サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「ふぅ……やっと片付いたか」
俺はダンボールの山を眺めながら、額の汗を拭った。駒王街の新しいアパートは、思ったより広くて快適だ。窓から差し込む午後の光が、まだ何もない部屋を明るく照らしている。
「明日からは、この街で新しい生活か」
俺は最後に開けたダンボールに手を伸ばす。中から出てきたのは、一枚の写真立てだった。
そこに写っているのは、見渡す限りのサバンナを背景に立つ俺と、ジューマン達の姿だ。あの夏の、最初の仲間達。写真の中のみんなは、今にも動き出しそうな笑顔で並んでいる。
「懐かしいな……」
俺は写真を手に取り、窓辺に置いた。他の写真も次々に取り出していく。密林で出会った連中、山岳地帯で共に戦った仲間、砂漠や雪山で知り合ったジューマン達。どの写真にも、あの夏の輝きが詰まっている。
「王を目指す俺が、こんなにたくさんの家臣と出会えたんだ」
一枚一枚を丁寧に棚に並べながら、俺は笑みを浮かべる。ジューランドでの冒険は終わった。デスガリアンとの戦いも、もう過去の話だ。でも、あの絆は今も胸の中にある。
「さて、明日からはこの駒王街で国作りだ。絶花もそのうち来るし、家臣ももっと増やさなきゃな」
俺は最後の写真を手に取った。そこには、あの夏の最後の戦いの後、みんなで撮った集合写真がある。ジューマン達と肩を組んで笑う俺と、少し照れたように立つ絶花。
「みんな、元気にしてるかな」
窓の外を見ると、駒王街の夕暮れが広がっていた。新しい街、新しい生活。でも、俺は一人じゃない。王国の駒が、かつての仲間達との絆を感じさせてくれる。
「必ず会いに行くからな。それまで、待ってろよ」
俺は写真を胸に抱きながら、新しい部屋で最初の夜を迎えた。明日からは、ここが俺の城だ。王として、新しい一歩を踏み出す場所になる。
「よし、街の探索だ。面倒だが、王が自分の領地を知らなきゃ話にならねぇからな」
そう呟きながら、俺はベッドに横たわる。ジューランドの思い出と、これからの期待が、靜かに胸の中で輝いていた。
俺は駒王街の中心部を歩いていた。新しい領地の視察は王として当然の仕事だ。商店街を抜け、公園を横切り、学校区まで足を伸ばす。この街の空気を肌で感じておく必要がある。
「ふむ、悪くない街だな。人間だけじゃなく、色んな種族が混ざってる」
街行く人々の中に、微かな違和感を感じ取る者もいた。
そう思いながら歩いていると、ふと視界の端に何かが引っかかった。遠くのビルの屋上だ。普通の人間ならまず気づかない距離だが、俺の目はそこをはっきりと捉えている。
「……あれは?」
ジュウオウイーグルに変身していない状態でも、王者の資格と融合した王国の駒の影響なのか、俺の視力は明らかに常人を超えていた。鷹の目だ。遥か先の細部まで見渡せるその能力が、今、ビルの屋上に立つ異形の影を捉えている。
人型だが、背中からは歪な翼が生え、全身から黒い靄のようなものを放出している。目は血走り、口元からは牙が覗いていた。理性があるようには見えない。完全に何かに取り憑かれたような、それでいて明確な敵意を周囲に撒き散らす存在。
「まさか、デスガリアンなのか?」
その姿は、デスガリアンとは異なる様子が見られる。
俺は迷わず走り出した。人通りの多い商店街を抜け、細い路地へと入り込む。目指すはあのビルの屋上だ。
「デスガリアンかどうかはわからねぇ。でも、あの姿は明らかに普通じゃねぇ」
階段を駆け上がりながら、俺は考える。ジューランドでの戦いは終わったはずだ。デスガリアンの連中は俺達が倒した。でも、もし残党がいたとしたら? もし、新たな脅威だとしたら?
「どっちにしろ、見過ごせねぇ。この街は俺の新しい領地だ。王として、領民を危険に晒すわけにはいかねぇからな」
屋上へのドアを蹴り開けると、そこにはあの異形がいた。黒い靄を纏い、血走った目で俺を睨みつける。口元からは涎が滴り、歪な翼が不気味に震えている。
「よう、そこで何してる?」
俺はあえて軽い口調で声をかけた。相手の出方を探るためだ。異形は唸り声を上げ、一歩前に出る。理性はなさそうだ。でも、明確な敵意は感じる。
「デスガリアンじゃなさそうだな。でも、害意があるなら相手はするぜ」
俺は胸に手を当てる。王国の駒が靜かに輝いている。いつでも変身できる準備はできている。
「さあ、どうする? 王である俺に喧嘩を売るなら、それなりの覚悟はできてんだろうな」
俺は胸に手を当て、王国の駒を出現させた。手の中に収まる小さな駒の表面に、王者の資格のキューブ紋章が浮かび上がる。
「その姿、人間じゃねぇな。なら、俺も王として迎え撃つまでだ」
はぐれ悪魔が雄叫びを上げ、鋭い爪を振りかざして突進してくる。俺は後方へ跳んで回避しながら、駒に意識を集中させた。
王国の駒が立方体状に展開し、ジュウオウチェンジャーへと変形する。俺はそれを片手で掴み、チェンジャーを開いた。内部の数字面に「1」が浮かび上がる。キューブイーグル、ジュウオウイーグルを示す番号だ。
「行くぜ!」
俺は変身ボタンを押し、チェンジャーを閉じる。手首のスナップを利かせてキューブを回転させると、王国の駒の紋章と鷲の紋章が重なり合い、まばゆい光を放った。
「本能覚醒!」
再びチェンジャーを開く。瞬間、赤い光が俺の全身を包み込んだ。背中からは鷲の翼を思わせるエネルギーが広がり、ビルの屋上を赤く照らし出す。光が収束し、王国の駒の紋章が胸部に刻まれる。
俺は変身を完了し、右手を前方へ突き出した。
「大空の王者、ジュウオウイーグル!」
ジュウオウチェンジャーが雄叫びを上げる。
『イーグル!』『アーアーアアーッ!』
はぐれ悪魔が一瞬たじろぐ。俺は翼を広げ、屋上の縁に立った。
「さあ、かかってこい。この俺が、王の力を見せてやる」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア