サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
歩いた。
どのくらい歩いただろう。森の中を。紫の霧の中を。黒歌の背中を追って。
「おい、まだか」
「まだよ」
「もう三十分は歩いてるぞ」
「冥界の三十分なんてあっという間でしょ」
「人間の三十分は長いんだよ」
「じゃあ猫の三十分はもっと長いわよ。気まぐれに歩くから」
「気まぐれに歩くな。案内役だろ」
「案内してるわよ。ただ気まぐれに」
「気まぐれはいらん」
黒歌はくすくす笑いながら歩く。着物の袖が揺れる。黒髪が背中を流れる。歩く姿すら猫だ。しなやかで、音がない。
俺の後ろで全員が警戒しながらついてきている。ユキカゼの耳が絶えず動いている。エレンの尻尾がピンと張られたまま。レオーネが周囲を constantly 索敵している。マンモスマンの鼻が休むことなく動いている。ガーフィールが牙を隠さない。レイスが翼を少し広げたまま歩いている。絶花が刀に手を添えたまま。シンジが一番後ろで、でもついてきている。
「黒歌」
「何?」
「そろそろ目的地を教えろ。俺の家臣が疲れてる」
「家臣? あの子たちのこと?」
黒歌が振り返った。半分だけ。肩越しに。黄色い目が俺たち一行をゆっくりと眺める。
「変わった人間たちね。耳の生えた子もいれば、尻尾の子もいるし。巨大なのもいるし小さいのもいるし」
「仲間だ」
「仲間。そういうことにしておきましょうか」
「そういうことにしておくじゃない。仲間だ」
「ふふ。仲間ね。王様の仲間。そういうことにするわ」
「お前は俺の仲間を気に入ってないのか」
「別に。興味があるだけよ」
黒歌の目がユキカゼに止まった。
「その子。狐の子。可愛いわね」
「…ありがとうでござる」
ユキカゼが少しだけ俯いた。褒められ慣れていない。尻尾が微かに揺れる。
「耳がぴくぴくして可愛い。撫でていい?」
「撫でないでござる!」
「つれないわねえ」
「太郎さん以外に耳を撫でさせる気はないでござる!」
俺かよ。まあいい。
黒歌は次にマンモスマンを見た。見上げた。かなり上を。
「この子は…大きいわね」
「マンモスマンだ」
「マンモス。なるほどね。鼻が長い」
「触るな」
マンモスマンが低く言った。
「触ってないわよ。まだ」
「触るなと言った。オレの鼻は触らせる相手を選ぶ」
「選ぶの? 誰ならいいの?」
「ボスだけだ」
俺を指差した。いや、お前の鼻を触った記憶はないが。
「じゃあ王様に触らせてもらえばいいわね」
「ボスが触る理由がない」
「ないわね。確かに」
黒歌はくすくす笑った。笑いながら歩く。
* * *
「で、何なんだよ」
俺は耐えきれずに聞いた。
「何が?」
「俺たちを呼んだ理由だ。冥界に来いと言った。案内すると言った。だが理由をまだ言ってない」
「言ったでしょ。ついて来れば分かるって」
「ついて来た。まだ分からない」
「もう少しなの」
「もう少しってどのくらいだ」
「もう少しのもう少し」
「意味不明だ」
「意味はあるわよ。ただまだ言えないだけ」
「なぜ言えない」
「私にも事情があるの。事情っていうのは、簡単に説明できないものなのよ」
黒歌の声が少しだけ変わった。ふざけた調子が薄くなり、
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア