ようこそクズカスのヤリチン至上主義の教室へ 作:ホメロス
夏だ。
夏休みだ。
俺は今、船の上に居る。
豪華客船ってやつだ。
そう、遂に無人島試験が始まったのだ。
そこへ向かう最中が今の時間だ。
退院してからは大きな事件はなかった、俺は次の標的と狙っている櫛田や佐倉などの様子を伺いつつ、色々と仕込みをして過ごす日々だった。
(原作通りのイベント。やっぱり、教師を味方に引き込めたのは大きいなー。いちいち裏取りをする労力がなくせる)
茶柱佐枝。
俺が3番目に堕とした雌奴隷だ。
本人にそこまでの意識があるかは不明だが、ヤリチンのスキルによって俺は確信している。
あの女は既に俺の手の中であると言うことを。
(調教は……うまくいったな)
さて、ゲームにおいては「性的嗜好」という隠しステータスが存在する。
そのキャラの性的な願望ともいえるものだ。
このステータスはキャラによってある程度の傾向はあるとは言え、基本的にはランダムで振り分けられている。
「性的嗜好」に合致した性的行為には色々とバフがかかり、逆に「性的嗜好」と合致しない――それどころか反する性的行為の場合は好感度にまで影響を与え、最悪関係が破綻してしまう可能性もある重要なステータスだ。
それ故に相手の「性的嗜好」を如何にキチンと把握するかが攻略の鍵となってくるわけだが……実のところ「性的嗜好」は後天的に変更することが可能だったりする。
いや、正確にいえばその表現は正しくないか。
変更というよりも「性的嗜好」を上から塗り潰す――というのが正しいのかもしれない。
まあ、その辺のことはともかくとしてだ。
要するに生来のものではない「性的嗜好」を植え付けることが可能ということだ。
効率で考えると「性的嗜好」を解明して、それを利用した方が楽ではあるのだが……。
単に身体を開発するだけの調教ならともかく、「性的嗜好」を塗り潰すとなるとそれなりに手間もかかる。
(けど、そこら辺の仕様も試しておきたかった。堕とそうって相手の「性的嗜好」が「加虐願望」とかだったら……困るしな)
サド系は少し困る。
ゲームならともかく、俺個人の性的な嗜好はどっちかというとこっちが主導権を握っていたいタイプだ。
(前に真澄に攻めてもらった時はよかったけど……まあ、あくまで偶にだからいいんだよな。味変の一つというか)
俺にとってはそっち系は趣味ではないので、やはり「性的嗜好」の塗りつぶしに関しては後々のことも考えて調べておく必要があった。
それに。
(「性的嗜好」の塗りつぶしに成功するとスキルが貰えるんだよなー。「性の調教師」ってやつ)
性技レベルがあり、調教作業が楽になる系統のスキルだ。
今後のことを考えると是非とも欲しい。
だからこそ、俺は茶柱をマゾ奴隷に仕立て上げるために徹底的に調教した。
身体を開発する調教ではない、専属奴隷にするために元の性癖なんてどうでもいい――被虐願望こそが今の彼女の性的嗜好であると塗りつぶした。
その結果、茶柱は従順になった。
本人的にはまだ反抗しているつもりなのだろうが。
(いや、アレはわざとなのか? まあ、ちょっとぐらい反抗的なのは好みだし)
年上の、しかも教師という立場の女。
その反抗を抑えこみ、屈服させ、従わせるのはなんとも得難い快楽がある。
どうしたって同級生の女子では出せない色気、属性を持っている。
そう言った意味で茶柱のことはそれなりに気に入っていた。
女教師という属性はレア属性なのだ。
(茶柱を抑えた以上、勝手に綾小路を刺激することはない。少しは安心できる。これで心置きなく無人島試験に参加できるってもんだ)
無人島試験――それ自体は別にどうでもいい。
通常プレイならともかく、ヤリチンプレイをする俺にとって重要なのは特別試験云々ではなく、男女がしばらくの間、一緒の空間に居ることが出来るということだ。
(面倒な学校側の監視もエローズの助けを借りて解除できている。その分、高く付いたが……)
無人島試験において、腕時計で学校側から位置情報を把握されてしまう制限がかけられるが、それはあらかじめ高いプライベートポイントを支払うことで解除可能だ。
コツコツと動画やらなんやらを売って貯蓄していたポイントがなくなってしまったが、行動の自由を得るためなら仕方ない。
これで少なくとも俺は無人島試験中の行動を学校側に悟られる心配は無くなった。
そして、一週間の間、島の中には同学年の女子と共に過ごすことになる。
(使った分……きっちりと回収しないとな)
本来、一週間の無人島サバイバルなんてうんざりするような試験のはずだが、俺としては楽しみで仕方ない。
楽しみすぎてまだ到着もしていないというのに、チンポがバキバキに硬くなっていくのを感じる。
「んっ、ぐっ♡ また大きく……変なこと考えてるでしょ?」
「ははっ、真澄にしゃぶって貰ってるんだ。そりゃ、元気にならないと嘘ってもんだぜ」
「……ばーか。んぅっ、ちゅっ♡ はぁ……♡ ほんと、バカみたいに大きくして♡」
豪華客船のとある人気の無い通路。
そこで俺は神室との逢瀬を楽しんでいた。
今後のことについての相談のために呼び出したのだが、ムラムラしてきたのでしゃぶって貰っている。
彼女に頼んだときのジトッとした目つきがたまらない。
その後、特に文句も言わずに壁を背に立つ俺に対して跪いて愛情たっぷりのフェラをすることを含めて神室は最高の女だ。
「それで……無人島試験だっけ? これからあるの……ちゅっ、れろっ♡」
「そっ、無人島でサバイバルをすることになる」
「んっ、ふぅっ……リゾートって聞いたんだけどね」
「まあ、この学校はそういうことをする学校だ。諦めることだな」
「……そんな情報をどこから」
「佐枝ちゃんから聞いた」
「佐枝ちゃん……ってもしかして、Dクラスの? 呆れた。この悪いチンポ使ったのね」
「おいおい、普通に仲良くなって機密情報を教えてくれたって可能性を考えないのか?」
「ヤリチンのクズが美人の女教師から、本来教えてはいけないであろう情報を貰ってるって状況証拠だけで十分でしょ」
「ひでー言われようだな。まあ、ベッドの上では可愛かったぜ?」
「ほんと、サイテーなクズね」
神室の俺への評価に思わず苦笑いが出てしまった。
大体が事実、強いて言えば無人島試験云々に関してはただの原作知識なぐらいで普通に手を出しているのは真実なので何ともいえない。
「結構、お堅そうな女の人だったのにあんたのチンポ相手じゃダメだったみたいね♡」
教師に手を出したという事実を知ったというのに神室は特に驚いた様子は見せなかった。
むしろ、教師である茶柱ですら屈服させたと言う事実にどこか陶然とした様子で俺のチンポをしゃぶっている。
「んぅっ、ちゅっ♡ それで? 性欲だけが取り柄のヤリチンが、一週間の無人島サバイバルなんてまともにやるつもり無いわよね? 私に何かさせる気?」
「酷い言われようだな。まあ、まともに試験なんてする気はないけど。とはいえ、真澄にして貰うことはないかな。どうせ今回の試験、Aクラスは葛城が指揮することになる。坂柳が来てないからな」
「まあ、そうでしょうね。そうなると一応、坂柳派の私が動く余地はあんまり……んっ、んっ♡」
「ああ、だから大人しくしておけ。どうせ橋本あたりが坂柳の意向に従って葛城を追い落とすために動く、それを見ていればいいさ」
「んっ、ふぅ♡ わかった……でも、一週間か」
「我慢できなくなったら俺のところに来な、可愛がってやるからよ」
「……バーカ、クズ」
「青姦ってのも偶にはいいだろ?」
「そんな暇あるの?」
「あん?」
「春日のことだからどうせこの機会に新しく女を食おうって考えてるんでしょ? 違う?」
唾液まみれになった俺のチンポを優しくあやすように扱きながら、神室は上目遣いで問いかけてきた。
どうやらバレバレだったらしい。
「まーな。よくわかってるじゃん」
「ヤリチンクズの考えなんて分かり易すぎだっての。……ちゅっ、ちゅっ♡」
「まあ、でもそれでも真澄の分の時間は作るぜ? お前の身体を思う存分、抱きたいしな」
「っ♡ ばーか♡」
恥ずかしそうに視線をそらした神室の頭を撫でた。
口では悪態をつきながらチンポをさする手つきは優しく、頭を撫でる手を振り払おうともしない。
そんな従順な神室の様子にチンポが更に硬くなった。
自分の物になっていると実感すればするほど、愛おしくそして性欲がわいていくる。
「……っと、そういえば坂柳で思い出したが例の件は上手くいっているのか?」
「ん」
ふと思い出し、尋ねると神室は携帯端末を渡してきた。
「動画があるわ」
「へー、どれどれ……くはっ、これはこれは♪」
それは神室の部屋の中を映していた。
隠し撮りなのだろう、その中に映っている坂柳は録画されていることなど意識した様子もなかった。
というか、彼女からすればそれどころではないだろう。
画面の中の坂柳と神室は並んでソファーに座り、テレビの画面を眺めていた。
そこで流れている映像は――――
『あっ、あのあの……ま、真澄さん?』
『なによ、あんたの命令でしょ? 九頭のやつを誘惑してやれって』
『そ、それは確かに言いましたが』
『だから、ほらこうやって……。男なんてキスしてやればイチコロよ。チャラ男みたいな雰囲気の癖に案外可愛いわよね』
『え、えっと……』
俺とのキスシーンだ。
隠し撮りという体裁を装って二人で撮影したものだ。
神室が主導権を握り、俺の口を貪っているシーンが赤裸々に映っていた。
その映像を恥ずかしげも無くテレビの画面に映し、それを眺めている神室。
その横で坂柳は恥ずかしそうに微妙に視線をそらしつつも、テレビから流れてくる舌を絡める音、リップ音に反応してチラチラと画面に視線を向けていた。
『その……こ、ここまでしなくても……』
『坂柳がしろって言ったんでしょうが』
『私はここまでしろとは』
『別にキスするぐらい普通じゃない? ……ああ、案外おこちゃまなのね』
『なっ!? そ、そんなことは……っ!』
『なら、ちゃんと見なさいよ。私だって恥ずかしい思いをして撮影したのよ? どこかの誰かさんは口で説明しても納得しそうにないから、証拠が必要だなって思って』
『うぐっ』
天才少女もさすがにエロ関係では無力なのだろう、坂柳は居心地が悪そうに今すぐにでもその場から離れたそうにしていたが、神室の言葉に言いくるめられて動けないようだった。
「ははっ、酷いな真澄。こんなこと言われたら、プライドの高い坂柳は逃げれないじゃないか」
「ふふっ、いい気味よ。普段から偉そうに」
結構、ストレスを溜め込んでいたらしい。
俺の命令であえて弱みを掴ませて下っ端になっただけだからな、いちいち命令してくる坂柳は鬱陶しくてたまらないのだろう。
(プライドの高い坂柳がおこちゃまなんて馬鹿にされれば逃げること何て出来ない。それに真澄は指示に従っただけ。その証拠となるものを恥ずかしい思いをして撮ってきたと言っているんだ、少なくとも最後まで見る義務は出てくる)
恥ずかしいからもう見たくない、とはプライドの高い天才少女には口に出せないだろう。
ついでに言えば神室にはエローズで購入したアロマを渡している。
それほど強力なものじゃないが、エロいことへの欲求や興味を引き上げるものだ。
当然のように彼女はこの上映会をする前に焚いていたのだろう、坂柳はその影響を受けているせいもあり大人しくこの上映会が終わるまで耐えることにしたらしい。
(坂柳ほどの天才相手だとアイテムの存在に気づきかねないからな。あまり強力なのは使えない)
坂柳有栖は他のキャラと違って立場が特殊だ。
親が理事長というのもあり、下手に尻尾を掴まれると反撃に出ることが可能であり、そもそも相手のAIレベルが高すぎて下手な策謀を仕掛けてもあっさりと気づいてくるという高難易度キャラ。
(けど、エロ関係はガードがちょっと低いんだよな。策謀が通りやすくなる。それに敵に対しては警戒度が高くても味方からの……しかも、自身が下僕と認識している相手には警戒心が低い。慢心癖があるというか、自分が一度従えた相手に足元を掬われるなんてあり得ない――みたいに高をくくっているところがあるというか)
坂柳をエロ展開に持ち込みたいのなら、先にAクラスの女キャラを堕として配下に送り込むのが楽な手だ。
真正面から持ち込むのはかなり難易度が高い。
まあ、身体デバフがあるのでレイプ展開に持ち込むのは難しくはないのだが……心は強いし、身体が弱すぎて過激なことをし過ぎるとうっかり死にかねないため、一回では堕としきるのは難しく、その後の反撃で普通に詰みかねないのであまりお勧めはしない。
(つまりはこの方法がベストってわけだ)
見れば好き勝手に実況する神室の横で坂柳はもじもじと太腿を擦り合わせていた。
羞恥心によるものか、あるいは空気に当てられたからか。
神室はそんな彼女の様子にあえて気づいていないふりをしながら、喋り続けている。
『あとはそうね。胸とかを触らせてやったわ』
『む、胸を……ですか? 男の人に』
『男ってバカだからね。こうしてやると簡単なものよ』
『へ、へぇ……』
『坂柳に命じられた籠絡は順調に進んでいる……ってこと。わかった?』
『そうみたい……ですね』
『私にかかればバカな男なんて――』
(……まあ、坂柳のやつをいい感じで煽るため、追い詰めるための言葉ってのはわかるんだけどさ。だいぶ言いたい放題だよな)
いつもの女王様っぷりはどこへやら、と言わんばかりに借りてきた猫状態になった坂柳を、虐めるのが楽しくなってきたのだろう。
カチンコチンになってソファーに座っている彼女に、色々と吹き込んでいる神室だったが……。
「私にかかれば……なんだって?」
「そう怒らなくてもいいでしょ。春日に言われたとおりにやったのよ?」
「そりゃ、そうだけどさ」
あくまで演技とわかっていても得意げに俺を語る神室の姿を見ていると、ムクムクとした感情がわき上がってくる。
「でも、まあ……アレね。どうしてもって言うなら……調子に乗って喋っている雌にはお仕置きが必要だと思わない?♡」
俺の誘うように、神室は大きく口を開けた。
はしたない程に大きく、口内をこっちに見せつけるようにしてぬらぬらとした気持ちよさそうな舌を蠢かす。
「はっ、全く……ドスケベに育ってくれて嬉しいぜ」
ずろろろっ♡ どちゅん♡
「う、ごっ……!♡」
「よしよし、飲み込めたな。前は嘔吐いていたのにな」
神室のアピールを受け取った俺は問答無用で彼女の頭をがっしりと掴むと、無遠慮にチンポを大きく開いた彼女の口の中に突っ込んだ。
長く太い俺のチンポが彼女の小さい口の中に飲み込まれ、生暖かい喉内に包まれる。
膣内とは別の感触、だが性器と称していいほどに神室の喉内は俺に気持ちよさを与えてくれた。
ずぼっ、じゅぶっ♡ ずるるっ、ずちゅっ♡ どちゅっ♡
「うおっ、ぇ♡ んぐっ♡ れろっ♡ じゅぶっ♡」
その気持ちよさに耽溺せず、俺はそのまま腰を動かし始めた。
神室の頭を押さえつけたまま、腰を動かし好き勝手に彼女の喉内を蹂躙する。
そこに神室への配慮などはない。
一方的な彼女の口を、喉を、オナホと見立てて使用する自分本位の自慰に近い行為。
所謂、イラマチオと呼ばれるものだ。
ろくに経験も無い相手にやれば拷問と変わらない、なにせ異物を喉に入れられて動かされるのだから、普通に考えて息苦しいだけの行為。
だが、最初に堕とした女として開発され尽くした神室は違う。
既に喉だけでもイケるぐらいにまで開発された彼女の身体、そして何度も咥えさせられた経験……神室は確かに感じていた。
どちゅっ♡ どちゅん♡ ずぶっ、じゅぶぶっ♡
「うぐっ♡ んっ、んんっ♡ ぅ、おっ♡ ごっ♡ んあっ♡」
「っ、いいぞ真澄……最高だ。そろそろ出そうだ」
そういうと射精の瞬間を待ちわびるかのように、舌を動かし、喉を締め付け、俺のチンポに性感を与えてくる。
イラマチオの息苦しさで涙目になりながらも、トロンとした瞳でこちらを見上げる神室はとてつもなくセクシーだ。
興奮の最後の一押しとなり、俺はたまらず性を吐き出した。
どびゅるるっ!♡ どくんっ、どくどくっ!♡ どくっ!!♡
「んぐぅうううっ♡ んっ、んんっ♡ んぁっ♡ ごくごくっ♡」
押し込んだチンポの先から吐き出された精液は、神室の喉の奥に直接流し込まれていった。
朝早いこともあり、結構な量が一気に射精できてしまったが彼女は手慣れた様子でそれを飲んでいく。
一滴足りとも吐き戻すことなく、少し硬さを失った俺のチンポを引き抜く際は舌で残りを絡め取り、最後にチンポの先に吸い付いて中に残った分も吸い出すことを忘れない――そんな熟練の技。
そして、最後に全てを飲んだことを報告するかのように神室は再度大きく口を開いて見せた。
「よくできました」
「……んっ♡」
ポンポンッと頭を撫でてやると神室は軽く身体を震わせた。
それだけでイラマチオという行為と精液の味に発情した彼女は、そんな刺激だけで軽く絶頂してしまったようだ。
いつもなら、更に続けたいところだがさすがに船の中は生徒も多いためリスクが高い。
それに今後の予定もある。
仕方なく、俺は服装を整え始めた。
「さて、それじゃあ俺はもう行くわ。今はまだ大っぴらに俺と真澄は会えないからな」
「んっ、わかった」
「無人島では待ってるぜ?」
「……ばか♡ あっ、そうだ。ちょっと思いついたことがあるんだけど」
去り際にそう口にすると神室はとある悪巧みを俺に告げた。
「おいおい、そりゃ……」
「上手くいけそうなのを見繕えると思うんだけど?」
「はは、最高だな」
俺は彼女の提案に思わず笑いながら、それで進めるようにと頼むのだった。
――――
「九頭くん!」
神室と別れた後、俺は櫛田の元へと向かった。
クラスの人気者、そして今ではリーダー的なポジションに登り詰めた彼女は色々と忙しい身、早々時間を作れないはずだが話があると呼び出せばこうしてあっさりと時間を作ってくれた。
自惚れでなければ、それは俺――九頭春日、だからだろう。
(あー、結構いっぱいいっぱいって感じだな。随分とたまっているというべきか……)
ストーカーを捕まえた後、俺はそのまま櫛田と仲を深めるという選択肢があった。
元から好感度や信頼も稼いでいたし、ストーカーを脅迫者として認識していた彼女からすれば、そのストーカーを排除してくれた俺はヒーローに近い存在だろう。
頭を悩ませる存在が居なくなったのを契機に、一気に仲を深める――というのは難しい話ではなかった。
だが、俺はあえてその選択肢を取らなかった。
それは何故か。
(真っ当に仲を深めるとあとで面倒くさいんだよな。櫛田ってハーレムには否定的なタイプだし)
単純に櫛田だけを攻略、恋人になることを目的にするのならそれでもいいのだが生憎と今の俺……九頭春日が進めているのはヤリチンルート、たくさんの女を作るルートだ。
このルートを進めるにあたり、気をつけなければならないのが俺の女となったやつらの衝突だ。
俺には従順でも、自分以外の女の存在は気に入らない――所謂、ハーレム否定派系の女性キャラというのがいる。
櫛田はその典型的なタイプだ。
独占欲が強いというか、自分に自信があるからこそ自分だけを見ていて欲しい……みたいな。
ついでに言えば櫛田は敵だと認識した相手を排除しようとすることに抵抗がないため、うっかりと櫛田を攻略しつつ他の女性キャラにまで手を出そうとすると勝手に排除しようと動き出すのだ。
別名、ハーレムクラッシャーの櫛田の名は伊達ではない。
ハーレムルートを成し遂げようとして櫛田に崩壊させられたプレイヤーが何人居たことか。
(それを回避するには明確に櫛田には俺の下になって貰わないとな)
真っ当に関係を深めて対等な関係を築くのではダメなのだ、櫛田の方から俺を求めさせる――それが大前提。
(ヤリチンルートをやるにあたって愛人とかセフレはともかく、恋人ポジとかはいらないんだよな……面倒だし)
控えめに言って最低なことを考えている自覚はあるが、それが事実だった。
「それにしても本当に試験なんてあるのかな……」
「なんだよ、疑ってるのか?」
「そんなことはないけど」
「上級生が話しているところを偶々聞いたんだよ。この時期はいつも試験があるらしい。CPが大きく動く特別試験ってのがさ」
「特別試験……そうだよね。クラス間でCPを競わせたいなら、普通のテストだけじゃ不十分だろうし。そう言った試験は必要となるよね」
「下位クラスが大きく差を縮めることが出来るチャンスがないのなら、競わせるというシステム自体があまり意味を為さないからな」
「それで無人島試験……だっけ? サバイバルかー。うまくやれるかな」
「櫛田なら大丈夫だって、俺も協力するからさ。俺と櫛田の仲だろう?」
「九頭くん……」
無人島試験の情報をあらかじめ彼女に伝えることで自分の有用性をアピールしつつ、俺は櫛田の様子を伺う。
何気ないただの会話の最中、彼女が微妙に身体を揺すっていることに気づいた。
そして、どこか顔を赤らめていることも。
(櫛田のやつ、焦れているな……。まあ、そりゃそうだろうな。あれだけ身体を開発してやったんだ。自分でする程度じゃ、満足できなくなっているはず)
脅迫者に脅されて、という体裁でたっぷりと俺が時間をかけて開発した櫛田の身体は、俺から定期的に与えられていた快楽が急になくなり溜っている状態のはずだ。
精神的にも事件解決以降、少し距離を取られているのも効いているはず。
(あれだけのことをやっておいて、あっさりと距離をただの友人レベルにまで戻されたらな……プライドの高い櫛田にとって平静では居られないはずだ)
感情的にも身体的にもじっくりと今の櫛田は追い詰められている。
ストレス発散も兼ねた性欲の解消も、俺の助けがない以上十分に発揮できない。
(かといって櫛田の性格的に他に男を作るなんて、天地が逆さまになってもできるわけがない)
つまり、あとは切っ掛けだけ。
重要なのはそれだけだ。
俺は無人島の到着を心待ちにしながら、櫛田との会話を楽しむのだった。