サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
京都のホテルに戻ったのは深夜だった。廊下の静寂が足音を吸い込み、カードキーをスロットに通す電子音だけがやけに大きく響く。ドアを開けると、室内は薄暗く、窓際に佇む小さな影が目に入った。
「……遅い」
絞り出すような声に、胸が紧缩した。振り返った絶花の顔には怒りと不安が混ざり合い、紫の瞳が微かに潤んでいるのがわかる。制服のブレザーは乱れたままで、リボンが緩んでいるのも気にしていない様子だった。
「悪りぃ。ちょっと……用事があって」
「用事? 私を置いていくような用事?」
一歩踏み出すと、彼女は後退りした。その動作が痛いほど語っていた。置いていかれる恐怖。見捨てられる不安。それらが彼女の小さな体を縛り付けている。
「……私、待ってたんです。ずっと。窓の外見て、どこに行ったのかって。帰ってこないし、連絡もないし……」
震える声が途切れ途切れになる。八坂との情事の余韻など消し飛ぶほどの罪悪感が俺を打ち据えた。彼女は知らない。俺がどこで何をしていたかなんて。ただ、帰ってこないという事実だけが彼女を傷つけた。
「絶花」
名前を呼んで近付くと、彼女は肩を窄めた。逃げない。ただ怯えている。幼馴染の俺に対してじゃない。自分の中の不安に対してだ。
「……私だけ置いていかれるの、怖いんです。昔からずっと。お父さんもお母さんも忙しくて、いつも一人で……だから、太郎がいないとって……」
最後は聞き取れないほど小さな声だった。俺は手を伸ばし、彼女の華奢な肩を抱き寄せる。一瞬だけ硬直した体が、ゆっくりと俺の胸に預けられた。
「悪かった。もう置いてかねぇよ」
「……本当に?」
顔を上げた絶花の瞳は、不安と期待の狭間で揺れていた。月光に照らされたその顔は儚く、壊れそうで、それでいて芯のある強さを秘めていた。
「ああ。俺はここにいる。ずっと」
言葉に力を込めると、彼女の表情が少しだけ緩んだ。安堵か、あるいはそれ以上の何かか。俺の胸元に額を押し付け、小さく息を吐く。
「……証明してほしい」
呟きに、心臓が跳ねた。
「……え?」
顔を上げた絶花は、頬を染めながらも真っ直ぐに俺を見ていた。その眼差しには迷いがない。ただ求めるだけの、純粋な渇望。
「言葉だけじゃなくて……体で、証明してほしいんです。……私が望めば、離れないって」
喉が渇いた。八坂との交わりで疲弊したはずの体に再び熱が灯る。彼女の華奢な体躯が俺の腕の中にあり、吐息が鎖骨にかかる距離で交わされる視線。拒む理由などどこにもない。
「……いいのか?」
問いかけると、絶花は小さく頷いた。
「……私、強くなる。だから……今だけは……」
切なげな囁きとともに、彼女は自ら唇を寄せてきた。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア