サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
ナンジャモさんとの関係を持った数日後。
「んっ、これってアスカから?」
俺の元に来た連絡、それはアスカからの任務依頼であった。今回はまた別の忍と共に行う事が条件であった。それと同時に指定場所が送られてきた。
そして現在。
「あなたがあの太郎さんね。私は鬼崎きらら。早く仕事を終わらせるわよ」
俺がアスカに指示された場所に行くとそこには一人の少女が待ち構えていた。彼女が今回の相棒である鬼崎きららだ。最初からあからさまに不機嫌そうな表情をしている。
「ああ……よろしく頼む」
「フンッ!男なんかと一緒に仕事なんて最悪だけど仕方ないわね……」
彼女は明らかに俺に対して敵意を示しており会話も棘がある。どうやら男性に対してかなり警戒心が強いようだ。
「今回の任務内容は把握しているか?」
「当たり前じゃない。最近起きてる異常気象と失踪事件でしょう?まったく面倒くさいわね」
目的地へ向かう道中でも終始このような調子である。とはいえ彼女の方がこちらの状況については詳しいので指示に従うしかないだろう。
現場に到着すると想像以上に寒気が漂っていた。
「ここが噂の場所ね……」
辺りには霜が降りており吐く息も白くなるほどだ。どうやら本当に何か異常な現象が起きているようだ。
「用心しろよ」
「言われなくてもわかってるわよ!それにしても何よこの寒さ……普通じゃないわ」
先に進むにつれ気温はさらに低下していった。前方からは微かな悲鳴のような声も聞こえてくる。
「行きましょう」
お互い警戒しながら進む中突如として周囲の温度が更に下がった。
四季のある日本でも、極寒の地へ向かうなら厚着が基本。なのに今の俺はワイシャツ一枚にネクタイという軽装備だった。しかもスーツの上着は車内で忘れてしまったため取りに戻る暇もなかった。
「寒っ……」
口から零れる白い息と共に震える声が出る。指先の感覚がなくなるほど冷たい空気の中で俺たちは森の奥へと進んでいく。
「……あれ?」
ふと横を見ると鬼崎きららもまた異常に震えていた。彼女は袖の短い忍者服を着ていたがその肌はすでに蒼白になっている。
「おい大丈夫か?」
「なっ何よ急に触らないで!」
反射的に手を払われてしまったが確かに体温が著しく低下していることが伝わってきた。普段から寒冷環境に慣れているはずの鬼族でも耐え難い寒さなのだろう。
「どうやらここの冷気は尋常じゃないみたいだな」
「うるさいわね!あなたみたいな軟弱者と一緒にしないで!」
強がりながらも膝を抱える彼女の姿は痛々しい。だがそんな心配を悟られたくないのか必死に平然を装っているのが分かる。
「とにかく先を急ごう」
このままでは凍死する危険もあるため一刻も早く原因を突き止めなければならない。しかし周囲の景色はどこまでも続く雪景色に変わりつつあった。
「ちょっと待って!」
突然呼び止められ振り返ると彼女が何かを凝視していた。視線の先には雪に埋もれた建物のようなものが見える。
「あれって……」
近づいてみるとそれは朽ち果てた洋館だった。長い年月放置されていたようで窓ガラスは割れ扉は歪んでいる。
「中に入るの?」
不安そうな表情を見せる鬼崎だが躊躇している暇はない。ドアノブに触れると氷のように冷たく握った瞬間手のひらに痛みが走った。
「開けるぞ」
鍵のかかっていない扉を開くと内部はさらに深い闇に包まれていた。積もった埃と古びた木材の臭いが鼻腔を刺激する。床板は腐食しており一歩踏み出すたびに軋む音が響く。
「気をつけろよ」
懐中電灯を取り出して照らすと所々に足跡のようなものが見える。おそらく先に入った捜索隊のものだろう。
「待って!」
先を行こうとした瞬間後ろから引っ張られる感覚があった。振り返ると鬼崎が俺の服の裾を掴んでいる。
「どうした?」
「……何でもないわよ!」
慌てて手を離した彼女の頬は僅かに紅潮していた。こんな状況でも照れ隠しをする余裕があるあたり意外と精神的に強いのかもしれない。
2階へ向かう階段を上りながら周囲を警戒する。廊下の壁には不気味な肖像画が飾られており見つめられているような錯覚に陥る。そのうちの一枚には首から上のない人物が描かれており背筋が凍る思いだ。
「ねぇ」
静寂を破るように鬼崎が小声で話しかけてきた。
「なんだ?」
「その……さっきはありがとう」
予想外のお礼に戸惑ってしまう。これまでずっと素っ気ない態度だったのでこのような言葉を聞けるとは思っていなかったのだ。
「気にするな」
それだけ答えるとまた沈黙が流れる。しかしそれまでの敵対心とは違う空気が漂っている気がした。
最も奥にある部屋の前で足を止めた。他の扉とは違い鉄製の重厚な作りとなっている。南京錠が取り付けられているが鎖が切断されており誰かが侵入した痕跡がある。
「開けるぞ」
重たい扉を開けた瞬間強烈な冷気が押し寄せてきた。部屋の中には巨大な水晶のような塊があり青白い光を放っている。表面には無数の小さな結晶が取り付いており幻想的な光景であると同時に不気味さも感じさせられる。
「これが原因ね……」
鬼崎が呆然とした様子で呟く。確かにこの物体から発せられる冷気が周囲の温度を下げていることは明白だった。
「どうやって処理すればいいんだ?」
「さぁね、とにかく調べなきゃ」
突如として部屋全体が震動し始めたのだ。地震と呼ぶには局所的すぎる揺れで建物全体が軋む音が聞こえる。
「なっ何事!?」
混乱する私たちの目の前で水晶が再び強く輝き始めた。そして中から人の形をした何かが姿を現したのだ。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア