サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
俺は地を蹴った。ゴリラの脚力は鷹の飛翔には及ばない。だが一歩一歩が大地を砕きその衝撃が推進力に変わる。跳ぶのではなく、地面を蹴り砕いて進む。それこそがジュウオウゴリラの戦い方だ。
「来い、堕天使ォ!」
俺は巨腕を振りかぶり、コカビエルへと殴りかかった。風を切り裂く拳の音が轟音となって校庭に響く。コカビエルは翼を広げて後退しようとしたが俺の拳は空気ごと彼を吹き飛ばした。
「がはっ…!?」
コカビエルが地面に叩きつけられる。芝生がめくれ上がり土砂が舞う。俺はその隙を逃さず、追撃の拳を振り下ろした。
「まだまだァ!」
ドガァッ!!
地面が陥没した。コカビエルは間一髪で転がって回避するが、その表情にはもはや余裕のかけらもない。
「なんだ、この馬鹿力は…!」
「馬鹿力で悪かったな。だが、これが俺の力だ」
俺は腰を落とし、両腕を地面に突き立てた。そしてそのまま逆立ちの要領で両脚を振り上げ、回転しながらコカビエルへと襲いかかる。ゴリラの体躯を活かした原始的で暴力的な回転攻撃。それが地面を削り、空気を裂きコカビエルへと迫る。
「ぐおっ…!」
コカビエルが再び吹き飛んだ。だがすぐさま空中で体勢を立て直し、翼を広げる。野郎また空へ逃げる気か。
「飛ばせないといったはずだ!」
俺は腰のイーグライザーを抜き放った。鞭のようにしならせた刃が、空へ逃れようとするコカビエルの脚に絡みつく。
「なにっ!?」
「墜ちろ!」
俺は腕力のすべてを込めてイーグライザーを引き絞った。ゴリラの馬鹿力が、堕天使の巨体を空中から無理矢理引きずり下ろす。コカビエルは為す術なく地面へと激突した。
「ぐぁあっ…!」
コカビエルが地面にめり込む。俺はイーグライザーを収め、再び拳を握りしめた。エクスカリバーを持つ右腕はすでに痺れ光の槍を生み出す余裕もないようだ。好機は今しかない。
「終わりだ、コカビエル」
俺は彼の正面に立ち、巨腕を高々と振り上げた。月明かりが俺の影をコカビエルへと落とす。
「この一撃で、お前の計画もろとも吹き飛ばしてやる」
「ま、待て…! この私が…獣ごときに…!」
「獣だの何だの、もう聞き飽きた」
俺は拳を振り下ろした。だがその瞬間、コカビエルが最後の力を振り絞り光の槍を生成して迎え撃つ。
「喰らえェ!」
「甘ェんだよ!」
俺はその光の槍を拳で真っ向から砕いた。握りつぶすのではなく、殴り砕く。拳と拳。光と力。二つがぶつかり合い勝ったのは俺だった。光の槍は粉々に砕け散り、コカビエルの顔面に俺の拳が突き刺さった。
「ごふっ…!」
「これで、終わりだあああっ!!」
俺はさらにもう一発、腹へと掌底を叩き込んだ。コカビエルの身体がくの字に折れ曲がりそのまま校庭の外れまで吹き飛んでいく。彼は校舎の壁に叩きつけられ、がらがらと崩れる瓦礫の中へと沈んでいった。
「はぁ…はぁ…」
俺は肩で息をしながら、ゆっくりと拳を下ろした。夜の静寂が戻る。コカビエルの魔力の気配がゆっくりと消えていくのがわかった。
「王様!」
レイスが駆け寄ってくる。彼女の翼は泥と汗と血にまみれていたが、その顔は達成感に輝いている。
「よくやった、レイス。お前の風がなかったら俺はあいつの動きに翻弄されていた」
「そ、そんな…私なんて、ただ走ってただけです…」
「それはもう、十分に立派な戦い方だ」
俺がそう言うとレイスは涙ぐみながら何度も頷いた。夜の校庭に、ようやく本当の静けさが訪れる。満月がすべてを見下ろしていた。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア