サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「来るぞ!」
アザゼルの叫びが広間に響き渡った。
天井を砕いた穴の向こうから無数の目が俺たちを見下ろしている。赤、青、黄、緑。混ざり合った光点がゆっくりと近づいてくる。全体像は見えない。見えるのは、氷山の先端だけ。だがそれだけで背筋が凍る。
「あんなのと戦うのか…」
エレンが呟いた。声が震えている。気だるげな普段の口調はどこにもない。だが鮫の戦士は逃げなかった。足を踏ん張り、震えながらも前を見ている。
「二人共。行けるか」
「いつでもでござる!」
「…やるしか、ないですね」
二人の返事。十分だ。
俺は腰のジュウオウチェンジャーに手を伸ばした。指先が、三つのボタンに触れる。赤青、紫。三色の光が、掌の中で脈動している。
「三体、召喚する!」
「「「ジュウオウチェンジャー!」」」
三人の声が重なった。
チェンジャーの画面が、一斉に輝いた。
空が、割れた。
* * *
『キューブイーグル!』
「1」の数字が刻まれた巨大な赤い立方体が、天井の破壊された穴の向こうから降ってくる。高速回転しながら落下するそれは、空中で静止したかと思うと光の膜を纏って変形を開始した。
赤い立方体の表面が展開し翼が生える。鋭い嘴が形成され、尾羽が伸びる。巨大な鷹。ワシの姿だ。赤いメタリックな装甲に包まれた、鋼の猛禽。
『キューブシャーク!』
「2」の数字を持つ青い立方体が、床下から飛び出した。石床を突き破って出現する。それは空中で回転し、鮫の形へと変わる。鋭い牙。流線型の体。青い装甲に包まれた、鋼の海獣。尾びれが空気を裂く。
『キューブフォックス!』
「13」の数字を刻んだ紫の立方体が、俺たちの背後から現れた。ユキカゼのチェンジャーから放たれた光が、それを包み込む。立方体は弾けるように変形し、狐の姿を現した。大きな耳。長い尻尾。しなやかな四肢。紫の装甲に包まれた、鋼の霊獣。
三体の巨大獣が、広間に君臨した。
赤い鷹が空を舞う。青い鮫が床を疾走する。紫の狐が円を描いて走る。
三体は巨大な敵の周囲を、まるで衛星のように旋回した。敵の無数の目が、三体の動きを追う。だが追いきれない。三体はそれぞれの速度で、それぞれの軌道で敵を翻弄している。
「今だ!」
俺の声が、三体に届く。
「動物合体!」
* * *
ジュウオウチェンジャーが、一斉に音声を発した。
『イーグル!』
『シャーク!』
『フォックス!』
三つの声が順番に響く。合体の号令だ。
三体の巨大獣が、空中で軌道を変えた。
最初に、紫の狐が敵の足元へ滑り込む。キューブフォックスが、再び立方体を基調とした形態へ変形を開始した。四本の脚が展開し、腰のパーツが形成される。巨大な紫の立方体が、敵の足元で二つの脚となった。
その上へ、青い鮫が降下する。キューブシャークが立方体形態へ戻りながら、狐の上へ接続される。鮫の胴体部分が腰部のパーツへと変形した。青い装甲が、紫の脚部の上で噛み合う。
最後に、赤い鷹が急降下する。キューブイーグルが立方体形態を経て、胴体と両腕を形成する。赤い翼が腕へ鋭い嘴が胸部の意匠へ、尾羽が背部の装甲へと変化していく。
三つの立方体が、縦一列に積み重なるように結合した。
フォックスが最下部で両脚を形成。
シャークがその上で腰部を形成。
イーグルが最上部で胴体と左右の腕を展開する。
完全に接続された瞬間、頭頂部へビッグキングソードが差し込まれた。
ソードを軸に、内部機構が回転を始める。キューブ状だった頭部が、ゆっくりと展開していく。立方体の角が折り畳まれ、中から顔が現れる。赤い意匠の猛禽の顔。ジュウオウキングの顔だ。
合体完了と同時にチェンジャーが叫んだ。
『13! 2! 1! ジュウオウキング!』
* * *
「!」
完成した姿を見て、俺は息を呑んだ。
ジュウオウキング。
赤を中心に、青と紫の巨大な立方体を積み重ねたような独特の体型。上半身と両腕はキューブイーグル。腰はキューブシャーク。下半身と両脚はキューブフォックス。それぞれの意匠が、はっきりと残っている。
胸部にはワシを思わせる赤い意匠。各部には元となったキューブの数字と色が刻まれている。フォックスの脚部には「13」。シャークの腰部には「2」。イーグルの腕部には「1」。
最後に、頭部からキングソードを引き抜く。
巨大な剣が、右手に収まった。逆手持ち。切っ先が床を向いている。
「これは…」
誰かが呟いた。リアス・グレモリーだった。紅い瞳が、目の前の巨人を見上げている。三大勢力の代表たちも、側近たちも全員が呆然としていた。
天使長ミカエルが、静かに言った。
「これが、ジューマンの力…」
「ああ」
俺は答えた。ジュウオウキングの操縦席の中で。
「これが、俺たちの力だ」
天井の穴の向こうで無数の目が、巨体が動き出した。
逆手持ちの巨大な剣が蝋燭の消えた暗闇の中で、鈍い光を放った。
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア