※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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闇の中の光

両者は火花を散らすように衝突した。

 

グローザムの右腕から鋭利な氷の刃が伸び、空中で俺の左手の闇の刀と激突する。

 

キン―――!

 

金属音とも違う硬質な響きが廃墟に響いた。

 

「……ッ!」

 

俺の左肩から黒い霧状のエネルギーが噴出し、その刃を包み込むように硬化していく。闇の具現化。俺は右腕の闇を纏わせた拳で氷の剣を叩き落とした。

 

キィンッ!

 

グローザムは後方宙返りで回避し、氷の柱を生成。柱が砕け散ると同時に複数の氷剣を形成した。

 

「やはり……皇帝の闇は厄介だ」

 

「その氷もな」

 

俺が地面を蹴り込むと同時に、氷の嵐が彼を包み込んだ。しかし俺の刀が閃き、氷の欠片を切り裂いてゆく。それでも残骸はすぐに再生し始め――

 

「やはりそう簡単には」

 

「ならこれはどうだ?」

 

俺は刀を横一閃に振るい、闇の波動を放った。闇が空間を歪ませる。

 

グローザムは防御のため両腕を十字に組んだが、闇が接触した瞬間、彼の氷の体に黒い亀裂が走り、氷の欠片が崩れ去る。

 

「ぐあっ……」

 

痛みはないだろうが、肉体を削がれる衝撃に狼狽を見せる。

 

「俺の闇は冷気を喰らう。お前の氷結再生も例外じゃない」

 

再生する度に氷の体積は減っていく。グローザムの苛立ちが露わになる。

 

「ならば全力で滅ぼすのみ――!」

 

グローザムが両腕を天に掲げると、氷結が廃墟全域を包み込もうと膨張する。

 

「こっちは!」

 

俺はダークネスの胸部から黒いオーラを放出し、周囲に闇のバリアを形成。

 

ドォォォン―――!!

 

氷と闇が正面衝突し、廃墟ごと吹き飛ばされた――

 

「……まだ……倒れんぞ……!」

 

グローザムが瓦礫の山から這い出す。体の大半が粉砕されたが、残りの部位が再生を開始している。

 

しかし既に体積は最初の三分の一以下になっていた。

 

だが、先程までの、俺が使っていた刀が吹き飛ばされる。

 

グローザムが全身に無数のヒビを走らせながら立ち上がる。氷の体はもはや完全な形状を保てず、腕は一本だけになっていた。

 

「……皇帝の末裔よ」

 

彼の声は微かに震えている。すでに再生能力は限界に達していた。

 

「我の宿命を……受け入れるがいい!」

 

残された氷の腕が巨大な剣へと変形し、俺めがけて振り下ろされる。

 

ガシッ!

 

俺は間一髪で氷剣を受け止めたが、その衝撃で地面が陥没した。

 

「くっ……!」

 

アーマード・ダークネスの鎧が軋む。だが刀は遠くに吹き飛ばされたままだ。

 

「終わりだ……!」

 

グローザムが最後の力を振り絞って氷剣を押し込んでくる。氷片が装甲に食い込み、黒煙を上げながら破壊していく。

 

その瞬間だった――

 

"あの時と同じだ"

 

俺の脳裏に過去の記憶が蘇る。否、正確には血に刻まれた記憶だった。

 

「……」

 

彼は無意識のうちに左手を翳した。闇が渦巻き、金色の光と赤黒い稲妻が交錯し始める。

 

「な……なんだと!?」

 

グローザムが困惑する中、俺は自然と構えを取っていた。

 

手を大きく開き、頭上に掲げる。腕をクロスさせる動作も淀みなく進む。

 

眩い光が十字架のように放たれた。金色の光条の周りを赤黒い雷が螺旋を描きながら駆け巡る。

 

「うおおぉぉおおっ!!」

 

グローザムが絶叫と共に氷の剣を前に出すが――

 

パキィンッ!

 

剣は瞬時に蒸発し、その衝撃で残された氷の体も粉々に砕け散った。

 

「まさか、皇帝の力以外にもっ奴の力が」

 

塵となって消えゆくグローザムの意識が最後に捉えたのは――

 

黄金と雷が混じり合った、究極の光の奔流だった。

 

俺は跪き、荒い呼吸を整える。

 

「今のは」

 

力を発した時の疑問。

 

それは、エンペラ星人の力ではなく、別の。

 

「太郎、大丈夫なの?」

 

「あっあぁ、けれど、あんまり近づくな」

 

「どういう意味なの」

 

俺は、すぐに鬼崎を離す。

 

「・・・この力を使った後、少し面倒な事にね」

 

「・・・アスカの言っていた奴の、あぁもぅ」

 

それと共に、何かを納得したように呟く。

 

「良いわよ、分かったわよ、守ってくれた礼もしないとね」

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
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