サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
俺は屋上の縁から飛び降りると同時に、翼を大きく広げた。赤い翼が風を掴み、俺の身体を空中へと押し上げる。ジュウオウイーグルの視力が、眼下の謎の怪人の動きを克明に捉えていた。
「まずは小手調べだ」
右手を腰のホルスターへと伸ばし、ジュウオウバスターを引き抜く。銃モードのまま構え、照準を合わせる。謎の怪人が口元から黒い靄を吐き出し、それを弾丸のように凝縮させて放ってきた。魔力弾だ。三発、同時に飛来する。
「甘いな」
俺は翼を畳んで急降下しながら、一発目を左に躱し、二発目を右に逸らす。三発目は正面から向かってくるが、俺はジュウオウバスターの引き金を引いた。銃口から放たれた赤い光弾が魔力弾を相殺し、爆風が屋上を震わせる。
着地と同時に、今度は左手を腰の背面へと回す。イーグライザーだ。鳥獣剣の柄を握り、一気に引き抜く。刀身が陽光を反射して鋭く輝く。
謎の怪人が雄叫びを上げ、鋭い爪で斬りかかってきた。右の鉤爪が俺の首を狙い、左の爪が腹部を狙う。同時攻撃だ。
「遅い!」
俺はイーグライザーを横薙ぎに振るい、右の鉤爪を受け止める。金属音が響き、火花が散った。左の爪に対しては、身体を半回転させながら後方へ跳び、距離を取る。着地の瞬間、今度は俺から仕掛けた。
「まずは一発、もらっておけ」
イーグライザーを縦に構え、踏み込む。刀身が唸りを上げて謎の怪人の肩口を斬り裂く。黒い靄が傷口から噴き出し、謎の怪人が苦痛の咆哮を上げた。
「まだだ」
俺は追撃をかける。イーグライザーを連続で振るい、斬撃の嵐を浴びせかける。左袈裟、右逆袈裟、突き、そして横薙ぎ。四連撃が謎の怪人の身体を切り裂く。しかし、こいつは倒れない。靄が傷口を塞ぎ、再生していくのが見えた。
「再生能力か。面倒だな」
謎の怪人が両腕を広げ、全身から無数の魔力弾を放ってきた。先ほどとは桁違いの数だ。数十発の黒い弾丸が、雨のように俺へ降り注ぐ。
「だが、見えている」
俺の鷹の視力が、全ての弾道を克明に捉えている。どれが直撃コースで、どれがフェイントか。どのタイミングでどの方向へ動けば安全か。全てが手に取るようにわかる。
俺は翼を広げ、空中へと舞い上がった。魔力弾の雨を縫うように飛び、回避しながら距離を詰める。イーグライザーをムチ状に変形させ、しならせる。
「ライザースピニングスラッシュ!」
刀身が伸び、謎の怪人の身体に巻きつく。俺はそのまま急降下し、ムチを引いて斬撃を加えた。赤い光の線が謎の怪人の全身を駆け巡り、爆発が起きる。
俺は着地し、翼を静かに畳んだ。屋上のコンクリートが冷たく足の裏に伝わる。イーグライザーを握る手に、少し汗が滲んでいた。
「……わからねぇな」
煙が晴れていく中、俺は周囲を見渡す。先ほどまで斬り結んでいた異形の姿は、跡形もなく消え去っていた。ビルの屋上には俺一人だけが立っている。
「デスガリアンの残党かとも思ったが、違う気がする」
イーグライザーを収納し、変身を解除する。赤い光が身体から剥がれ落ち、俺は元の学生服姿に戻った。ジュウオウチェンジャーが小さく光を失い、胸の中へと消えていく。
「さっきのは一体なんだったんだ……」
俺は額に手を当てて考え込む。あの異形は明らかに人間じゃなかった。でも、ジューランドで戦った連中とも違う。悪魔? それとも別の何かか?
屋上のフェンスに近づき、街を見下ろす。駒王街の夕暮れは平穏そのものだ。人々は普通に歩き、車が通り過ぎ、商店の看板が灯り始めている。誰も、さっきまでこの屋上で何かと戦っていたことなど知らない。
「これがこの街の日常なのか……?」
俺は小さくため息をつく。王として新しい領地に来たのはいいが、いきなり正体不明の敵と遭遇するとは思わなかった。
「まあいい。とりあえず、今は情報が足りなすぎる」
拳を握りしめる。焦っても仕方ない。まずはこの街のことをもっと知るべきだ。どんな勢力がいて、どんな脅威が潛んでいるのか。
「絶花が来る前に、ある程度は把握しておかねぇとな」
俺は屋上のドアへと歩き出す。後ろ髪を引かれる思いで最後にもう一度だけ振り返ったが、そこには何もなかった。ただ、風が吹き抜けるだけだ。
「駒王街……やっぱり、ただの街じゃなさそうだぜ」
階段を降りながら、俺はそう呟いた。王としての新たな戦いが、もう始まっているのかもしれない。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア