サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「おい、今の音、聞こえたか?」
俺は夜の駒王街を歩きながら、足を止めた。木々のざわめきとは異なる、空気が引き裂かれる音。悲鳴にも似た、かすかな爆発音。俺の鷹の視力が、遠くのビル街に立ち上る黒煙を捉えていた。聖剣に関する事件を探る中で、この不穏な夜はまだ終わっていない。
「行くか」
俺は懐からジュウオウチェンジャーを取り出し、構えた。
「本能覚醒!」
赤い光が夜の闇を貫き、俺の身体を包み込む。ワシの翼が背中から展開し、視界が一気にクリアになる。空気の揺らぎ、匂い、音。すべてが王の感覚として脳に流れ込んでくる。
「大空の王者、ジュウオウイーグル!」
俺はビルの谷間を縫うように飛行し、現場へと急行した。着地した先に広がっていたのは、地獄絵図そのものだった。公園の木々は根こそぎ倒れ、地面には無数のクレーターが刻まれている。その中心に、背中から巨大な黒い翼を生やした堕天使が立っていた。
「その姿…ジュウオウジャーか。獣のくせに、よくここまで来たものだ」
男は、俺を見下すように言い放った。身の丈は二メートルを超え、漆黒のローブを身にまとい、手には先の尖った巨大な光の槍が握られている。何より、その身体から発せられる魔力の質が尋常ではなかった。
「…なんだ、この気配は。まるで、デスガリアンの幹部と向き合っているみたいだ」
俺は無意識にイーグライザーの柄を握りしめた。ジューマンワールドで死闘を繰り広げた宇宙の無法者たち。その中でも、幹部クラスの連中は、次元が違う殺気を放っていたものだ。この堕天使は、その時の感覚を呼び起こさせる。
「ほう? ただの獣風情が、我が力の一端を理解したか」
堕天使は、不気味に嘲笑った。
「我が名はコカビエル。堕天使の幹部だ。この聖剣をエクスカリバーと共に、この神の玩具箱など破壊し尽くす」
「コカビエル…堕天使の幹部だって?」
「そうだ。お前たちのような地上の虫けらが、何人集まろうと、この私に触れることすらできん」
コカビエルは、翼を大きく広げ、光の槍を振りかざした。その一挙一動から、逃げ場のないプレッシャーが押し寄せる。デスガリアンの幹部連中も、みんなそうだった。殺意が、形を持って迫ってくる。普通の人間なら、すくんで動けなくなるような威圧感。
「獣は獣らしく、地面に這いつくばっているがいい。この世界は、我ら堕天使が神に変わり、支配するのだからな」
「…上等だ」
俺は、怖気づく心を奥に押し込め、一歩前に踏み出した。翼を広げ、低く構える。王が、敵の脅しごときで退くわけにはいかない。
「お前が神だか何だか知らないが、この街は俺の国だ。お前みたいなのが好き勝手していい場所じゃない」
「ほざけ、獣が」
コカビエルの光の槍が、唸りを上げて飛来する。その速度、その威力。デスガリアンの幹部が放っていた光線を彷彿とさせる一撃だ。俺はとっさに空中へ退避し、紙一重で光の槍を回避した。背後のビルが、その一撃で壁を削り取られ、轟音とともに崩れ落ちる。
「くっ…!」
「避けたか。だが、いつまで持つかな?」
コカビエルは、さらに三本の光の槍を生成し、容赦なく投擲してくる。俺はイーグライザーを振るい、飛来する光の槍を斬り払った。金属が悲鳴を上げる音が響く。腕に痺れが走る。一発一発が、今までの敵とは桁違いの重さだ。
「この程度か。期待していたほどでもないな」
コカビエルは、冷笑を浮かべ、距離を詰めてきた。圧倒的な力の差を、嫌というほど見せつけられる。デスガリアンの幹部と戦った時も、最初はこうだった。力で、速さで、すべてにおいて上回る相手に、どう立ち向かうか。
「…力だけじゃねぇんだよ、王は」
俺は、ジュウオウバスターを抜き放ち、牽制の連射を行った。コカビエルは、翼でそれらを軽々と弾き飛ばすが、俺の狙いは別にある。わずかでも動きを止めればいい。
「仲間と繋がるのさ」
王国の駒が、胸の奥で熱を帯びる。仲間たちの存在を感じる。彼らが力を貸してくれる。俺の国は、一人じゃない。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア