※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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悪戯の王者

新たなジュウオウキングとなると同時に、俺は既に構えていた。

 

一番上の、俺が乗っていたキューブイーグルによる視力強化。ユキカゼが乗っているキューブフォックスによる俊敏な動きと忍者を思わせる能力。そして今回合わさった新たな能力として、柚葉の乗るキューブラクーンの能力も合わさっている。

 

「にひひっ、それじゃぁ悪戯タイムだねぇ」

 

隣にいる柚葉の言葉を合図に、クラーケンとの戦いが再開される。

 

クラーケンの触手が真っ直ぐジュウオウキングに襲い掛かる。だが、触手が当たる前にポンっと煙と共に消えてしまう。代わりに当たったのは、ぐちゃりとした海藻。

 

「悪戯成功!」

 

「忍者の能力での悪戯ってなぁ……」

 

思わずツッコミが漏れる。だってそうだろ。今、ジュウオウキングがやったのは完全に手品か何かだ。フォックスとラクーンの能力が合わさると、どうやら幻術寄りの忍術が使えるらしい。

 

クラーケンが怒りに唸り、今度は複数の触手を同時に突き出してくる。ズドン、ズドンと海面を叩く衝撃波。だが俺たちの機体は、触手が届く寸前でふわりと姿を消した。

 

「にひひっ、こっちだよぉ」

 

柚葉の声が反対側から響く。クラーケンが振り返ると、そこには巨大な風船が。触手が風船を貫いた瞬間、パァンと破裂して大量の紙吹雪が舞う。

 

「……完全に子供のイタズラだな」

 

「それがいいんじゃない? 悪戯って」

 

ユキカゼの冷静なツッコミに、柚葉が得意げに笑う。視力強化でクラーケンの動きを捉えながら、俺は苦笑するしかない。巨大ロボットでこれだ。絵面がシュールすぎる。

 

クラーケンがさらに暴れる。今度は墨のような黒い液体を吐き出してきた。視界を遮るつもりか。しかし。

 

「見えてるよ」

 

視力強化のおかげで、墨の中でもクラーケンの輪郭がくっきりと浮かび上がる。俺は素早く次の手を指示した。

 

「ユキカゼ、右!」

 

「了解」

 

ジュウオウキングが右に滑るように移動すると、さっきまでいた場所を墨が覆う。間一髪。だがクラーケンはまだ諦めない。墨を散らしながら、怒涛の勢いで迫ってくる。

 

「次はこっちの番だねぇ」

 

柚葉がにやりと笑う。するとジュウオウキングの手から、小さな花火のようなものが飛び出した。クラーケンの頭上で炸裂し、カラフルな光と煙が広がる。

 

「目くらましかよ!」

 

思わず叫ぶと同時に、クラーケンがのたうち回り始めた。触手を振り回し、自分の墨を撒き散らしている。完全に混乱状態だ。

 

「今のうちに」

 

ユキカゼの声に応じて、俺は最後の仕上げをイメージする。ジュウオウキングが両手を構え、刃のような光が集まっていく。

 

「ジュウオウキング、必殺!」

 

斬撃が一直線に走り、クラーケンを貫く。爆発と共に、巨大な怪物は海へと沈んでいった。

 

「悪戯タイム、終了っと」

 

柚葉が満足げに伸びをする。巨大ロボットの中でそんな仕草をするな、というツッコミは飲み込んだ。なんだかんだで、強力なコンビネーションだったからだ。

 

戦いが終わり、静かになった海を見下ろしながら、俺は小さく息を吐く。

 

「……にしても、忍術で悪戯とか、発想がすごいな」

 

「ふふっ、楽しんだ者が勝つって言うでしょ?」

 

柚葉の言葉に、ユキカゼが小さく頷く。

 

「確かに。だが次はもう少し真面目な戦い方でもいいと思うが」

 

「えー、つまんないの」

 

二人のやり取りを聞きながら、俺は苦笑する。だが、心のどこかで確信していた。こいつらと一緒なら、どんな戦いでも乗り越えられる、と。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
  • エミリア
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