※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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酔いから覚めて

 朝日がカーテンの隙間から差し込んで、部屋がゆっくりと明るくなる。

 目を覚ました俺は、いつも通りの朝だと思っていた。思っていた、のだが。

 

「――~~~~~~っ!!」

 

 隣の部屋から、意味を成さない悶絶音が聞こえた。

 

 ……ああ、そうだった。

 

 ロスヴァイセの寝室。

 扉一枚隔てた向こうで、彼女はベッドの上を転げ回っていた。

 

「な、なななな……っ、なにを……なにを私は……っ!!」

 

 シーツを掴み、顔を真っ赤にして身悶え。

 昨日の出来事が、完全にフラッシュバックしているらしい。

 

(記憶、戻ったか)

 

 俺はコーヒーを淹れながら、特に深刻でもなくそう結論づけた。

 

 数分後。

 扉が、そっと開く。

 

「……た、太郎さん……」

 

 ロスヴァイセが、耳まで真っ赤なまま顔だけ出していた。

 目が泳いでいる。完全に挙動不審だ。

 

「おはよう」

 

「お、おはようございます……」

 

 声が小さい。

 昨日の堂々としたヴァルキリーはどこに行った。

 

 彼女はそろそろと部屋に入ってきて、ベッドの端に腰を下ろす。

 視線は床。絶対に俺を見ない。

 

「……あの……」

 

「ん?」

 

「き、昨日の……その……」

 

 言葉が詰まる。

 顔がさらに赤くなる。

 

「……私……酔って……その……」

 

「ああ、酒飲んでたな」

 

「そ、そうではなくてですね!!」

 

 思わず声が裏返る。

 

「……その……私……太郎さんに……っ」

 

「寝かせた。ちゃんと」

 

「……その前です!!」

 

 ついに耐えきれなくなったのか、ロスヴァイセは両手で顔を覆った。

 

「……キ、キス……して……っ」

 

 ああ、そこか。

 

「したな」

 

 俺があっさり肯定すると、彼女はびくっと肩を跳ねさせた。

 

「し、したな、ではありません!!

 なぜそんな平然としていられるのですか!?」

 

「いや……昨日の雰囲気的に、自然だったし」

 

「し、自然……!?」

 

 ロスヴァイセは完全にパニックだ。

 ベッドの上でゴロゴロ転がりながら、枕に顔を埋める。

 

「……ヴァルキリーが……酒に任せて……年下の男性に……」

 

「年上だろ、今は」

 

「そういう問題ではありません!!」

 

 怒鳴ったあと、しゅんとする。

 

「……忘れてください……」

 

「別に、無理に忘れなくてもいいだろ」

 

「!?!?」

 

 勢いよく顔を上げる。

 

「……き、気にして……いないのですか?」

 

「うん」

 

 即答すると、ロスヴァイセは固まった。

 

「……え……?」

 

「キス一回だし。

 嫌だったなら、今後気をつける。

 そうじゃないなら……まぁ、思い出ってことで」

 

 俺はコーヒーを差し出す。

 

「飲むか?」

 

 彼女はそれを受け取り、しばらく黙ってから、小さく一口飲んだ。

 

「……太郎さんは……本当に……」

 

「ん?」

 

「……ずるいです……」

 

 声は小さいが、はっきりしていた。

 

 顔はまだ赤い。

 だが、さっきまでの悶絶は少し落ち着いている。

 

(温度差、すごいな)

 

 昨日の夜といい、今朝といい。

 護衛任務より精神力を使っている気がする。

 

 そのとき、窓の外から通信音。

 

『おはようございます。

 空気が甘い数値を検出しました』

 

「お前は黙ってろ、XX」

 

『了解です。

 では引き続き、護衛を続行します』

 

 ロスヴァイセは、再び顔を赤くした。

 

「……この任務……想定外ばかりですね……」

 

「今さらだな」

 

 そう言うと、彼女は小さく、苦笑した。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
  • エミリア
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