※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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ジューマンの象徴

「来るぞ!」

 

アザゼルの叫びが広間に響き渡った。

 

天井を砕いた穴の向こうから無数の目が俺たちを見下ろしている。赤、青、黄、緑。混ざり合った光点がゆっくりと近づいてくる。全体像は見えない。見えるのは、氷山の先端だけ。だがそれだけで背筋が凍る。

 

「あんなのと戦うのか…」

 

エレンが呟いた。声が震えている。気だるげな普段の口調はどこにもない。だが鮫の戦士は逃げなかった。足を踏ん張り、震えながらも前を見ている。

 

「二人共。行けるか」

 

「いつでもでござる!」

 

「…やるしか、ないですね」

 

二人の返事。十分だ。

 

俺は腰のジュウオウチェンジャーに手を伸ばした。指先が、三つのボタンに触れる。赤青、紫。三色の光が、掌の中で脈動している。

 

「三体、召喚する!」

 

「「「ジュウオウチェンジャー!」」」

 

三人の声が重なった。

 

チェンジャーの画面が、一斉に輝いた。

 

空が、割れた。

 

*  *  *

 

『キューブイーグル!』

 

「1」の数字が刻まれた巨大な赤い立方体が、天井の破壊された穴の向こうから降ってくる。高速回転しながら落下するそれは、空中で静止したかと思うと光の膜を纏って変形を開始した。

 

赤い立方体の表面が展開し翼が生える。鋭い嘴が形成され、尾羽が伸びる。巨大な鷹。ワシの姿だ。赤いメタリックな装甲に包まれた、鋼の猛禽。

 

『キューブシャーク!』

 

「2」の数字を持つ青い立方体が、床下から飛び出した。石床を突き破って出現する。それは空中で回転し、鮫の形へと変わる。鋭い牙。流線型の体。青い装甲に包まれた、鋼の海獣。尾びれが空気を裂く。

 

『キューブフォックス!』

 

「13」の数字を刻んだ紫の立方体が、俺たちの背後から現れた。ユキカゼのチェンジャーから放たれた光が、それを包み込む。立方体は弾けるように変形し、狐の姿を現した。大きな耳。長い尻尾。しなやかな四肢。紫の装甲に包まれた、鋼の霊獣。

 

三体の巨大獣が、広間に君臨した。

 

赤い鷹が空を舞う。青い鮫が床を疾走する。紫の狐が円を描いて走る。

 

三体は巨大な敵の周囲を、まるで衛星のように旋回した。敵の無数の目が、三体の動きを追う。だが追いきれない。三体はそれぞれの速度で、それぞれの軌道で敵を翻弄している。

 

「今だ!」

 

俺の声が、三体に届く。

 

「動物合体!」

 

*  *  *

 

ジュウオウチェンジャーが、一斉に音声を発した。

 

『イーグル!』

 

『シャーク!』

 

『フォックス!』

 

三つの声が順番に響く。合体の号令だ。

 

三体の巨大獣が、空中で軌道を変えた。

 

最初に、紫の狐が敵の足元へ滑り込む。キューブフォックスが、再び立方体を基調とした形態へ変形を開始した。四本の脚が展開し、腰のパーツが形成される。巨大な紫の立方体が、敵の足元で二つの脚となった。

 

その上へ、青い鮫が降下する。キューブシャークが立方体形態へ戻りながら、狐の上へ接続される。鮫の胴体部分が腰部のパーツへと変形した。青い装甲が、紫の脚部の上で噛み合う。

 

最後に、赤い鷹が急降下する。キューブイーグルが立方体形態を経て、胴体と両腕を形成する。赤い翼が腕へ鋭い嘴が胸部の意匠へ、尾羽が背部の装甲へと変化していく。

 

三つの立方体が、縦一列に積み重なるように結合した。

 

フォックスが最下部で両脚を形成。

 

シャークがその上で腰部を形成。

 

イーグルが最上部で胴体と左右の腕を展開する。

 

完全に接続された瞬間、頭頂部へビッグキングソードが差し込まれた。

 

ソードを軸に、内部機構が回転を始める。キューブ状だった頭部が、ゆっくりと展開していく。立方体の角が折り畳まれ、中から顔が現れる。赤い意匠の猛禽の顔。ジュウオウキングの顔だ。

 

合体完了と同時にチェンジャーが叫んだ。

 

『13! 2! 1! ジュウオウキング!』

 

*  *  *

 

「!」

 

完成した姿を見て、俺は息を呑んだ。

 

ジュウオウキング。

 

赤を中心に、青と紫の巨大な立方体を積み重ねたような独特の体型。上半身と両腕はキューブイーグル。腰はキューブシャーク。下半身と両脚はキューブフォックス。それぞれの意匠が、はっきりと残っている。

 

胸部にはワシを思わせる赤い意匠。各部には元となったキューブの数字と色が刻まれている。フォックスの脚部には「13」。シャークの腰部には「2」。イーグルの腕部には「1」。

 

最後に、頭部からキングソードを引き抜く。

 

巨大な剣が、右手に収まった。逆手持ち。切っ先が床を向いている。

 

「これは…」

 

誰かが呟いた。リアス・グレモリーだった。紅い瞳が、目の前の巨人を見上げている。三大勢力の代表たちも、側近たちも全員が呆然としていた。

 

天使長ミカエルが、静かに言った。

 

「これが、ジューマンの力…」

 

「ああ」

 

俺は答えた。ジュウオウキングの操縦席の中で。

 

「これが、俺たちの力だ」

 

天井の穴の向こうで無数の目が、巨体が動き出した。

 

逆手持ちの巨大な剣が蝋燭の消えた暗闇の中で、鈍い光を放った。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
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