サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
夜の駒王街を、俺は影のように歩いていた。先日のはぐれエクソシスト惨殺事件以来、俺の警戒レベルは最大値に張り付けっ放しだ。鷹の視力を常時稼働させ、微かな魔力の揺らぎすら見逃さない。王として、不測の事態に備えるのは当然の務めである。
「ん?」
ふと、人気のない公園の入り口付近で、奇妙な気配を感じ取った。それは先日出会った狂ったエクソシストの穢れた気配とも、悪魔のそれとも違う。だが、強烈だ。まるで夜空に煌々と輝くサーチライトのような、純粋すぎて却って目立つ「聖なる気配」であった。
「…何だ、ありゃ」
俺は眉をひそめ、気配の源へと近づいた。ベンチの影に、白いフードを深く被った人物が佇んでいる。ローブのようにも見えるその装いは、この時代、この街には不釣り合いなほど異質であった。だが、俺の目を釘付けにしたのはその服装ではない。
「…剣、か」
白いローブの下から、巨大な剣が覗いていた。さっきの狂人が持っていた光の剣とは違う、物理的な質量と圧迫感を伴う大剣だ。見ようによっては、鉄塊と呼ぶに相応しいそのシルエットは、明らかに人を殺すために作られた代物である。
「おい、そこのお前」
俺は声をかけた。警戒心は解かない。相手が何者であれ、こんな物騒なものを携えて街を徘徊している時点で、まともな人間であるはずがない。
フードの人物が、ビクリと肩を震わせた。ゆっくりとこちらを向く。フードの奥から覗く瞳は、蒼く、鋭かった。だが、敵意というよりは、困惑と警戒が混ざった色をしている。
「…何者だ、お前は。その剣、何のために持ってる?」
俺はジュウオウチェンジャーに手をかけつつ、問いかけた。相手が動けば、即座に変身して迎え撃つ準備はできている。
しかし、返ってきたのは予期せぬ言葉であった。
「…Che cosa? Chi sei tu?」(何だって? お前は誰だ?)
イタリア語だ。それも、かなり訛りの強い。俺は眉をさらにひそめた。言葉が通じない。日本語を話せる気配がない。
「…言葉が通じないか。面倒な奴だ」
俺は舌打ちした。ジェスチャーで伝えるべきか。いや、相手は大剣を持っている。下手に動いて刺激すれば、斬りかかられる危険がある。
「Listen to me. I am not your enemy.」(聞け、俺は敵じゃない)
俺は片手を挙げ、敵意がないことを示そうと、英語で話しかけてみた。だが、相手の反応は鈍い。首を傾げ、何か早口のイタリア語をまくし立て始めた。その剣幕は、焦りと迷いを感じさせた。
「Ascolta, sto cercando… la chiesa… e Excalibur…」(聞いてくれ、私は探している…教会を…そしてエクスカリバーを…)
単語の端々から、「教会」と「エクスカリバー」という言葉が聞き取れた。俺の眉がピクリと動く。エクスカリバー。あの伝説の聖剣か?この男(シルエットからして女性的だが、この剣の扱いから男と錯覚しそうになる)は、教会関係者か?
「Church? Excalibur?」(教会? エクスカリバー?)
俺がその単語を復唱すると、フードの人物は勢いよく頷いた。
「Sì! Sì! Excalibur! Hai visto?」(そう!そう!エクスカリバー!見たか?)
彼女(とりあえずそう呼ぶ)は身振り手振りを交えて、何かを訴えかけてくる。だが、肝心の詳細が伝わらない。彼女は自分の目的を語ろうとしているようだが、俺には断片的な単語しか理解できない。
「…ちっ、コミュニケーション不足は致命的だな」
俺は苛立ちを隠さずに呟いた。王たる者、言葉巧みに人心を掌握するのも仕事だが、言葉が通じない相手を前にしては、万能ではない。このまま押し問答をしていても埒が明かない。
彼女は俺を警戒しつつも、敵対行動には出ていない。むしろ、情報を求めて必死なようだ。だが、その手にある剣が俺を安心させない。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア