サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
「ぐあああっ!」
轟音とともに地響きが起こる。
俺は咄嗟に手を伸ばした。その刹那―
ゴゴゴゴ……ッ!!
虚空から黒い閃光が迸る。現れたのは禍々しい漆黒の装甲腕。それはゲランダの巨岩のような腕を受け止めていた。
「なっ……!」
俺達よりも巨大な腕は、ゲランダの攻撃を受け止め、そして跳ね返した。
奇妙な光景だった。
空中には、アーマード・ダークネスの腕と、その腕が掴んでいる剣だけが浮かんでいる。
そして、その腕は俺の動きに連動しているようだった。
「これがっ」
俺の腕に憑依した漆黒の装甲が唸りを上げる。ゲランダの腐汁を浴びた瞬間、装甲表面が紫に輝き蒸気を噴き上げた。化学反応だ。嫌な臭いが鼻を突く。
「クソッ……」
巨漢の腐敗怪獣は醜く歪んだ顔を歪め、咆哮と共に再度襲いかかる。その巨腕が風切り音を立てて迫る──刹那!
ドゴォン!!
漆黒の装甲腕が爆音と共に炸裂した。空間を歪ませる衝撃波が走り、ゲランダの巨体が宙を舞う。まるでゴミ袋みたいに軽々と。
「効いてるな……!」
俺は息を荒げながら前進する。
アーマード・ダークネスの装甲が全身に広がろうとするのを感じる。これを止めるのが精一杯だった。だが今は武器として利用するしかない。
「もう逃げんな!」
怒号と共に漆黒の刃を閃かせる。紫色のオーラが刀身から迸る。まるで腐敗を食らう闇のようだ。刃が空気を裂くたびに周囲の温度が数度下がる。
シュッ!ザザッ!
剣閃が舞う。ゲランダの外殻が粉砕される乾いた音が響く。
それと共に、俺は真っ直ぐと構える。
「絶花の動きを、思い出してっ!」
それと共に、一撃で。ゲランダの脳天を刺す。
腐敗した体液が噴き出す感触。生暖かい感触が肌を濡らす。それはまるで汚れた布を顔に投げつけられたみたいで吐き気がこみ上げる。けど同時に……
快感が全身を貫いた。
脳髄が痺れるようなゾクゾク感。アドレナリンが迸る。背徳の喜びだ。腐敗を滅ぼす事への陶酔。これは病気によるものなのか、
漆黒の装甲が剥がれ落ちる。まるで生き物のように蠢きながら。
「……うぐっ!」
装甲が溶けた皮膚が露出する。腐汁に触れた部位が爛れ、紫の血管が浮き上がる。アーマード・ダークネスの侵食は止められない。それが力の源泉だと分かっていても恐ろしい。
「また……また奪われた」
指先から手の甲までが黒曜石の如く硬化している。太郎が鏡を見るたびに増える痣。皮膚の下で蠢く金属繊維。腐臭が鼻腔に絡みつく。吐き気を催す匂いなのに嗅ぎ慣れていく自分が嫌だった。
「何が……正しいんだよ……!」
ゲランダは倒せた。街を守れた。しかし得るものなどない。むしろ失うばかりだ。人間らしさも。太郎という名に込められた意味も。全てが漆黒に呑まれていく。
『フン……未熟者め』
脳裏で嗤う声。エンペラ星人の残留思念だ。
『貴様の迷いなど取るに足らぬ。力を求めよ。闇を享受せよ』
「黙れ!」
咆哮と共に装甲が再び隆起する。背中の装甲が翼のように広がり、夜空を覆う。
「こんなの俺じゃない!」
皮膚を突き破る金属繊維の感触。骨まで浸食されていると感じる。これが力なのだ。アーマード・ダークネスの祝福。あるいは呪い。
「あ……ああぁ……ッ!」
視界が真っ暗になりかけた瞬間。
「・・・しっかりしろ」
「っ」
それと共に、俺の頬を叩く。
見つめた先には。
「猫猫」
「まったく、命の恩人なのに、何をやっているんだ」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア