※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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バイト探し難航

「おーい、大将!見てくれよ、今日の給料だぜェ!」

 

ガーフィールがドアを勢いよく開けて駆け込んできた。その手には数枚の一万円札が握られている。彼の全身は埃と汗にまみれ、作業着のあちこちが破れていた。おそらく虎の力で暴れすぎたのだろう。

 

「おう、やるじゃねぇか」

俺が札を受け取ると、ガーフィールは得意げに牙を剥いて笑った。

 

「へへっ、建設現場じゃ俺様の怪力が重宝されんだよ。鉄骨だって軽々運べるし、壊れかけの壁なら素手で壊せる。親方も『お前みたいなガテン系は初めてだ』って褒めてたぜェ!」

 

「そりゃあ良かったな。だが、加減は忘れるなよ。また壁を余計に壊したら給料から天引きだぞ」

「わ、わかってるって…」

 

ガーフィールがばつが悪そうに頭をかいた。どうやらすでに何かやらかしたらしい。まあ、彼の性格なら仕方ないか。

 

「ところで、マンモスマンはどうした?」

「あいつなら現場でまだ残業だ。『時間がない』って言ってな」

 

俺は窓の外を見た。遠くの建設現場で、巨大なクレーンが動いている。よく見ると、そのクレーンの先端にマンモスマンがぶら下がり、長い鼻で資材を器用に運んでいる姿が見えた。彼の怪力と鼻の器用さは、まさに建設現場の申し子である。人間の作業員たちは彼を「伝説のガテン系」と呼んで崇めているらしい。

 

「あいつ、時給いくらもらってるんだ?」

「さあな。でも、親方が『こんな逸材は初めてだ』って言って、特別手当をつけてくれたぜ」

「そりゃあ良かった」

 

俺がそう言った瞬間、今度は玄関のドアが勢いよく開かれた。

 

「ただいまー!王サマ、聞いてくれよ!」

 

レオーネが酒の匂いを漂わせながら、ご機嫌な様子で帰宅した。彼女の服装は、昼間の作業着とは打って変わって、派手なドレス姿である。胸元は大きく開き、太ももが惜しげもなく露出している。

 

「どうした、その格好」

「へへっ、スナックのママにスカウトされちまったよ。『あんた、顔とスタイルがいいからウチで働かないか』ってね。で、試しに今夜だけ手伝ったら、売り上げが三倍になったんだ!」

 

「三倍…」

俺は思わず額に手を当てた。無理もない。レオーネは身長百七十センチのグラマラスな美女で、しかも酒豪で話し上手。スナックのママとしての適性は抜群だろう。客たちは彼女の豪快な笑い声と色気にやられ、大枚をはたいて通い詰めるに違いない。

 

「それで、給料は?」

「これだよ!」

レオーネが封筒を取り出す。中には分厚い札束が入っていた。俺は目を丸くする。

 

「おいおい、一晩でこれかよ」

「だって、アタシが注いだ酒は特別だって、みんな喜んでくれたんだよ。それに、ちょっと肩をポンって叩くだけで、男たちが何杯もおかわりしてくれてね。商売って楽しいねぇ!」

 

レオーネは豪快に笑いながら、冷蔵庫からビールを取り出した。俺はため息をつきながらも、彼女の適応力には感心する。人間社会に来てまだ一週間も経っていないのに、すでに夜の世界で成功を収めているとは。

 

「で、エレンはどうした?」

俺が尋ねると、レオーネは苦笑しながら奥の部屋を指さした。

 

「あの子、今日も仕事見つからなかったみたいだよ。履歴書を書くのも面倒くさがるし、面接に行っても『めんどいから無理』って言って早々に帰ってくるし。さすがのアタシもお手上げさ」

 

俺は立ち上がり、エレンの部屋へと向かった。ドアをノックすると、中から気だるげな声が返ってくる。

 

「入っていいよ…」

 

ドアを開けると、エレンは布団にくるまりながら、枕に顔を埋めていた。サメの尻尾がだらりと垂れ、床の上で力なく揺れている。

 

「エレン、仕事探しはどうなった?」

「…無理」

「無理って、お前な」

「だって、めんどいんだもん。履歴書書くのも、面接行くのも、全部めんどい。人間の社会はめんどくさすぎる」

 

俺は彼女の隣に腰を下ろした。エレンは顔を上げず、枕に埋もれたまま呟く。

 

「私、どうせ接客とか無理だし。愛想笑いもできないし。尻尾も隠さなきゃいけないし。めんどくさい」

 

「そうか…」

俺はしばらく考え込んだ。確かに、エレンは無口で気だるげな性格だ。接客業は向いていないだろう。だが、彼女には他の三人にはない才能がある。

 

「エレン、お前の得意なことは何だ?」

「…寝ること」

「それ以外で」

「…鋏の手入れ」

「もっと他に」

 

そうして、俺達の仕事探しはまだまだ続きそうだ。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
  • エミリア
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