サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
家に帰ると、すぐにリビングに全員を集めた。マンモスマンは窓の外から顔を突っ込み、レオーネはビールを手にソファに座り、エレンは布団にくるまりながらも目を開けていた。レイスも配達から戻っており、それぞれの場所でくつろいでいたが、俺の顔を見て表情を変えた。
「ただいま。…いいから、全員こっちに来てくれ」
俺の声のトーンに、全員が反応した。ガーフィールがポテトチップスを置き、マンモスマンが鼻を鳴らす。レイスが翼をすがめるように畳み。
「どうしたんだい、王サマ。そんなに恐い顔して」
レオーネがビールを置いた。
「今日、襲われた。はぐれエクソシストにな」
「はぐれエクソシスト?それがさっき言ってたコンティニューメダルを持ってた連中か?」
ガーフィールが尋ねる。
「ああ。狂った男だった。光の剣を持ってて、俺を殺そうとしてきた。透明化の能力も使ったが、俺の目は誤魔化せない。気絶させて、剣を回収しようとした」
そこで俺は言葉を切り、深く息を吸った。鼻の奥にこびりついた鉄錆と焦げ臭い臭いを、今一度思い出す。
「…だが、剣に手が届く寸前、何かが現れた。目に見えない速さで、男を殺した」
「殺した?気絶してただけじゃねぇのか?」
ガーフィールが目を剥く。
「殺した。それも、一撃でな」
俺は吐き気を堪えながら、見たままを語った。首から上が消失した胴体。焼き切られた切断面。遅れて噴き出した血の奔流。アスファルトを赤く染め上げ、足元にまで及んだ血の海。そして、鉄と肉が焦げた吐き気を催す臭い。
「首がなかった。斬られたんじゃない。消し飛んだんだ。一瞬でだ。俺は王国の駒の結界で防御したが、もし直撃してたら、俺もああなってた」
部屋が静まり返った。レオーネの顔から笑みが消え、エレンが布団を握りしめる。レイスはガタガタと震え出した。
「…それは、物騒な話だねぇ」
レオーネが低く呟く。
「ああ。剣も消えてた。奴が持ち去ったのか、それとも消えたのかはわからない。だが、確かなことが二つある。一つ、コンティニューメダルに関わる奴らは、俺たちの敵だということ。二つ、俺たちの知らない『何か』が、奴らをも敵視しているということだ」
「つまり、三つ巴ってことかい?めんどくさいね」
エレンがぼそりと言う。
「違う。俺たちは当事者だ。コンティニューメダルを破壊するって決めたからな。なら、どいつもこいつも俺の邪魔だ。だが、無闇に突っ込んで虐殺されるわけにはいかない。死んだら王になれないからな」
俺は一同を見渡した。
「これからは、より警戒を強める。特にバイト先だ。敵は日常に潛んでる。油断するな」
「了解だよ、王サマ。アタシのスナックにも、最近怪しい客がついてるからね。気をつけるよ」
レオーネが爪を研ぐように指を擦り合わせる。
「俺様の現場でもだ。妙な気配を感じることがあったぜ。相手が誰であろうと、俺様が守ってやる」
ガーフィールが拳を握る。
「めんどいけど、鋏の手入れもしておく。いざって時に、すぐに戦えるように」
エレンが布団から顔を出し、サメの尻尾を揺らす。
「私は…私は、逃げます!でも、王様が危ない時は、脚を使って知らせに走ります!」
レイスが翼をバタつかせる。
「俺の国は、俺が守る。お前らは、自分の命を守れ。それが王への忠義だ」
俺は宣言した。首なしの死体のイメージが脳裏を離れない。だが、恐怖に屈するわけにはいかない。俺は王になる男だ。どんな惨殺劇が待ち受けていようと、道を切り開く。
翌日から、バイト先の空気は変わった。レオーネは客の目をより鋭く観察し、ガーフィールは現場の異変に即座に反応できる位置をキープした。エレンはメイド服の下に護身用具を隠し持ち、レイスは配達中も周囲の気配を探り続ける。
俺もまた、鷹の視力をフル稼働させながら、日常を歩いた。いつ、あの透明な斬撃が襲ってくるかわからない。剣の閃光が、俺の首を刎ねようとするかもしれない。
血の臭いが、鼻の奥にこびりついたまま消えない。だが、それがかえって研ぎ澄ませる。俺の本能を。王として、生き残るための本能を。
「待ってろよ。お前らの正体も、剣の行方も、全て俺が暴き出す」
俺は路地裏の闇に向かって、誰もいない空間に呟いた。嘲るような風が吹き抜け、俺の頬を撫でた気がした。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア