サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「おやおや、こんなところに招待客かい?」
虚空から響く声。木々がざわめき、枝葉が千切れ飛ぶ。暗がりに浮かぶ翼膜が月明かりに鈍く光る。
「お初にお目にかかりますな、コカビエルだ」
堕天使の口端が吊り上がる。
それに合わせて、アスカは既に動いていた。
アスカは、その両腕が機械という事もあり、刃を出して、そのままコカビエルに向けて振り下ろす。
対して、コカビエルは瞬時に光の槍を生み出し、受け止める。
「ほぅ、ここまで一瞬で反応するとは、なかなかっ」
そうしていると、コカビエルの背後からきららが現れると共に、その脚を振り下ろす。
脚には氷を纏っており、一瞬で蹴った地面を凍らせる。
しかし、コカビエルはその光速で移動を行って回避する。
「くっそ!」
その様子を見て、きららは舌打ちする。
その様子を横で見ていたコカビエルは嘲笑う。
「なかなか愉快な舞台じゃないか! もっと踊ってくれよ、忍たちよ!」
俺は思わず口元を緩めた。
「おいおい、戦闘狂さんよ。俺たちのこと知ってるなら教えてくれないか? どうして忍狙いなんだ?」
アスカの機械腕が火花を散らせながらコカビエルの槍を弾く。きららが氷結蹴りを放つ度に霜が舞う。
「くははっ! 当然じゃろう!」
堕天使が天を仰いで哄笑した。六枚羽が大きく波打つ。
「極東の虫ケラどもが! 天の威光に抗うなど百年早いわ! 我ら堕天使は人間を玩具と見做すが、貴様らのような例外は特に愉しめる!」
その言葉にアスカの瞳が鋭くなる。
「……玩具? それは聞き捨てならないわね」
彼女の義手が甲高い駆動音を立て始める。
「我々を舐めるな」
きららも凍てつく吐息を漏らす。
「私たちを侮った代償、その身で味わいなさい」
コカビエルの目尻が歪む。
「いいぞ!そこにいる太郎の護衛だと思ったがここまでとはな」
そうしていると、コカビエルは。
「だが、残念ながら、ここまでだな」
「何?」
すると、木場達が戦っている所を見る。
そこには、倒れているイリナの姿が。
「なっ」
「聖剣の一つは手に入れた。戦うとしても舞台は」
その瞬間。
木場は素早くこちらへ逃げ出す。
それを追う様子も無く、フリードは。
「今日は退いてやるよ」
そうしながらも、俺の方を睨む。
「次はお前も確実に葬るからな」
その瞬間。
フリードは閃光玉を出す。
気づけば消えていた。
俺達はその後、急いで木場達の元へ駆けつける。
「なっ……!」
俺が駆け寄ると、地面に倒れたイリナの姿があった。金色の髪は泥に塗れ、額からは鮮血が滲んでいる。呼吸こそ安定しているものの、その表情は苦悶に歪んでいた。
「太郎!こっちだ!」
アスカの声に従い、急いで彼女の傍へ。
「イリナは無事か?」
「命に別状はないわ。けれど……」
アスカが険しい表情で続ける。
「この娘の中に、奇妙な因子が混入している」
彼女の視線が鋭くなった。
「通常の人間とは違う波動を感じる」
「原因はフリードか?」
「おそらくな。奴が何かしらの術を使った可能性が高い」
そう呟くアスカの横で、鬼崎が膝をついてイリナの脈を測っていた。
「心拍数は正常範囲内ですが……」
彼女の声が震える。
「体内の魔力循環が暴走しています。このまま放置すれば彼女の自我が崩壊するかもしれません」
「治す方法はないのか?」
俺が問いかけた瞬間――
「ひとつだけ」
そう、アスカは微妙な顔をしている。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア