※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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幼馴染みの心配

携帯が震えたのは、港から町へ戻る坂道の途中だった。

 

画面を見る前から分かっていた。

この沈黙の長さを許さないのは、一人しかいない。

 

絶花だ。

 

通話に出るより先に、前方から駆ける足音が聞こえた。

息を切らした、乱れた足取り。

 

「……太郎!」

 

名前を呼ばれて、胸の奥が一気に詰まる。

 

振り向くと、絶花がいた。

制服のまま、髪が少し乱れている。肩で息をして、でも足は止めずに俺の前まで来た。

 

そのまま、何も言わずに俺の顔を見る。

 

視線が、目から頬、首、肩、腕へと移る。

怪我を探す目だ。

 

「……無事?」

 

ようやく出た声は、震えていなかった。

だから余計に、溜め込んでいたものが分かる。

 

「無事だよ」

 

即答する。

 

「ほんとに?」

 

一歩、距離を詰められる。

 

「一日」

 

低い声。

 

「丸一日、連絡なかった」

 

責めてはいない。

でも、責めるより重い。

 

「電話も、メッセージも」

 

拳を握りしめたまま続ける。

 

「太郎、いつもは返すでしょ」

 

胸が痛む。

 

「……ごめん」

 

短く言うと、絶花は少しだけ眉を寄せた。

 

「それで終わり?」

 

「終わらせない」

 

首を振る。

 

「ちゃんと話す」

 

少しだけ、間があった。

 

絶花は俺の袖を掴み、視線を逸らす。

 

「……ここじゃ、嫌」

 

人目を避けるみたいに言う。

 

近くの公園のベンチに座ると、絶花はようやく深く息を吐いた。

俺は、その横顔を見ながら、どこから話すべきか考えていた。

 

「ねえ」

 

絶花が先に切り出す。

 

「いなくなった理由、聞いていい?」

 

逃げられない。

 

「……港で」

 

言葉を選ぶ余裕はなかった。

 

「襲われた」

 

一瞬、空気が止まる。

 

「……は?」

 

「人じゃないやつに」

 

冗談めかす気にもなれない。

 

「正直、死にかけた」

 

絶花の指が、俺の袖を強く掴んだ。

 

「冗談に聞こえない」

 

「冗談じゃない」

 

目を逸らさずに言う。

 

「気絶して、目が覚めたら知らない場所だった」

 

「誰かと……一緒だったの?」

 

少しだけ、声が低くなる。

 

「いた」

 

思い出す。

あの静かな視線。切るみたいな言葉。

 

「助けられた」

 

絶花はしばらく黙っていた。

怒るでも、泣くでもなく、事実を受け止めようとする沈黙だ。

 

「……だから、連絡できなかった」

 

「そう」

 

「怪我は?」

 

「ない」

 

「ほんとに?」

 

「ほんと」

 

念を押すように言う。

 

絶花は、ようやく肩の力を抜いた。

 

「……心配した」

 

小さな声だった。

 

「太郎が、急にいなくなる理由って」

 

視線が落ちる。

 

「いつも、嫌な予感しかしない」

 

俺は、何も言えなかった。

 

「ねえ」

 

顔を上げて、俺を見る。

 

「危ないなら、ちゃんと相談して」

 

「する」

 

即答する。

 

「……でも」

 

言葉を探す。

 

「絶花を巻き込みたくない」

 

「それは、私が決める」

 

きっぱりと言われた。

 

「友達でしょ」

 

胸の奥が、ぎゅっと締まる。

 

「……ああ」

 

短く返す。

 

風が吹いて、木の葉が揺れた。

町は、何もなかったみたいに朝を続けている。

 

「太郎」

 

もう一度、名前を呼ばれる。

 

「無茶するなら、生きて戻って」

 

真っ直ぐな声だった。

 

「王様になるんでしょ」

 

冗談みたいに言うけど、目は真剣だ。

 

「途中で死んだら、笑えないから」

 

俺は、少しだけ笑った。

 

「分かってる」

 

それから、ちゃんと言う。

 

「絶花が、普通に友達作れる場所」

 

言葉が、自然に出た。

 

「作るまでは、死なない」

 

絶花は呆れたように息を吐いて、それから小さく笑った。

 

「……ほんと、そういうとこ」

 

でも、その顔は、さっきより少しだけ柔らかかった。

 

「そう言えば、太郎?なんだか違和感があるんだけど」

 

「違和感?」

 

「そう、なんと言ったら良いのかって、天聖!」

 

すると、絶花の谷間から飛び出たのは、確か絶花の中にある剣。

 

『おいおい、どうなっていやがるんだ?これは』

『なるほど、これが彼女の中にある神器という訳か』

 

そうしていると、俺の横には何時の間にか斬月が現れる。

 

「えっ、それって一体」

「うん、なんか、俺も目覚めたみたい。こんな感じの刀が」

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
  • エミリア
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