サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
新たなジュウオウキングとなると同時に、俺は既に構えていた。
一番上の、俺が乗っていたキューブイーグルによる視力強化。ユキカゼが乗っているキューブフォックスによる俊敏な動きと忍者を思わせる能力。そして今回合わさった新たな能力として、柚葉の乗るキューブラクーンの能力も合わさっている。
「にひひっ、それじゃぁ悪戯タイムだねぇ」
隣にいる柚葉の言葉を合図に、クラーケンとの戦いが再開される。
クラーケンの触手が真っ直ぐジュウオウキングに襲い掛かる。だが、触手が当たる前にポンっと煙と共に消えてしまう。代わりに当たったのは、ぐちゃりとした海藻。
「悪戯成功!」
「忍者の能力での悪戯ってなぁ……」
思わずツッコミが漏れる。だってそうだろ。今、ジュウオウキングがやったのは完全に手品か何かだ。フォックスとラクーンの能力が合わさると、どうやら幻術寄りの忍術が使えるらしい。
クラーケンが怒りに唸り、今度は複数の触手を同時に突き出してくる。ズドン、ズドンと海面を叩く衝撃波。だが俺たちの機体は、触手が届く寸前でふわりと姿を消した。
「にひひっ、こっちだよぉ」
柚葉の声が反対側から響く。クラーケンが振り返ると、そこには巨大な風船が。触手が風船を貫いた瞬間、パァンと破裂して大量の紙吹雪が舞う。
「……完全に子供のイタズラだな」
「それがいいんじゃない? 悪戯って」
ユキカゼの冷静なツッコミに、柚葉が得意げに笑う。視力強化でクラーケンの動きを捉えながら、俺は苦笑するしかない。巨大ロボットでこれだ。絵面がシュールすぎる。
クラーケンがさらに暴れる。今度は墨のような黒い液体を吐き出してきた。視界を遮るつもりか。しかし。
「見えてるよ」
視力強化のおかげで、墨の中でもクラーケンの輪郭がくっきりと浮かび上がる。俺は素早く次の手を指示した。
「ユキカゼ、右!」
「了解」
ジュウオウキングが右に滑るように移動すると、さっきまでいた場所を墨が覆う。間一髪。だがクラーケンはまだ諦めない。墨を散らしながら、怒涛の勢いで迫ってくる。
「次はこっちの番だねぇ」
柚葉がにやりと笑う。するとジュウオウキングの手から、小さな花火のようなものが飛び出した。クラーケンの頭上で炸裂し、カラフルな光と煙が広がる。
「目くらましかよ!」
思わず叫ぶと同時に、クラーケンがのたうち回り始めた。触手を振り回し、自分の墨を撒き散らしている。完全に混乱状態だ。
「今のうちに」
ユキカゼの声に応じて、俺は最後の仕上げをイメージする。ジュウオウキングが両手を構え、刃のような光が集まっていく。
「ジュウオウキング、必殺!」
斬撃が一直線に走り、クラーケンを貫く。爆発と共に、巨大な怪物は海へと沈んでいった。
「悪戯タイム、終了っと」
柚葉が満足げに伸びをする。巨大ロボットの中でそんな仕草をするな、というツッコミは飲み込んだ。なんだかんだで、強力なコンビネーションだったからだ。
戦いが終わり、静かになった海を見下ろしながら、俺は小さく息を吐く。
「……にしても、忍術で悪戯とか、発想がすごいな」
「ふふっ、楽しんだ者が勝つって言うでしょ?」
柚葉の言葉に、ユキカゼが小さく頷く。
「確かに。だが次はもう少し真面目な戦い方でもいいと思うが」
「えー、つまんないの」
二人のやり取りを聞きながら、俺は苦笑する。だが、心のどこかで確信していた。こいつらと一緒なら、どんな戦いでも乗り越えられる、と。
女王は誰にする?
-
アルファ
-
ララ·サタリン·デビルーク
-
エミリア