※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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未だに分からない増援

俺はジュウオウイーグルの姿で、瓦礫の散らばる廃ビルの屋上に立ち、目の前の男を睨んでいた。男は漆黒の修道服を身にまとい、その手には先ほど狂女が持っていたものとは別のエクスカリバーが握られている。聖剣の輝きは禍々しく脈打ち、男の周囲の空気を歪ませている。先ほどの女と違い、この男は理性を保っている。いや、理性の皮を被った深い業を感じる。笑みすら浮かべているが、その目はギラギラと飢えた獣のようだった。

 

「はぁ…なるほど。噂の獣戦士か。鳥の面を被って、何が楽しいのやら」

 

男はエクスカリバーを肩に担ぎ、余裕の態度で俺を観察する。俺はイーグライザーを構え、舌打ちした。この男、先の狂女より遥かに手強い。さっきから斬撃を何度も見舞っているが、その剣で受け流され、こちらの翼を切り裂かれそうになる場面もあった。

 

「お前のその聖剣、もらうぞ。人を狂わせる呪いの道具など、この街には必要ない」

 

「呪いの道具、か。面白いことを言うではないか。これは神の力の一片。人を救うための聖なる力よ。まあ、お前のような獣に説明しても無駄か」

 

男は笑い、剣を振り上げた。光が収束し、周囲の空気が焦げる。次の一撃が来る、と身構えたその時だった。

 

「待てッ!」

 

若い女の叫び声が響き、二つの影が俺たちの間に割って入った。月明かりに照らされたその姿は、あの夜公園で出会った教会の二人組――白いフードの大剣の女と、ツインテールの少女だった。二人とも戦闘装束に身を包み、それぞれ武器を構えている。

 

「Aspetta! Quella spada appartiene alla Chiesa!」

 

白いフードの女――ゼノヴィアが、異国の言葉で怒鳴った。俺には意味は分からないが、その剣が教会の物だと言っているのは明らかだった。隣のイリナも、同じように異国の言葉でまくし立てる。

 

「Fermati! Non puoi usare Excalibur in questo modo!」

 

二人は俺を警戒しつつも、明らかにエクスカリバーを持つ男へと照準を向けている。俺は眉をひそめた。こいつら、味方なのか敵なのか。だが、共通の敵がいるなら、話は後だ。

 

「お前ら、この男を知っているのか?」

 

俺が問うと、イリナが一瞬俺を見て、日本語で「あなたは!? あの時の…でも今は後です! 私たちは教会の者として、あの男を止めます!」と叫んだ。ゼノヴィアは俺に視線を向け、何か短く呟いたが、やはり理解できない。イリナが再び異国の言葉で何かを返す。どうやらゼノヴィアは俺を「敵か味方か分からないが、今はエクスカリバーを優先する」と判断したようだ。

 

「おやおや、お仲間が増えたか。だが、お前たち如きではこの聖剣は止められんよ」

 

男はケラケラと笑い、エクスカリバーを振り回した。光の斬撃が扇形に広がり、屋上のコンクリートを粉砕する。俺は翼を広げて飛び上がり、ゼノヴィアとイリナはそれぞれ左右に跳んで回避した。

 

「うおっ、危な! ゼノヴィア、大丈夫!?」

 

イリナがゼノヴィアに声をかける。ゼノヴィアは大剣を振り、瓦礫を薙ぎ払いながら、何か短く応じた。イリナがそれを聞いて、俺に「私たち、連携しましょう! あの男が持っているエクスカリバーは、盗まれた物です! 取り返さないと!」と言う。

 

「勝手にしろ。俺はあの剣を破壊する」

 

「壊すって…!? 聖剣を!? 正気ですか!? あれは教会の宝ですよ!」

 

「知るか。この街で暴れられるよりマシだ」

 

俺はイーグライザーを鞭のようにしならせ、男の懐へと一気に肉薄した。男は後退しながらエクスカリバーで受け流す。聖剣とイーグライザーがぶつかり合うたび、火花が散り、神聖と野生の力が反発し合う。

 

「ぐっ…速いな、鳥風情が!」

 

男が舌打ちし、エクスカリバーを突き出す。光の奔流が俺の翼を掠め、数枚の羽根が焼け焦げた。だが、俺は怯まない。空中で体を捻り、急降下からの斬撃を浴びせる。

 

「そこだッ!」

 

イーグライザーの一閃が男の左腕を切り裂く。血が飛び散り、男が苦悶の声を上げた。その隙に、ゼノヴィアが大剣を振り下ろす。ドゴォッという轟音と共に、屋上に亀裂が入る。男は間一髪で後方に跳んだ。

 

「く…おのれ…!」

 

男は血を滴らせながら、エクスカリバーを掲げた。剣が一際強く輝き、周囲の空間が歪む。

 

「させるか!」

 

俺はジュウオウバスターを銃モードで連射した。しかし、光弾が男に届く寸前、男の姿がまるで蜃気楼のように揺らぎ、消えた。

 

「なに!?」

 

次の瞬間、男は屋上の縁に立っていた。既に数十メートルの距離がある。瞬間移動か、それとも高速移動か。俺の鷹の目をもってしても、完全には追えなかった。

 

「今日はこの辺で退散しよう。だが、聖剣は渡さんよ。次の満月の夜に、また会おう」

 

男はそう言い残し、闇の中へと消えていった。イリナが「待って!」と叫ぶが、もう遅い。

 

「くそ…逃がしたか」

 

俺は舌打ちし、瞬時にその場を飛んで去って行った。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
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