サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
オーディン様の護衛が始まって、数日。
平穏そうに見えて、その実、裏ではずっと神経を使う時間が続いていた。
その夜、ロスヴァイセは珍しく酒瓶を手にしていた。
場所は俺の家の一室。
俺はソファの端、彼女は床に座って、グラスを傾けている。
「……はぁ……」
深いため息と一緒に、酒の香りが漂った。
「太郎さん……謎のヒロインXXという方……どうして、あんなに自由なのですか……」
「宇宙の人だからな……」
俺は自分のコップに入ったただのジュースを一口飲む。
未成年だ。酒は飲まない。
「護衛中なのに、突然いなくなる。
戻ってきたと思ったら、
“宇宙船のエンジン調整で別世界に寄ってました”などと……」
ロスヴァイセは頭を抱えた。
「私は上司を守る立場なのに……
あの方は“守る”という概念そのものが、どこかズレている気がします……」
「まぁ……XXは“結果的に守れてればOK”ってタイプだから」
「それが困るのです!」
珍しく声を荒げたあと、彼女はすぐにしょんぼりした。
「……私、真面目すぎるのでしょうか」
「それは……長所だと思う」
素直に言うと、ロスヴァイセは一瞬きょとんとしてから、ふっと笑った。
「……不思議ですね。
中学生の少年に、こんなことを言われる日が来るなんて……」
「俺も不思議だよ。
大人の女性を慰めてる気分だ」
「気分、ではなく事実です……」
そう言いながら、彼女はまた一口酒を飲む。
「でも……太郎さんと話していると、少し楽になります。
あなたは……妙に落ち着いていますから」
「色々あったからな」
それ以上は言わない。
彼女も深くは聞いてこなかった。
「……明日も護衛は続きます。
ロキが動く気配も、強くなってきている……」
「大丈夫だ。
ロスヴァイセが真面目にやってる限り、簡単には崩れない」
そう言うと、彼女は小さく目を伏せた。
「……ありがとうございます。
年下のあなたに、そう言われると……不思議と、胸が軽くなります」
奇妙な光景だ。
酒を飲む大人の女性を、ジュース片手の中学生が慰めている。
酒が回ったロスヴァイセは、さっきまでの硬さが嘘みたいに静かだった。
グラスを床に置くと、ふらりと体勢を崩し――そのまま、俺の隣へと寄り添ってきた。
「……すみません……少しだけ……」
拒む理由はなかった。
肩に伝わる重みと、柔らかな体温。鎧の下に隠れていた女性らしい感触が、はっきり分かる。
酒の香りが近い。甘く、熱を帯びた吐息が、首元にかかる。
「XXさんは……自由で……私は、ずっと堅くて……」
小さな声。
愚痴というより、独り言に近い。
彼女はこれまで、責任と規律の中に自分を閉じ込めてきたのだろう。
その緊張が、酒と一緒にほどけて、今は俺に預けられている。
腕が、そっと俺の袖を掴む。
力は弱いのに、意思ははっきりしていた。
「太郎さん……あなたは……不思議です……」
「何が?」
「年下に見えるのに……落ち着いていて……
こうしていると……安心、します……」
胸の奥が、静かに熱くなる。
欲情というより、抑えてきた感情が行き場を探して、こちらを向いた――そんな感じだった。
俺は深呼吸して、彼女の肩にそっと手を置く。
「無理しなくていい。
今日は……ここで休め」
ロスヴァイセは一瞬だけ目を見開き、やがて小さく笑った。
「……紳士、ですね……」
そう言って、身を預けてくる。
触れ合う距離は近いが、越えてはいない。
それでいい。
夜は静かに流れ、
護衛の緊張も、北欧の神々の思惑も。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア