サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
俺はゆっくりと一歩踏み出した。まだアーマード・ダークネスのダメージが残っているはずなのに、その立ち姿は王者そのものだった。制服の上着を脱ぎ捨てて露わになった上半身には無数の傷跡が刻まれている。しかし一番の印象は、その全身から漂う静かな威厳だった。
アルファは咄嗟に警戒態勢をとる。エルフとして育てられた彼女の戦闘本能が警告を発していた。
「何を……企んでいるの?」
だが俺は気にも留めずに続けた。
「お前たちが掲げる理想は理解した。だが根本的に欠けているものがある」
復讐に燃える炎とは別の種類の熱量だ。
「禍の団がいくら強大な力を集めても、根底にあるのは恨みと不安だ。その土台の上に国を築いても長続きしない」
「……貴方に何が分かるというの」
アルファの声が冷たく硬質になる。長い年月をかけて固まった氷柱のような声色だった。
しかし俺は穏やかに首を振った。
「私も似たような経験をしている。闇の力に溺れそうになる日々。それを乗り越えてきた者としての直感だ」
その言葉に偽りはない。
「私が提唱するのは復讐ではなく改革だ。暴力で押し通すのではなく、対話と理解に基づいた新しい秩序の創造」
アルファの指先が微かに動いた。攻撃態勢の維持と逡巡の狭間で迷っている。
「あなたみたいな若造に何ができるというの……」
「若いからこそできることがたくさんある」
俺は微笑んだ。その笑顔には絶大な自信と同時に儚さも含まれていた。
「理想論よ!」
アルファが鋭く遮った。しかし彼女の指はもう拳を握っていない。代わりに拳を開いた状態で宙に浮かんでいた。
「理想的過ぎる計画だわ。資金も場所も人材も不足している。そもそも三大勢力が黙って見過ごすはずがない」
「いいや、むしろ見せつけるさ。何よりも言ったはずだ。俺は俺だ」
そうして、呟く。
「唯我独尊、我が道を行く。未知も、全て、我が王道、それが俺、唯我太郎だ」
そう、言い終えると。
「だから、アルファ。俺の王道に共に来い。その先にお前の理想を見せてやる」
俺は笑みを浮かべる。
「禍の団には入らないが、リーダー、いやこの場合は王か。お前の王に俺がなろう」
その言葉に、アルファの青い瞳が潤んだ。彼女の長い耳がピクリと動く。
「信じられない……」
震える声が夜気に溶けていく。
「今まで出会ったどんな勢力の長とも違う考え方だわ」
月明かりの下で彼女の金髪が柔らかく光る。瞳には複雑な色彩が宿っていた。困惑と期待と疑念と希望が入り混じる色だ。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア