サムライガールの幼馴染みは王様を目指す(裏) 作:ボルメテウスさん
未だに知らない世界。
その世界からの脅威を知った。
「・・・三大勢力とか、宇宙人だけでも大変なのに」
ため息を付いてしまう。
確かに地球の事を考えれば仕方ないとは思うが。
「あんまり色々やって来るなら、やり方を考えなければ行けない」
俺はそう呟く。
だが、その時俺に降りかかる脅威。
それを理解していない。
殺気。
それを感じた以上、俺は警戒する。
「誰だ」
俺に向けられた刃。
その持ち主の名は。
「あなたが太郎ね」
その言葉と共に、俺の前に降り立つ女性。鋭い眼光が俺を射抜く。
その身に纏っているのは、ピンク色のボディスーツだが、それ以上にその腕から生えている刃。
俺は無意識に左手を握り締める。エンペラ星人の血が蠢き始める感覚が掌を通して伝わってきた。
「自己紹介の必要はないわ。甲河アスカ……闇の勢力にとっては死神みたいなものよ」
低い声。抑揚のない口調。だが瞳の奥には燃えるような憎悪が見える。
「闇の勢力って、言われてもなぁ」
「まぁ、どちらでも関係ないわ、今は。あなたの殺気に満ちた魔力を感じるからここで討伐するのが私の仕事だから」
アスカの右手が僅かに動いた。瞬間、周囲の空気が一変する。
(風が……)
肌を撫でる微風が渦を巻き始めた。砂塵が竜巻のように舞い上がり、視界を遮る。
「飛燕(ひえん)」
呟くような声と共に、アスカの姿が消失した。
「っ!」
反射的に跳躍する。コンクリートの地面が弾ける音と共に彼女の刃が空を切る。もし一秒でも遅れていれば確実に脚を切断されていた。
「逃がさない」
背後から迫る風切り音。俺は地面を蹴って横跳びし、壁を蹴り返す。三次元的な回避運動。しかしアスカはまるで影のようにぴったり追従してくる。
彼女が腕を振るたびに鎌状の対魔ブレードが弧を描き、空気を削ぎ落とす。風の刃が肌を掠める度に寒気が背筋を走る。
(速すぎる)
人間の動体視力では捕捉不能の域だ。
今、エンペラ星人の血による力がなければ、俺はすでに死んでいただろう。
だがここで全力を解放すれば……間違いなく彼女を殺してしまう。
それが怖い。
だから制御するしかない。
「面白いわね。こんなに長く持った人間は初めてよ」
アスカが冷笑を浮かべながら距離を取る。だがその目は冷酷さを増す一方だ。
「あなたは普通の人間じゃない。体内に何か……特別なものを宿している。それが何であれ、闇の勢力に加担するなら容赦はしない」
「勘違いしないでくれ。俺はただ平穏に生きたいだけだ」
「嘘をつくな」
風神の術が加速する。風の密度が増し、圧縮された空気の刃が四方八方から襲いかかってくる。そのすべてが俺の急所を狙っている。
「くそっ」
俺はエンペラ星人の血の力を開放して防御壁を作り出す。漆黒のエネルギーが体の周囲に渦巻き、風の刃を弾き返す。
「・・・」
アスカが興味深そうな表情を見せる。
「その力……どこから得たものだ。闇の眷属としては強すぎる。まさか……」
彼女が次の術式を組み上げる気配を感じる。空気が震え、空間が歪み始める。
「空陣……」
周囲の景色が捻じれ、不可視の通路が形成される。
「逃げても無駄よ」
「待て!」
俺の制止の声は届かない。彼女の姿が風と共に消え去る。
残されたのは静寂と、地面に刻まれた複雑な傷痕だけだ。
エンペラ星人の血の鼓動が未だに激しく鳴り響く。
これからどうするべきか。
「ふう……」
俺は重い息を吐いた。
風が止む。
アスカの周囲だけ時間が歪んでいるかのように空気が淀んでいた。
彼女の右手に握られた対魔ブレードが月光を受けて冷たく煌めいている。ピンク色のボディスーツは埃一つ付いていないが、全身から放たれる殺気が肌を粟立たせた。まるで研ぎ澄まされた刀のように鋭い眼差しが俺を射抜く。
「まだ抵抗する気ですか」
低く静かな声。
それだけで背筋が凍りつきそうになる。
俺は膝をついたまま震える手で地面を押す。立ち上がろうとするが下半身に力が入らない。さっきの攻防で右大腿部に深い裂傷ができていた。熱く鉄臭い液体がズボンを染めていく。
「反撃しなくていいんですか」
アスカが一歩近づく。
革靴のヒールがコンクリートを叩く音が残酷なまでに鮮明に響く。
「さっきの戦闘でも私のことを殺せたはずです。でもあなたはやらなかった」
「……」
俺は唇を噛む。
確かに最初の攻撃で彼女を致命傷に追いやることができた。エンペラ星人の血がそう囁いていた。だが理性がそれを拒んだ。未知の力に飲み込まれる恐怖と、人を殺すことへの忌避感が勝ったのだ。
「どういうつもりなんですか」
アスカの声に微かな苛立ちが混じる。
彼女にとって俺は明らかな脅威のはずだ。だが俺の中にある何かが彼女の判断を鈍らせているように感じられる。
「なぜ、反撃しないの。さっきの戦闘でも、こちらを殺せたのに」
「そっちが俺を殺そうとする理由は正当だ。けれど、俺も死ぬ訳にはいかないから」
アスカの瞳が僅かに揺れる。
そこには純粋な疑問と微かな躊躇いが見えた。俺を討伐することは当然のことなのに躊躇う自分がいることに彼女自身戸惑っているようだ。
「闇の勢力は皆殺しにすべきです。特にあなたのような中途半端な存在は害悪以外の何物でもありません」
「……確かにそうかもしれないな」
俺は苦笑いを浮かべる。
エンペラ星人の血によって強大な力を得た代償は大きい。人間としての自我が少しずつ蝕まれていく感覚がある。いつか完全に取り込まれてしまえば自分は怪物と化すだろう。
「でも俺にはまだやるべきことがある」
絶花の笑顔。
猫猫の冷静な眼差し。
彼らと交わした約束を果たすまでは死ねない。
「家族がいるんですね」
アスカの口調が少し柔らかくなる。
忍者という職業柄だろうか、彼女もまた誰かのために戦う宿命を背負っているのかもしれない。
「だったら尚更殺すべきです。闇の力に染まったあなたと一緒にいれば彼らも危険に晒されます」
「分かってる……けど……」
言葉が詰まる。
その通りだ。俺が近くにいることで仲間たちが危険にさらされることを一番恐れている。だからこそエンペラ星人の血を抑え込もうと必死になっているのだが上手くいかない。
アスカが眉を寄せた。太郎の苦悩する表情に微かな同情を覚えつつも任務遂行の意思は揺らがない。
「……分かったわ」
静かに告げるアスカの右手が対魔ブレードを握りしめる。刃が月光を吸い込んで紫がかった漆黒に輝いた。
「ならば苦痛の少ない方法で葬ってあげましょう」
ブレードを高く掲げた瞬間──
ズズンッ!
俺の傷口からどす黒い靄が噴き出した。それは蜘蛛の糸のようにアスカへと伸びる。
「っ!これは」
それと共に、アスカの様子が変わっていた。
「何を」
すると、アスカは俺に近づく。
「これは、一体っ」
それと共にアスカの頬が赤くなっているのが分かる。
「大丈夫か」
その様子を不審に思いながらもアスカの心配をする
だが、近づくアスカ。そのスピードはまるで獣のように素早い。
その速度から俺は反応できない。
「っ」
ブレードが俺の首を捉える瞬間。
「くっ」
俺は咄嗟に避けるがそのせいでバランスを崩し地面に転がる。それにより俺は体制を立て直すために起き上がる事すら出来なかった。
「ふんっ」
アスカはそれを見て余裕の笑みを浮かべる。
だがその表情は次第に焦りへと変わっていく。
「はぁはぁっ」
その様子を見て俺は不審に思う。
「お前っ、様子がおかしいぞ」
俺は警戒しながらも問いかける。
だが、アスカの様子はおかしい。
その呼吸も乱れつつある。
「っ」
アスカはそれを聞いて否定したいが否定が出来ていない。
明らかに様子がおかしい。
「はぁはぁ♡」
女王は誰にする?
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アルファ
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ララ·サタリン·デビルーク
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エミリア