※この作品はR-18です。

サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏)   作:ボルメテウスさん

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炎の巨人

「キリエロイドって、なんだよ」

 

「・・・昔、私がこの土地で戦った相手です。その怨念のような存在であり、奴らは人類を支配すると」

 

そうウィズが言っている間に襲い掛かる。

 

右腕のアーマード・ダークネスが唸りを上げる。黒曜石のような装甲が筋肉に張りつき、刃は深紅の炎を帯びていた。

 

「キリエルに仇なす者は許さん!」

 

キリエロイドが吼えた。赤黒い炎に包まれた肉体が一瞬で霧散し、次の瞬間俺の背後に現れた。鋭利な爪が風を切り裂く。

 

「遅い!」

 

鎧の右腕が自動的に反応。鋼鉄の盾が火花を散らしながら爪撃を受け止めた。

 

「ぐっ!」

 

衝撃が骨髄まで響く。エンペラ星人の血が沸騰する。痛覚が麻痺し、代わりに興奮が血管を駆け巡った。

 

「もっと来いよ」

 

挑発の言葉にキリエロイドの顔が歪む。

 

「下等種族が……!」

 

猛禽類のような動きで距離を詰めてくる。獄炎弾が雨のように降り注ぐ。アーマード・ダークネスが熱を吸収するが、視界が歪むほどの熱量だ。

 

「チッ」

 

左腕で顔を庇いながら剣を横薙ぎに振る。刃が空気を切断する。その隙を突いて接近戦に持ち込む。

 

「オラァッ!」

 

刃がキリエロイドの腹部に食い込んだ。紫の血液が噴き出す。だが浅い。

 

「貴様ごときの武器が届くと思うな!」

 

キリエロイドの拳が鎧の隙間を的確に狙ってきた。肋骨が軋む音。

 

「くそっ……!」

 

口から血が滴る。痛みと共に全身が熱く滾っていく。エンペラ星人の血が戦いを悦ぶ。皮膚の下で装甲が蠢く感触。

 

「もっと……もっとやれ」

 

意識が朦朧としてくる。このままでは血に飲み込まれる。だが止まらない。

 

「面白い奴だ」

 

キリエロイドが嗤う。その声音に異質な快楽が混じっている。

 

「ならば我が炎で焼き尽くしてくれよう!」

 

巨大な獄炎がキリエロイドの全身を包み込む。炎の巨人と化した敵が迫る。

 

「クソッタレ……」

 

鎧が過負荷状態に警告を発する。右腕から蒸気が噴き出す。

 

灼熱の嵐が眼前に迫る。キリエロイドの炎が視界を焦がす中、背後から冷たい声が響いた。

 

「カースド・クリスタルプリズン」

 

空気が凍る。ウィズの詠唱と共にキリエロイドを取り囲む幾筋もの光条。それが水晶のごとき透明な檻となって怪物を閉じ込めた。氷の牢獄に閉じ込められた炎の化身は苦悶の咆哮を上げる。

 

「ぬ……くっ! 女狐がっ!」

 

獄炎が暴れるが氷壁は厚い。パキパキと軋む音が戦場に響く。

 

チャンスだ。

 

俺のアーマード・ダークネスが震える。右腕の漆黒鎧が蠢き、刃が血を求めるように熱を帯びた。

 

「終わりだ」

 

大地を蹴る。加速する瞬間、左脇腹の傷が疼く。エンペラ星人の血が快楽物質を分泌する。痛みが快感に変わる異常な感覚。

 

刃が檻を貫いた。氷柱と炎の破片が舞う。キリエロイドの肉体を縦断する剣戟。肉と炎が切り裂かれる感触が手のひらから全身へ伝わる。エンペラ星人の血が歓喜の声を上げるようだ。

 

「ぐがァッ!」

 

キリエロイドの断末魔。赤黒い血液が噴き出し、炎が勢いを失っていく。氷の檻が砕け散る。バラバラになった破片が月光に煌めく。

 

「ふぅ……」

 

安堵の息を吐こうとした瞬間──

 

「大丈夫ですか」

 

「いや、これはその」

 

そうしながら、俺の右腕を見たウィズは。

 

「ここから感じるのは、一体」

 

そう、アーマード・ダークネスを見つめる。

女王は誰にする?

  • アルファ
  • ララ·サタリン·デビルーク
  • エミリア
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