奴は生きていた。いや、生きているという表現は適切ではないかもしれない。
魂だけの存在であるヤプールにとって、この戦いは単なる消耗戦に過ぎないのだから。
「なぜ殺さない」
ヤプールの低い声が、荒い呼吸の合間から漏れる。かつての威厳は微塵もなく、ただの疲れた亡霊のように感じられた。
「……エンペラ星人のようになりたくないからだ」
俺は自分の声が思ったより落ち着いていることに驚いた。
拳を握りしめると、アーマード・ダークネスの籠手が微かに脈動しているのが分かる。刀はとうに消え去り、腕の装甲だけが残っている状態だ。
「エンペラ星人のようにならない為だと……?」
ヤプールが怪訝そうに眉をひそめる。リュウの顔を借りたその表情には、困惑と理解不能の色が浮かんでいた。
「なぜだ、その力があれば、どのような事も可能なはずだ」
「・・・俺が目指す王の理想像は、エンペラ星人じゃないからだ」
「ああ。あいつみたいに、全てを滅ぼす化け物にはなりたくない。お前を殺しても、何の解決にもならないって分かってる。
「だが」
ヤプールが突然、虚ろな目で虚空を見つめた。
「ここでお前が私を殺さなければ、いずれ再び戦うことになる。闘いを求め続ける魂の宿命だ」
その言葉に嘘はないと感じた。奴は本当に滅びを望んでいる。だが、それは自らの意志ではなく、呪われた宿命の鎖に縛られた結果なのだろう。
俺は一度深く息を吸い込んだ。疲労と闇の力の反動で眩暈がする。それでも、ここで折れるわけにはいかない。
「ならば誓え」
一歩前に出て、ヤプールを見下ろす。
「二度と俺以外を襲うな。敗北した者の運命は勝者が決める。それが王としての命令だ」
ヤプールの唇が微かに歪んだ。嘲笑っているのか、それとも諦観か。
「愚かな……だが、それがお前の選んだ道ならば」
静かに瞑目した後、再び開かれた瞳には決意の色が灯っていた。
「よかろう」
そう言ってヤプールは立ち上がり、こちらを睨む。
「しかし忘れるな。闘争の魂は決して消えぬ。そして、次こそは、このヤプールが勝利すると!」
「そうか」
俺は小さく息をつく。
「次は負けない」
「それはこちらも同じだ」
そして、俺とヤプールは握手を交わし。
「次は負けない。楽しみにしている」
その言葉は決意であり、別れの挨拶でもあった。ヤプールは最後に微かに笑みを浮かべると、霧のように溶けて消えていった。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア