※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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王の粉砕

 ガンQが体表をぶるぶると振るわせ、さっきの“認識破壊”を再び撃つ気配を見せる。

 だが、もう通じねぇ。

 

「俺の世界を勝手にいじくり回すんじゃねぇよ……!」

 

 足を地面に叩きつけ、一気に間合いを詰めた。

 認識が歪まない。視界もぶれない。

 ソラが俺を呼んでくれたあの瞬間、芯が戻った。この世界で俺を形作るのは――俺自身と、俺を名前で呼ぶ仲間だ。

 

 ガンQの巨大な目が開き、黒い亀裂のような光がこちらに向かって走る。

 正面から飲み込まれれば、さっきより深く意識を壊されるかもしれない。

 

 でも、怖くない。

 

「壊したいなら……俺が先にお前を壊す!」

 

 拳を握りしめ、まっすぐ突き出した。

 拳に宿った衝撃がガンQの“目そのもの”に食い込み、ぐしゃりと嫌な感触が腕に伝わる。

 怪獣が震え、悲鳴のような振動音を発した。

 

「終わりだッ!」

 

 もう一撃、さらにもう一撃。

 自分の体が軋む。

 でも、暴走の衝動は押さえ込めている。力を“借りる”だけなら、俺にも制御できる。

 

 最後の拳を叩き込むと、ガンQの身体に大きな亀裂が走り、白い光が漏れた。

 

 ――爆ぜた。

 

 衝撃で砂埃が舞い、耳が一瞬だけキンと鳴る。

 それでも俺は崩れずに立っていた。深呼吸をして、ゆっくりと拳を下ろす。

 

「……ようやく終わったか」

 

 身体の奥がチリチリする。あの血を使った反動かもしれない。

 正直、少しだけ怖い。俺の中の何かが、これで満足するのか、まだ足りないと言うのか。

 

 そんな考えを振り払った時。

 

「太郎っ!!」

 

 砂埃をかきわけて、ソラが駆けてきた。

 瞳に涙を浮かべて、でも真っ直ぐこっちを見るその姿が、なんでこんなに眩しいんだろう。

 

 俺の体に抱きつくようにしがみついてきた。

 胸に柔らかな重みと温かさが伝わる。

 

「ほんとに……ほんとに無事で……よかった……!」

 

「おいおい、そんな泣くなって。ほら、俺はちゃんとここにいるだろ?」

 

 そう言いながら頭を軽く撫でると、ソラは安心したように息を吐いた。

 指先が微かに震えてる。相当怖かったんだな……。

 

「太郎、さっき……少しだけ、いつもと違った。でも……戻ってきてくれた。ちゃんと、“太郎”だった……」

 

「当たり前だって。俺は俺だよ」

 

 その言葉を聞いた瞬間、肩の力が抜けた。

 危ういところを見られたはずなのに、怖がらずに俺の名前を呼んでくれる――それだけで、あの衝動からずっと遠ざけてくれる。

 

 ソラをそっと抱き寄せながら空を見上げた。

 その時だ。

 

 風が一度、妙に静かに吹き抜けた。

 

 違和感。

 誰かに“見られていた”ような、背筋を撫でる感覚。

 

 振り向いても、そこには誰もいない。

 ただ、夕焼けの色が揺れているだけだ。

 

「……気のせいか?」

 

 いや――違う。確かに誰かがいた。

 俺とソラ、ガンQとの戦いの一部始終を、無言で観察していた気配。

 

 その存在は、名乗りもせず、声も出さず、ただ“立ち去った”。

 

 敵か味方かもわからない。

 だが、感じた気配は……普通の怪獣でも、地球の戦士でもない。

 

(誰だ……?)

 

 ソラが不安そうに俺を見上げる。

 

「太郎? どうしたの?」

 

「いや……なんでもねぇよ。とりあえず、帰ろうぜ」

 

 ソラを安心させるように笑いながらも、胸の奥に残った違和感は消えない。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
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