サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
俺達が連れてこられたのは天界中央部。
大理石の床に刻まれた天使文字が淡く発光し、柱という柱から無数の天使たちのステンドグラスが見下ろしてくる。まるで宇宙をそのまま閉じ込めたかのような空間に息を飲む。
「・・・それで、一つ、聞きたい事があります」
「なんでしょうか」
俺の言葉に対して、ガブリエルは緊張しながらも言う。
「これまで、ずっと、何も知らず過ごしてきたわけですよね?」
「その通りです」
ガブリエルは重々しく頷いた。彼女の豊かな巻き毛が揺れ、肩越しに十二枚の翼がわずかに震える。
「でも」
ソラが口を挟む。彼女の青い瞳が不安げに揺れている。
「信仰が届いていないのにどうして祈る人が途絶えないんだろう……?」
ガブリエルは一瞬だけ目を閉じると悲しげに微笑んだ。
「信仰の源は神ではなくても構わないのです。重要なのは『祈る行為そのもの』なのですよ」
俺の耳に入ったその言葉は雷鳴のように轟いた。神不在の真相を知ってなお信仰が失われていない理由。それはきっと……
「でも待てよ」
俺は額を押さえた。この理屈が成立するなら神様の存在意義は何処にある?
「もし人間の信仰心だけで奇蹟が起きるなら……"神"って必要あるのか?」
俺が尋ねるとガブリエルの表情が翳った。彼女は深呼吸をして話し始めた。
「もちろんあります……少なくとも過去にはありました」
彼女の視線が宙を泳ぐ。その動きに合わせて十二枚の翼が優雅に広がっていく。
「神が現存していた時代」
そこで言葉を切りながら続ける。
「その頃は人々の願いを直接叶える仕組みがありました」
ガブリエルの声には痛みが滲む。
「しかし現在は違います」
彼女は俺を見つめる目を細めた。深い闇を映したような蒼穹の瞳。
「加護も祝福も……すべてシステム任せ」
苦しげに吐き捨てるような口調で続ける。
「本来ならば私が持つべき"寵愛"すら機能不全」
ついに堪えきれなくなったのか彼女は膝を折ってしまった。純白のドレスが床に広がる。
「神の不在」
ガブリエルは絞り出すように呟いた。
「……この真実を知ったら人々はどう思うでしょうか」
ウサリアが隣で泣き出した。彼女のウサ耳が恐怖で縮こまっている。
「だから」
俺はウサリアの頭を撫でながら立ち上がった。
「俺みたいな馬鹿でも動かないとダメなんだ」
ガブリエルの涙で濡れた睫毛が震える。
「あなたは人間です」
「それでも」
俺は決意を込めて宣言した。
「信じてくれる家臣がいる限り諦めないさ」
「・・・あなたみたいな人がいれば、確かに変わるかもしれませんね。けれど、天使はいずれ」
それと共にガブリエルさんはどこか悲しそうな表情をした。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア