サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
両者は火花を散らすように衝突した。
グローザムの右腕から鋭利な氷の刃が伸び、空中で俺の左手の闇の刀と激突する。
キン―――!
金属音とも違う硬質な響きが廃墟に響いた。
「……ッ!」
俺の左肩から黒い霧状のエネルギーが噴出し、その刃を包み込むように硬化していく。闇の具現化。俺は右腕の闇を纏わせた拳で氷の剣を叩き落とした。
キィンッ!
グローザムは後方宙返りで回避し、氷の柱を生成。柱が砕け散ると同時に複数の氷剣を形成した。
「やはり……皇帝の闇は厄介だ」
「その氷もな」
俺が地面を蹴り込むと同時に、氷の嵐が彼を包み込んだ。しかし俺の刀が閃き、氷の欠片を切り裂いてゆく。それでも残骸はすぐに再生し始め――
「やはりそう簡単には」
「ならこれはどうだ?」
俺は刀を横一閃に振るい、闇の波動を放った。闇が空間を歪ませる。
グローザムは防御のため両腕を十字に組んだが、闇が接触した瞬間、彼の氷の体に黒い亀裂が走り、氷の欠片が崩れ去る。
「ぐあっ……」
痛みはないだろうが、肉体を削がれる衝撃に狼狽を見せる。
「俺の闇は冷気を喰らう。お前の氷結再生も例外じゃない」
再生する度に氷の体積は減っていく。グローザムの苛立ちが露わになる。
「ならば全力で滅ぼすのみ――!」
グローザムが両腕を天に掲げると、氷結が廃墟全域を包み込もうと膨張する。
「こっちは!」
俺はダークネスの胸部から黒いオーラを放出し、周囲に闇のバリアを形成。
ドォォォン―――!!
氷と闇が正面衝突し、廃墟ごと吹き飛ばされた――
「……まだ……倒れんぞ……!」
グローザムが瓦礫の山から這い出す。体の大半が粉砕されたが、残りの部位が再生を開始している。
しかし既に体積は最初の三分の一以下になっていた。
だが、先程までの、俺が使っていた刀が吹き飛ばされる。
グローザムが全身に無数のヒビを走らせながら立ち上がる。氷の体はもはや完全な形状を保てず、腕は一本だけになっていた。
「……皇帝の末裔よ」
彼の声は微かに震えている。すでに再生能力は限界に達していた。
「我の宿命を……受け入れるがいい!」
残された氷の腕が巨大な剣へと変形し、俺めがけて振り下ろされる。
ガシッ!
俺は間一髪で氷剣を受け止めたが、その衝撃で地面が陥没した。
「くっ……!」
アーマード・ダークネスの鎧が軋む。だが刀は遠くに吹き飛ばされたままだ。
「終わりだ……!」
グローザムが最後の力を振り絞って氷剣を押し込んでくる。氷片が装甲に食い込み、黒煙を上げながら破壊していく。
その瞬間だった――
"あの時と同じだ"
俺の脳裏に過去の記憶が蘇る。否、正確には血に刻まれた記憶だった。
「……」
彼は無意識のうちに左手を翳した。闇が渦巻き、金色の光と赤黒い稲妻が交錯し始める。
「な……なんだと!?」
グローザムが困惑する中、俺は自然と構えを取っていた。
手を大きく開き、頭上に掲げる。腕をクロスさせる動作も淀みなく進む。
眩い光が十字架のように放たれた。金色の光条の周りを赤黒い雷が螺旋を描きながら駆け巡る。
「うおおぉぉおおっ!!」
グローザムが絶叫と共に氷の剣を前に出すが――
パキィンッ!
剣は瞬時に蒸発し、その衝撃で残された氷の体も粉々に砕け散った。
「まさか、皇帝の力以外にもっ奴の力が」
塵となって消えゆくグローザムの意識が最後に捉えたのは――
黄金と雷が混じり合った、究極の光の奔流だった。
俺は跪き、荒い呼吸を整える。
「今のは」
力を発した時の疑問。
それは、エンペラ星人の力ではなく、別の。
「太郎、大丈夫なの?」
「あっあぁ、けれど、あんまり近づくな」
「どういう意味なの」
俺は、すぐに鬼崎を離す。
「・・・この力を使った後、少し面倒な事にね」
「・・・アスカの言っていた奴の、あぁもぅ」
それと共に、何かを納得したように呟く。
「良いわよ、分かったわよ、守ってくれた礼もしないとね」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア