サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
ガンQが体表をぶるぶると振るわせ、さっきの“認識破壊”を再び撃つ気配を見せる。
だが、もう通じねぇ。
「俺の世界を勝手にいじくり回すんじゃねぇよ……!」
足を地面に叩きつけ、一気に間合いを詰めた。
認識が歪まない。視界もぶれない。
ソラが俺を呼んでくれたあの瞬間、芯が戻った。この世界で俺を形作るのは――俺自身と、俺を名前で呼ぶ仲間だ。
ガンQの巨大な目が開き、黒い亀裂のような光がこちらに向かって走る。
正面から飲み込まれれば、さっきより深く意識を壊されるかもしれない。
でも、怖くない。
「壊したいなら……俺が先にお前を壊す!」
拳を握りしめ、まっすぐ突き出した。
拳に宿った衝撃がガンQの“目そのもの”に食い込み、ぐしゃりと嫌な感触が腕に伝わる。
怪獣が震え、悲鳴のような振動音を発した。
「終わりだッ!」
もう一撃、さらにもう一撃。
自分の体が軋む。
でも、暴走の衝動は押さえ込めている。力を“借りる”だけなら、俺にも制御できる。
最後の拳を叩き込むと、ガンQの身体に大きな亀裂が走り、白い光が漏れた。
――爆ぜた。
衝撃で砂埃が舞い、耳が一瞬だけキンと鳴る。
それでも俺は崩れずに立っていた。深呼吸をして、ゆっくりと拳を下ろす。
「……ようやく終わったか」
身体の奥がチリチリする。あの血を使った反動かもしれない。
正直、少しだけ怖い。俺の中の何かが、これで満足するのか、まだ足りないと言うのか。
そんな考えを振り払った時。
「太郎っ!!」
砂埃をかきわけて、ソラが駆けてきた。
瞳に涙を浮かべて、でも真っ直ぐこっちを見るその姿が、なんでこんなに眩しいんだろう。
俺の体に抱きつくようにしがみついてきた。
胸に柔らかな重みと温かさが伝わる。
「ほんとに……ほんとに無事で……よかった……!」
「おいおい、そんな泣くなって。ほら、俺はちゃんとここにいるだろ?」
そう言いながら頭を軽く撫でると、ソラは安心したように息を吐いた。
指先が微かに震えてる。相当怖かったんだな……。
「太郎、さっき……少しだけ、いつもと違った。でも……戻ってきてくれた。ちゃんと、“太郎”だった……」
「当たり前だって。俺は俺だよ」
その言葉を聞いた瞬間、肩の力が抜けた。
危ういところを見られたはずなのに、怖がらずに俺の名前を呼んでくれる――それだけで、あの衝動からずっと遠ざけてくれる。
ソラをそっと抱き寄せながら空を見上げた。
その時だ。
風が一度、妙に静かに吹き抜けた。
違和感。
誰かに“見られていた”ような、背筋を撫でる感覚。
振り向いても、そこには誰もいない。
ただ、夕焼けの色が揺れているだけだ。
「……気のせいか?」
いや――違う。確かに誰かがいた。
俺とソラ、ガンQとの戦いの一部始終を、無言で観察していた気配。
その存在は、名乗りもせず、声も出さず、ただ“立ち去った”。
敵か味方かもわからない。
だが、感じた気配は……普通の怪獣でも、地球の戦士でもない。
(誰だ……?)
ソラが不安そうに俺を見上げる。
「太郎? どうしたの?」
「いや……なんでもねぇよ。とりあえず、帰ろうぜ」
ソラを安心させるように笑いながらも、胸の奥に残った違和感は消えない。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア