サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
駒王学園の教室は思ったより静かだった。転校してきて三日目だが、誰も俺に話しかけてこない。まぁ当然だろう。初日に「俺は王になる男だ」と公言したからな。
「授業終わりましたよ? クラスメイト」
担任の藤本先生が咳払いをして去っていく。周りの生徒たちも俺を避けるように教室を出ていく。
廊下を歩いていると三年生の女子生徒たちの話し声が聞こえてきた。
「ねえ聞いた? 新しく来た転校生さ……」
「ああ唯我太郎くん? ちょっと怖いよね」
「うん。目つき鋭いし、偉そうな感じだし」
……ああそうですか。分かっていましたよ。
体育館横の階段を降りて昇降口に向かう途中で思い出した。靴箱に嫌がらせがされていなかったか確認しておこう。案の定誰かがペンキで名前を塗り潰していた。
「くだらねぇことを」
呟きながら爪で削ぎ取る。新品の上履きに泥水をかけられているのも発見した。面倒くさい。でもこういうイタズラは慣れっこだ。
下駄箱で靴を履き替えていると後ろから肩を叩かれた。振り返ると野球部のユニフォームを着た三人組がいた。全員二年生のようだ。
「お前最近生意気だな」
「転校生だからって調子に乗るなよ」
リーダー格の男が拳を鳴らす。典型的ないじめっ子パターンだ。周りに人がいない時間を狙ったのはさすが賢い。
「俺には関係ない」
無視して通り過ぎようとしたら腕を掴まれた。
「逃げんなよ」
「話はまだ終わってねぇぞ?」
後ろから別の生徒もやってきて退路を塞がれる。完全に囲まれた形だ。
「こんな公共の場で騒ぎを起こすつもりか?」
冷静に質問するとリーダー格の男が嘲るように笑った。
「へっ。誰も助けになんて来ねぇよ。みんな見て見ぬふりだぜ?」
確かに彼らの言う通りだ。周囲には誰もいない。警備員室も遠い。
「分かったなら大人しく殴られろ」
殴りかかってきた拳を右掌で受け止める。そのまま指を絡めて捻り上げる。
「痛っ!? てめぇ!」
痛みに顔を歪める彼を見て他の二人が慌てて間に入る。
「止めろって! あいつ本当に危ないやつだぞ!」
「チッ……今日はここまでにしておく」
捨て台詞を吐いて走り去っていく三人組。ため息が出た。
名門の女子校とはいえ、金を積んで、こういう事をする奴がいるのか。
呆れた俺は、そのまま家に帰ろうとした。
けれど。
「はぁ」
帰り道に感じた殺気。
光の槍が放たれる――刹那。反射的に左手首のブレスレットが眩く輝き、腕から伸びた光の刃が槍を切断した。灼熱の衝撃が皮膚を焼きながらも、俺は歯を食いしばって耐える。
「ほう……? 只の神器持ちではないな?」
黒い翼を広げた堕天使が嘲笑を浮かべる。その声には侮蔑が滲んでいた。
エンペラ星人など、宇宙人の情報はないようだ。
だからこそ、俺が人間だと思い、油断しているようだ。
だが遅い。
「幾ら何でも、油断しすぎだ」
全身から闇の力が迸り、空間が歪む。一瞬にして距離をゼロに詰めると、敵の胸郭を蹴り飛ばす。鈍い音と共に巨体が吹き飛び、地面に叩きつけられた。
「ぐぅっ……!?」
「さて、てめぇは何を目的で、俺を狙ったんだ」
土埃が舞い上がる中、俺はゆっくりと堕天使に近づいた。奴の顔面を踏みつけながら問いかける。
「ぐっ……! この……化け物め……」
「答えろ。誰の命令だ?」
俺は光の刃を出現させると奴の喉元に突きつける。
「わ……我々はグリゴリの命令で……貴様のような危険因子を排除しろと言われていただけだ……」
「グリゴリ?」
聞き覚えの無い組織名に首を傾げる。
「お前のような神器を持つ人間を始末する為にな!」
それと共に、俺はその場から吹き飛ばされる。
同時に、奴は逃げていった。
「・・・はぁ、とにかく、他の面々にもな」
女王は誰にする?
-
アルファ
-
ララ·サタリン·デビルーク
-
エミリア