サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「…採用おめでとうございます。明日からよろしくお願いしますね」
面接官の店長は、エレンの履歴書を見ながら少し困惑した表情を浮かべていた。無理もない。志望動機の欄には「王様がうるさいから」とだけ書かれていたのだ。しかし、彼女の整った顔立ちと、ヴィクトリア家政でのメイド経験が評価され、なんとか合格にこぎつけた。
「めんどい…」
店を出るなり、エレンは大きくため息をついた。サメの尻尾がスカートの下でだらりと垂れている。
「良かったじゃねぇか、合格だぞ」
「全然良くない。私、これから毎日メイド服着て、知らないお客さんの相手しなきゃいけないんだよ」
「いい経験になるだろ。人間社会の勉強にもなる」
「王様はいいよね、働かなくて」
「王だからな」
「むかつく」
エレンは俺の脛を軽く蹴った。痛くはない。むしろ、照れ隠しのそれが妙に可愛らしくて、俺は思わず笑ってしまう。
◆◆◆
それから一週間。エレンのメイド喫茶デビューは、予想以上の成功を収めていた。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
エレンが気だるげにトレーを運びながら、抑揚のない声で言う。黒を基調にしたメイド服に、白いフリルがあしらわれたエプロン。サメの尻尾はスカートの下で隠しているが、時折ひょっこり顔を出す。その無愛想な態度が、かえって「クールメイド」として人気を博していた。
「エレンちゃん、今日も可愛いよ!」
「ああ、その無表情がたまらない!」
「俺、エレンちゃんに罵倒されたい!」
客たちの熱狂的な声援に、エレンは「…うるさい」とだけ呟く。それすらも「クーデレ最高!」と歓声に変わるのだから、人間の性とは不思議なものだ。
「なあ、エレン」
俺は常連客に混じってカウンターに座り、彼女に声をかけた。
「なに」
「今日も可愛いな」
「…セクハラ」
「事実だろ。お前、最近ますます綺麗になったんじゃねぇか?」
「そんなこと言っても、何も出ない」
「別に何も期待してねぇよ。ただ、お前が頑張ってるのを見ると、王として嬉しいんだ」
エレンは一瞬だけ手を止め、俺の顔をじっと見つめた。赤い瞳が微かに揺れている。サメの尻尾がスカートの下で小さく跳ねた。
「…ばか」
彼女はそう呟くと、俺の前にコーヒーを置いた。いつもより少しだけ、カップの位置が近い気がした。
「それ、サービス」
「お、珍しいな」
「たまたま気が向いただけ。深い意味はない」
「そうかよ」
俺はコーヒーを一口すする。いつもより少しだけ、温かい気がした。
「王様、ちょっとこっち来て」
閉店後のメイド喫茶。従業員たちが帰った後の静かな店内で、エレンが俺の袖を引っ張った。メイド服姿のまま、彼女は俺をVIPルームへと連れて行く。薄暗い照明、ベルベットのソファ、壁にはアンティークの鏡。普段は特別な客だけが通されるその部屋に、俺は何度か足を踏み入れていた。
「なんだ、またサービスか?」
「まあ、そんなところ」
エレンは気だるげに答えながら、俺をソファに座らせた。彼女は俺の膝の上に跨がり、メイド服のスカートがふわりと広がる。サメの尻尾がゆらゆらと揺れ、赤い瞳が俺をじっと見つめた。
「お前、最近積極的だな」
「別に。王様が喜ぶなら、それでいい」
「素直じゃねぇな」
「素直じゃないのが私の取り柄」
エレンはそう言いながら、俺の首に腕を回した。彼女の身体からは、ほのかに石鹸の匂いがする。閉店後にシャワーを浴びたのだろう。黒髪がしっとりと濡れていて、毛先の赤い差し色が照明に照らされて艶めいていた。
「キスしていい?」
「王の命令だ」
「命令じゃなくて、お前の意思が聞きたい」
「…したい」
エレンが顔を近づけてきた。彼女の唇が俺の唇に触れる。最初は軽く触れるだけだったが、すぐに深く求めてきた。舌が口の中に入り込み、俺の舌を絡め取る。いつもの気だるげな態度からは想像できないほど、熱くて激しい口づけだった。
「ん…ちゅ…はぁ…」
「エレン…」
「王様…もっとして…」
彼女は俺の制服のボタンを外し始めた。細い指が器用に動き、一つ、また一つとボタンが外れていく。俺も彼女のメイド服の背中のファスナーに手を伸ばした。
「お前、これ脱ぐの面倒じゃねぇのか」
「面倒だけど、お前の前では脱ぐ」
「そりゃどうも」
「でも、自分で脱ぐのも面倒だから、手伝って」
「我が儘だな」
「王様の前だけ」
ファスナーを下ろすと、メイド服がはらりと肩から落ちた。白い肌が露わになり、レースの下着が姿を現す。エレンは少し恥ずかしそうに身体を縮こまらせたが、俺の目をじっと見つめたままだった。
「見すぎ。恥ずかしい」
「王の特権だ」
「ばか」
俺は彼女の身体を抱き寄せ、胸に顔を埋めた。レース越しに柔らかな感触が伝わる。彼女の心臓の鼓動が速くなっているのがわかった。
「緊張してるのか?」
「してない」
「嘘つけ。心臓バクバクだぞ」
「うるさい」
エレンは俺の髪をぐしゃぐしゃに掻き回しながら、顔を真っ赤にした。サメの尻尾がバタバタとソファを叩いている。
「王様、私、お前にだけは特別にしてるんだから」
「わかってる」
「他の客には、こんなことしない」
「当たり前だ。もし他の客にやってたら、王の名において処罰してた」
「…ばか」
エレンは小さく笑いながら、再び俺の唇にキスをした。今度はさっきよりも優しく、でも深く。彼女の舌が俺の口の中をゆっくりと這い回り、唾液が混ざり合う。
「今日は、もっとしてもいい?」
「王の命令だ」
「命令じゃなくて」
「してほしい。俺が、お前にしてほしい」
「…合格」
エレンは満足そうに微笑むと、俺のベルトに手をかけた。その仕草は相変わらず気だるげなのに、指先だけは熱くて、俺の肌を焦がすようだった。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア