サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
教会の尖塔を突き破り、異形と化した堕天使が夜空にその巨体を晒した。もはやレイナーレだった面影は欠片もない。無数の翼が不気味に羽ばたき、全身に開いた無数の目がギョロギョロと俺たちを見下ろしている。その姿は、聖書に描かれた異端の天使ですらない――ただの肉塊だ。
「■■■――!!」
言葉にならない咆哮が、廃教会全体を震わせた。コンティニューメダルの暴走は、堕天使の身体を際限なく膨張させ続けている。このまま放置すれば、教会どころか駒王街全体が危険に晒されるだろう。
「なんて醜い姿だ…」
俺は吐き捨てるように呟き、腰のホルスターから六つのジュウオウキューブを取り出した。赤、青、黄、緑、白。それぞれが動物を模した小さなキューブ状の装置だ。
「お前ら、やるぞ!」
俺の号令に、四人が頷く。レオーネが黄色のキューブを受け取り、エレンが青を、マンモスマンが緑を、ガーフィールが白を手にした。
「デカい鳥になりやがったぜ、ありゃあ」
ガーフィールが夜空を見上げ、牙を剥き出しにして唸った。異形と化した堕天使の巨体は、漆黒の翼を無数に生やし、空を覆い尽くすかのように旋回している。無数の目が俺たちを見下ろし、次の瞬間、口とも言えぬ裂け目から紫の光弾が放たれた。
「散れッ!」
俺の号令一下、五人の戦士は四方へ跳躍する。さっきまで俺たちが立っていた地面が、光弾の直撃を受けて爆発した。土と石畳が吹き飛び、焼け焦げた匂いが鼻を突く。異形と化した堕天使は、すでに人の心など微塵も残していなかった。ただ破壊を撒き散らすだけの怪物と成り果てている。
「このままじゃ埒が明かねェぜ、大将!」
「ああ。ならば、こちらも巨獣で迎え撃つまでだ」
俺は腰のホルダーから六つのジュウオウキューブを取り出した。赤、青、黄、緑、白。それぞれが動物を模した小さな立方体の装置であり、王者の資格と融合した王国の駒によって真の力を解放する鍵である。俺は赤いキューブ――ジュウオウイーグルの本体とも言うべきそれを、天高く放り投げた。
「本能覚醒!ジュウオウキューブ!」
俺の叫びに呼応し、赤いキューブがまばゆい光を放つ。それは瞬く間に膨張し、さながら流星が地上に降り立つがごとく、一羽の巨大な鷲へと姿を変えた。鋼鉄の翼、紅蓮の装甲、鋭利な鉤爪。全長数十メートルに及ぶそれは、まさに大空の王者にふさわしい威容である。
「アタシたちも行くよ!」
レオーネが黄色いキューブを放り投げ、巨大な獅子が咆哮を上げる。エレンが青いキューブを起動すれば、巨大な鮫が夜の闇を泳ぐように宙を舞った。マンモスマンの緑のキューブからは巨大な象が、ガーフィールの白いキューブからは巨大な虎が出現する。
「野郎ども、乗り込むぞ!」
俺は跳躍し、ジュウオウイーグルの背に飛び乗った。四人もそれぞれの巨獣に跨り、異形の堕天使へと相対する。読者諸君、この光景を想像してみるがいい。五体の巨大な獣と、無数の翼を持つ異形の天使が、月明かりの下で睨み合う様を。それはさながら、神話の一節を切り取ったかのような光景であった。
「■■■――ッ!!」
異形の堕天使が咆哮し、無数の翼から光の槍を一斉に放つ。しかし、俺は臆することなく号令を下した。
「全機、突撃!奴を地上に叩き落とす!」
鷲が急降下し、獅子が跳躍し、鮫が泳ぎ、象が突進し、虎が疾走する。五体の巨獣が一斉に動き出せば、その衝撃は大地を揺るがし、空気を震わせた。光の槍をものともせず、俺たちの巨獣は異形の堕天使へと肉薄していく。
「レオーネ、エレン、側面から撹乱しろ!ガーフィールは背後に回れ!マンモスマン、正面からぶちかませ!」
俺の指示に、四人が即座に応じる。獅子と鮫が左右から光弾を浴びせかけ、虎が背後から噛みつき、象が巨大な鼻で堕天使の身体を締め上げた。異形の怪物は身動きを封じられ、苦悶の咆哮を上げる。
「これで決める!合体!」
俺はイーグライザーを天に掲げ、
「動物合体!ジュウオウキング!」
全長数十メートル、全身を五色の装甲で固めた巨神。その威容は、さながら神話に語られる巨人族のようであった。俺はジュウオウキングの頭部――コックピットに立ち、異形の堕天使と対峙する。
異形と化した堕天使が放つ光弾を、ジュウオウキングは左腕の盾で受け止めた。衝撃が巨神の装甲を揺らすが、びくともしない。俺はコックピットで歯を食いしばり、さらなる指示を飛ばす。
「まだだ!追加のキューブを呼び寄せる!」
俺が腰のホルスターから新たなジュウオウキューブを取り出すと、それらは意思を持つかのように空中へと飛び立った。赤茶色のキューブコンドル、漆黒のキューブファルコン、深緑のキューブピーコック、灰色のキューブホーク、そして二体の白と茶のキューブダチョウ。合計六つの追加キューブが夜空に展開し、それぞれが動物の形状へと変形していく。
「本能覚醒!全機合体!」
俺の叫びに呼応し、まず右手にキューブコンドルが飛来した。それは一振りの大剣へと変形し、ジュウオウキングの右腕に装備される。刀身は赤銅色に輝き、刃の部分にはコンドルの翼を模した意匠が刻まれていた。重量は優に数トンはあろうかというのに、ジュウオウキングの剛腕はそれを軽々と振るう。
「次だ!」
左手にはキューブホークが装着された。灰色の装甲が展開し、巨大な盾へと姿を変える。盾の表面には鷹の鉤爪を象った紋章が浮かび上がり、防御のための魔力障壁が展開された。
「背中だ!」
キューブファルコンとキューブピーコックが飛来し、ジュウオウキングの背中に合体する。ファルコンは右翼、ピーコックは左翼となって展開し、さながら天空を舞う巨大な翼となった。ファルコンの黒き翼とピーコックの深緑の翼が重なり合い、その姿は神々しさすら感じさせる。翼の先端からは無数の光の粒子が零れ落ち、夜の闇を幻想的に彩った。
「両足!」
最後に、二体のキューブダチョウが左右の脚に装着される。白と茶色の装甲が展開し、脚部の機動力と跳躍力を大幅に強化した。ダチョウの持つ爆発的な脚力が、巨神の機動力を飛躍的に向上させるのだ。
「合体完了!」
五体の基本キューブに、六体の追加キューブ。合計十一体のジュウオウキューブが合わさった新たなる巨神――その名を、ジュウオウスカイキング。
全身が五色の光に包まれ、闇夜にその威容が浮かび上がる。右手には大剣、左手には大盾、背中には四枚の翼、両脚には加速装置。それはまさに、空を制する王者の姿であった。
「すげェ…大将、こいつは…!」
ガーフィールが驚嘆の声を上げる。俺はコックピットで不敵に笑った。
「これが俺たちの新たな力だ。ジュウオウスカイキング!」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア