サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
行為を終えた後も、ガブリエルさんの変化はなかった。
それは、つまり証明された事になる。
そこから先は、言葉が自重で崩壊するように濁された。
どれだけ神々しくても、触れれば壊れる陶器のような声音だった。
俺は返事をするべきか、しないべきか迷っていたが、
その隣でソラが、まるで稲妻に撃たれたみたいに小さく息を呑んだのがわかった。
彼女の視線が、俺に向けて、刺さる。
いや、刺さる、というのは語弊がある。
もっとこう、
“青空が真上から突然落ちてきて、視界を雲ごと支配された感じ”
というべきだ。
「……太郎さんって」
ソラが呟いた。声は震えていない。
ただ、まっすぐすぎて、むしろ危ない。
「普通の人じゃ、ないですよね?」
否定しようとした。
いや、否定するべきだろう普通。
しかし喉のあたりにまとわりついた言葉が拒んだ。
俺自身も、自分が普通じゃないことぐらい薄々理解していたからだ。
「ヒーロー、なんですね」
ソラの言葉は反論を許さない。
決めつけというより、確信に近い。
“空を飛んでここに来た私が言うんだから間違いありませんよ”
という天真爛漫さと説得力。
「いや、ヒーローってほどじゃ──」
「あります」
ソラは被せるように即答した。
あまりにも早くて、俺の言葉の出口が閉じられた。
「人を救いたいって思う心が、行動に繋がってる。
言葉じゃなくて、理由じゃなくて、結果としてそうなってる。
それがヒーローじゃなかったら、なんなんですか?」
ソラは胸に手を当てた。
その仕草はなぜか、戦士ではなく少女だった。
「私、知ってます。
世界を守るために戦う人を“ヒーロー”って呼ぶんです。
でも太郎さんは違います。
世界じゃなくて、『目の前にいる人』から助けようとする……
なんていうか……そういうの、ズルいですよ」
ズルい?
いや、聞き間違いじゃなかった。
彼女の頬はほんのり染まっていた。
天界の光が反射しただけじゃないとわかる、
妙に体温をもった赤だった。
「ズルいです。ずるすぎます」
「……俺が、か?」
「はい。太郎さんは……私の知ってる誰より、ヒーローです」
言葉が落ちるたび、胸の奥に何かが溜まっていく。
ソラ・ハレワタール。異世界の空の戦士。
青い髪を揺らして、まっすぐ俺を見てくる。
まっすぐすぎて、正直逃げ場がない。
「だから……気づいたんです」
一瞬、静寂が割れた。
「私、太郎さんの背中を見るのが好きなんだって」
好き。
それは恋人に向けるような甘いものではなく、
戦士が憧れに向ける熱。
けれどその熱は──確かに“恋”の温度に似ていた。
「王様だとか、強いとか、特別とか、そういうのじゃなくて……
太郎さんが迷って、それでも人を守ろうとしてる姿が……
すごく、心に刺さるんです」
言葉を探している彼女は不器用だ。
だが、不器用な分だけ嘘がない。
ウサリアが横で
「ひゅー……」
と、耳まで赤くして見ているのは気づいていたが、今は余裕がない。
ソラは視線を逸らして、ぽつりと言った。
「……そんな人を、放っておけるほど、私は器用じゃありません」
青い瞳が、じわりと潤む。
「太郎さん。私……あなたのことを──」
その瞬間、天界の空気がビリッと震えた。
ガブリエルの方で、別の天使たちが焦りに満ちた声を上げる。
「──ガブリエル様!反応が!」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア