サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
コカビエルが倒れた後、俺はすぐにその場から離れた。背後からリアスたちの声が聞こえる気がするが振り向かない。
「あれは一体……」
「太郎さん!待ってください!」
アーシアの悲痛な叫びが森の空気に吸い込まれていく。構わず前進する。全身の鎧が軋みながら原子レベルで分解していく。紫色の光粒子となって散り散りになっていく装甲の破片を見送りながら——。
「さすがに、ちょっとこの状態はやばいからな」
周囲の声を振り切るように俺は走り出した。すでにアーマード・ダークネスの鎧は七割がた霧散し、残るのは右肩と左足首の一部だけだ。だがそれでも重量はある。樹木を蹴り折る勢いで疾走する俺を追いかけられる者はいない。
「うっ……!」
突然左目に鋭い痛みが走った。瞼の裏で眼球が焼け爛れるような感覚。エンペラ星人の意識が侵食してくる。兜は消滅したはずなのに、まだ幻聴が続く。
《我が力……》
《滅びの悦び……》
《殺せ……すべてを……》
「黙れッ!」
無意識に叫んでいた。同時に頭蓋骨が軋む音が聞こえる。このままでは本当に怪物になってしまう。
林間コースの奥へ奥へと進むうちに鎧の崩壊は加速する。ついに最後の装甲片が蒸発した瞬間——。
「——っ!」
全身を貫く電流のような感覚と共に視界が開けた。だが代償は大きい。肌が火傷のように爛れ、内臓が煮え滾るような痛みが全身を襲う。
「ハァ……ハァ……」
近くの岩場にもたれかかる。制服は半分溶けており、剥き出しになった上半身からは湯気が立ち上っていた。右腕を持ち上げるのも億劫なほど消耗している。
遠くで声が聞こえた気がする。きっと探しに来たんだろう。だが会える状態じゃない。
「・・・しばらくで、収まれば良いけど」
そう、俺が呟いていると。
「なるほど、確かにとんでもない力ね」
「っ」
聞こえた声の方向に眼を向ける。
気配を、これまで気づく事が出来なかった。
すぐに俺は武器を取り出そうとしたが。
「警戒しないで。ここであなたと戦うつもりはないわ」
同時にその声の持ち主が見えた。
そこにいたのは、1人の女性。
岩陰から現れたその女性は、月光に照らされて眩いほどの存在感を放っていた。
長い金髪が腰まで伸び、風になびくたびに金色の流れ星のようだ。青い瞳が冷たくこちらを射抜く。尖った耳が夜の静寂の中で異様なほど際立っている。
「あなたが太郎さんね」
彼女は一歩前に出て、距離を詰めてきた。
「エルフ……なのか?」
俺の問いに彼女は微笑んだ。
「そうね、まぁ私はアルファ。今は禍の団に所属している者よ」
「・・・なんだ、その団体は」
「今は無名の団体ね」
「それで、そんな団体が俺に何の用だ」
「そうね、私の目的はスカウト。あなたに私達のリーダーになって欲しいの」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア