サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
朝日がカーテンの隙間から差し込んで、部屋がゆっくりと明るくなる。
目を覚ました俺は、いつも通りの朝だと思っていた。思っていた、のだが。
「――~~~~~~っ!!」
隣の部屋から、意味を成さない悶絶音が聞こえた。
……ああ、そうだった。
ロスヴァイセの寝室。
扉一枚隔てた向こうで、彼女はベッドの上を転げ回っていた。
「な、なななな……っ、なにを……なにを私は……っ!!」
シーツを掴み、顔を真っ赤にして身悶え。
昨日の出来事が、完全にフラッシュバックしているらしい。
(記憶、戻ったか)
俺はコーヒーを淹れながら、特に深刻でもなくそう結論づけた。
数分後。
扉が、そっと開く。
「……た、太郎さん……」
ロスヴァイセが、耳まで真っ赤なまま顔だけ出していた。
目が泳いでいる。完全に挙動不審だ。
「おはよう」
「お、おはようございます……」
声が小さい。
昨日の堂々としたヴァルキリーはどこに行った。
彼女はそろそろと部屋に入ってきて、ベッドの端に腰を下ろす。
視線は床。絶対に俺を見ない。
「……あの……」
「ん?」
「き、昨日の……その……」
言葉が詰まる。
顔がさらに赤くなる。
「……私……酔って……その……」
「ああ、酒飲んでたな」
「そ、そうではなくてですね!!」
思わず声が裏返る。
「……その……私……太郎さんに……っ」
「寝かせた。ちゃんと」
「……その前です!!」
ついに耐えきれなくなったのか、ロスヴァイセは両手で顔を覆った。
「……キ、キス……して……っ」
ああ、そこか。
「したな」
俺があっさり肯定すると、彼女はびくっと肩を跳ねさせた。
「し、したな、ではありません!!
なぜそんな平然としていられるのですか!?」
「いや……昨日の雰囲気的に、自然だったし」
「し、自然……!?」
ロスヴァイセは完全にパニックだ。
ベッドの上でゴロゴロ転がりながら、枕に顔を埋める。
「……ヴァルキリーが……酒に任せて……年下の男性に……」
「年上だろ、今は」
「そういう問題ではありません!!」
怒鳴ったあと、しゅんとする。
「……忘れてください……」
「別に、無理に忘れなくてもいいだろ」
「!?!?」
勢いよく顔を上げる。
「……き、気にして……いないのですか?」
「うん」
即答すると、ロスヴァイセは固まった。
「……え……?」
「キス一回だし。
嫌だったなら、今後気をつける。
そうじゃないなら……まぁ、思い出ってことで」
俺はコーヒーを差し出す。
「飲むか?」
彼女はそれを受け取り、しばらく黙ってから、小さく一口飲んだ。
「……太郎さんは……本当に……」
「ん?」
「……ずるいです……」
声は小さいが、はっきりしていた。
顔はまだ赤い。
だが、さっきまでの悶絶は少し落ち着いている。
(温度差、すごいな)
昨日の夜といい、今朝といい。
護衛任務より精神力を使っている気がする。
そのとき、窓の外から通信音。
『おはようございます。
空気が甘い数値を検出しました』
「お前は黙ってろ、XX」
『了解です。
では引き続き、護衛を続行します』
ロスヴァイセは、再び顔を赤くした。
「……この任務……想定外ばかりですね……」
「今さらだな」
そう言うと、彼女は小さく、苦笑した。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア