サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「え……ちょっと待ってくれ。俺達は別に危害を加えるつもりはないんだ」
俺は即座に両手を挙げる。隣ではウサリアがビクビクと震えている。しかし彼女の耳はすでに立ち直っており興味津々といった様子で相手を観察していた。
「この私、ソラ・ハレワタールの眼は誤魔化せませんよ。まぁ、その為にも」
ソラは俺たちの正体を確認すると少し警戒を緩めたようだ。それでも手元の通信機で何か確認しているあたり生真面目な性格が伺える。
「本当に迷子なのか……?」
疑わしげな視線を浴びながらも俺は正直に事情を説明した。ソラはしばらく考え込んでいたが突然ポンと手を叩く。
「よし! 私が案内しよう!」
「えっ?」
あまりにも急な提案に思わず聞き返してしまった。ソラは満面の笑みで胸を張る。
「見知らぬ地で彷徨う人たちを救うのもヒーローの務めです!」
その言い方は少し大袈裟だがありがたい申し出だ。俺は礼を言ってソラに案内を頼むことにした。
ウサリアはといえば目をキラキラさせながらソラを見つめている。彼女の耳が小刻みに揺れ動いていて興奮しているのが見て取れた。
「すご〜い! 英雄さんですか? かっこいいですねぇ!」
ウサリアの素直な褒め言葉にソラは少し照れ臭そうに頭を掻いている。どうやら褒められるのに慣れていなさそうだ。
「ところで、どこへ行きたいんですか?」
ソラの質問に俺は当初の目的を伝える。冥府から借り受けた公務のために天界中央の審議局へ行く必要があるということだ。
「天界中央ねぇ……」
ソラは難しそうな顔をして考え込んでいる。普通ならそう簡単にアクセスできない場所なのだ。まして外部の人間なら尚更だろう。
「うーん……」
しばし黙考していたソラは突然ハッと閃いた表情を見せる。
「そうだ! 私についてきなさい!」
勢いよく踵を返すソラの背中に俺たちは慌てて追随した。歩幅の広い彼女の早歩きに置いて行かれそうになる。
「待ってくれソラ! ウサリアが遅れてるぞ!」
振り返るとウサリアは息を切らしてヨロヨロしていた。急いで駆け寄って肩を貸してやる。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……ちょっと疲れただけで……」
ウサリアの頬は紅潮していて息も荒い。彼女の負担を考えなければと反省していると前方から声が飛んできた。
「何をしている! 急げっ!」
振り向くと既に二十メートル以上先にソラが立っていてこちらを見下ろしていた。その距離感覚はどうなっているのか……?
「すまん! 少し休ませてくれ!」
俺が叫び返すとソラは一瞬呆気に取られたような顔をしたがすぐに駆け戻ってきた。
「そっか……ウサちゃんは体力ないのか」
屈み込んだソラが優しい声音で言う。さっきまでの厳しい態度とは打って変わって別人のようだ。
「ごめんなさい……私のせいで……」
ウサリアが申し訳なさそうに俯く。するとソラは彼女の頭をポンポンと撫でた。
「大丈夫だ。ゆっくり行こう」
ソラの手の感触にウサリアは一瞬ビクッとしたが、すぐに気持ち良さそうに目を細めた。意外と世話好きな性格なのかもしれない。
「ありがとうソラさん!」
ウサリアの弾けるような笑顔にソラも釣られて微笑む。俺はそんな二人を見ながら思った。
「ソラ……実は結構面倒見がいいんだな」
「えへへ……そう言われると照れるなぁ」
頬を掻きながらソラがはにかむ。その仕草は何とも可愛らしいものだった。
そして俺たちは三人連れだって回廊を進み始めた。ソラの先導で辿り着いた先は荘厳な広間だった。天井高くそびえる大扉の前でソラが立ち止まる。
「ここだ!」
俺たちを振り返ったソラは得意げに胸を張る。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア