サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
アルファとの夜から数日後のことだ。
俺は自分の部屋で参考書を広げていた。夏休みの課題が山積みなのだが、どうにも集中できない。
理由は明白だ。
アルファの存在感が大きすぎるのだ。
あの日の出来事がまだ生々しく思い出される。
彼女が俺に仕える理由も、それによる政情不安も気になるところだが……それ以上にアルファという存在そのものが俺の中で大きくなりつつあった。
「……うーん」
溜息をついて窓の外を見る。
雲ひとつない青空が広がっている。
平和な日常というのはこんなにも穏やかだったのかと思い知らされる。
その時だった。
コンコンとドアをノックする音がした。
「入ってもいい?」
アルファの声だ。
彼女は禍の団の元幹部でありながら俺の家に居候しているわけだが……最近はすっかり我が家のように振る舞っている。
まあ別に構わないんだが……
「ああ」
返事をすると静かにドアが開く。
そこに立っていたのはいつものスーツ姿のアルファだった。そして彼女の後ろには……
「あら~新しいご主人様?」
聞き覚えのない声と共に現れたのは、黒髪の美女だった。
しかし尋常じゃない格好をしている。
着物を着ているのだが明らかにサイズが合っていない。いやそれ以前に胸元が全開で谷間が丸見えだし、裾もめくれて太腿がチラチラ見え隠れしている。
極めつけはその頭の上に生えた猫耳と尻には二本の尻尾。
「紹介するわ。黒歌という名のはぐれ悪魔よ」
アルファが彼女を紹介すると、黒歌は軽く会釈した。
「にゃは♪ 初めましてー。黒歌って呼んでね?」
その仕草に思わず目が行く。胸元がはだけて乳首まで見えてしまいそうなギリギリのラインだ。しかも動きに合わせて着物の裾がめくれ上がり、太腿の付け根近くまで露わになっている。
「……太郎が困っているわ」
アルファが眉をひそめながら言う。すると黒歌はケラケラ笑った。
「えー? 太郎ったらそんなに見ちゃダメですよ~。恥ずかしいなぁ」
そう言いながらもさらに着物の裾を広げて見せる。
「いやお前明らかに誘ってるだろ!?」
反射的にツッコミを入れてしまった俺に黒歌はクスクス笑うばかり。まったく悪意を感じられない天然さだ。猫耳と尻尾がピクピク動くのが余計に子供っぽさを強調している。
俺は思わず黒歌の動作を見つめた。
尻尾がゆらゆら揺れる様子に見覚えがあった。それは間違いなく……
「……クロ?」
言葉が自然と口から漏れた。そう、かつて俺が拾った黒猫だ。茶碗の裏に付いた味噌汁の具を盗み食いするのが得意だったあの子猫。
「え?」
黒歌がきょとんとした顔で俺を見る。その瞬間、懐かしさが込み上げてきた。思わず手を伸ばし、彼女の頭をそっと撫でる。
「にゃっ!?」
黒歌の身体がビクッと震えた。しかし次の瞬間には俺の手にすり寄ってくる。
「……その触り」
猫耳がぴくりと動く。尻尾が大きく揺れ始める。
「間違いない」
俺は確信を持ってもう一度告げる。
「お前、クロだろ!?」
「なっ!」
黒歌の瞳孔が丸くなる。動揺が走った。
「にゃんの事でしょうかぁ~?」
わざとらしく間延びした声を出すが、尻尾が高速でパタパタ振られている。
「誤魔化さなくてもいいぞ。あの公園で雨に濡れていた子猫。俺が拾って育てた大切な家族」
「……バレちゃいましたか」
観念したように肩を落とす黒歌。しかしすぐに顔を上げると屈託のない笑顔を見せた。
「久しぶりだねぇ~ご主人様♡」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア