※この作品はR-18です。

ワカメの呪いw   作:キューブケーキ

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Day 2 ルートC

 遠坂凛は死んだ魚のような目で校門をくぐった。

 目の下には、くっきりとした隈。

 制服はきちんとしているのに、どこか歩き方がふらついている。

 その足取りには、明確な寝てない人のリズムが刻まれていた。

 

(……なんで寝れないのよ……)

 

 昨晩、何度寝返りを打っても、

 枕を抱いても、羊を数えても、膣の奥がふにゃっと疼いて――

 

(……っ!! ちがっ、ちがう、考えるなっ! 馬鹿! 私の馬鹿!!)

 

 登校一発目。ブツブツ呟きながら靴箱に近づくと、凛の歩みが止まった。

 なぜなら、そこに立っていたのが、間桐慎二、あのワカメだったからだ。

 しかも仁王立ち。

 

「……どいて。殺すわよ」

 

 凛の声に温度はなかった。

 それは呪詛の詠唱と変わらない。魔術師の怒気は時に物理法則さえ捻じ曲げる。

 

「ちょ、待てって! 昨日はありがとな、遠坂!」

 

 慎二の声はどこまでも軽い。

 軽薄という言葉を人の形にしたら、たぶんこういう音になるのだろう。

 

「……一歩でも近づいたらその股間にガンドぶちこむわよ」

 

 呪文はすでに口の中で形成されていた。右手が、詠唱の形を描きかけていた。

 それを押しとどめたのは――

 

「なぁ、わかるよ。初めてのが俺なんて、運命感じるよな?」

 

 ――言葉じゃなかった。もはや暴力だった。

 次の瞬間、音が空気を切り裂く。

 返事より早く、凛の右手が慎二の頬に炸裂した。

 それは精緻な構築魔術よりも速く、正確で、そして容赦がなかった。

 

「……ちょ、いてっ……! なにすんだよ!」

「お前が喋ったからだ!!!」

 

 怒声の余韻に、ほんの一瞬だけ、下駄箱エリアが静まり返った。

 だが稟には分かっていた。

 自分の声が震えていたのは、怒りだけじゃない。

 羞恥と混乱と、そして昨日、あの行為の最中に見せた、わずかな快楽の名残。

 そのすべてが、今朝の彼女を揺らがせている。

 慎二はというと、頬をさすりながらつぶやいた。

 

「強がりは止せよ。……ぶっちゃけ、今日もいけそうだよな。遠坂、昨日はいい反応してたし……」

「どこのラブコメよそれ。しかも私、記憶から削除済みだから」

 

 すでに脳内では慎二の記憶領域を焼却炉に放り込んだ凛。

 だが本人はそれに気づかず、あろうことか身を乗り出してきた。

 

「何だその目つき。なあ、毎日は無理でもさ、せめて火・木・土くらいは定期的にさ……ほら、排泄みたいなもんだし?」

「せめて健康管理って言い換えろや変態」

「そうそう。理解したか。じゃあ姉妹当番制ってのは?」

 

 その顔は、ただ抜かれる快感に酔う男のそれだった。

 

「今この場で私に貴方をぶん殴らせてくれるなら、ギリギリ許す」

 

 ──ああ、バカだ。何でこんなのに情けをかけたんだ、私は。

 

 もう一発いきそうな勢いで拳を振りかぶったところ、後ろからきた桜が、涼しい顔で間に入った。

 

「……あ、桜ー! ちょっと、来ちゃダメ! 今ここ、疫病神ゾーンだから!」

 

「えっ、兄さんの体調が悪いって聞いて……!」

 

 そして、桜は言う。

 

「……兄さん、体調はいかがですか? 今朝も、あの症状……?」

「ああ。ぶっちゃけもう、パンッパン。張りすぎて痛ぇ。下手すりゃ破裂する」

 

 桜は、ポーチの中身、――冷却ジェルと清拭用タオル、口腔ケアアイテム――を確認しながら言った。

 

「分かりました。では姉さん、今日の処置について、相談しましょうね。昼休みの処置は姉さん。放課後は私が担当でどうでしょう」

 

 それは、まるで当たり前の業務分担のようだった。

 でもそれは、日常に侵食した異常の最たるもので。静かに、でも確実に準備を進めていく。

 

「やる気満々過ぎいぃぃぃ!!」

 

 稟の叫びは、もはや悲鳴に近かった。

 凛はずるりと目元を押さえた。

 間違いない。この学校の生徒のIQ平均を下げているのは間桐家の兄妹だ。

 

「おー、じゃあ今日は姉妹で介護プレイってことで。俺、精も魂もぶちまける覚悟できてるからさ」

「死んでしまえ」

 

 凛はすでに三回くらいこのセリフを言った気がした。

 その横で桜は鞄から小さなスケジュール帳を開いている。

 

「……あの、姉さん。私、月・水・金は部活で遅くなるんですけど、火・木・土は空いてます。姉さん、日曜ご都合どうですか?」

「勝手に当番制組むな!」

「じゃあ、週ごと交代でも……?」

「選択肢がどっちが介護するかしかないのやめて!!」

 

 そのとき、慎二がふっと遠くを見るような目になって言った。

 

「桜って、ちゃんと術後のケアまでしてくれるんだよな……冷やしタオルとか、飴とか」

「それ、医療じゃなくて性病後の話じゃないの?」

 

 結局――

 その日の終わりには、凛はスケジュール帳を手渡され、月・木・日が姉当番として記されていた。

 戦いではない。敗北だ。完膚なきまでの論理崩壊。

 

「……で、でも……お互い……変なとこで死なれたら困るし……」

 稟がそう言いうと、桜も続ける。

「姉さんも……嫌ですよね、職員室とか……トイレとかで死なれるの」

 

 姉妹は、互いにしょうがないという空気で同意し、

 慎二はにこにこしながら「じゃあ教室に帰ろうか!」と満面の笑みで手を振っていた。

 

 この物語に、英雄はいない。

 あるのは、ただひたすらに射精しないと死ぬ男と、なぜかそのスケジュール管理を始めた姉妹だけである。

 心の叫びを押し殺して、凛は踵を鳴らしながら教室へ向かった。

 この呪いは、抜かねば死ぬ。そして姉妹はそれを管理することを選んだ。 

 魔術の世に生きる者が抱えるには、あまりに現実的すぎる依存と奉仕の話。

 ――こうして放課後には、また二人に抜かれる準備を整えていた。

 

 

 遠坂凛の朝は、2年A組の教室から始まる。

 スカートの皺を整え、椅子を静かに引く。ギィという音が妙に大きく響いた。ノートを取り出す。筆記用具は整然と並ぶ。ふう、と一息。額を指で押さえて、形だけの深呼吸をする。

 

 ――よし、今日も私は完璧。

 

 そんな独り言すら脳内でしか再生されない。誰にも聞かせないからこそ言える強がりだ。

 窓の外ではいつもの景色。グラウンドの端の桜はまだ蕾だ。けれどその枝の先端には、ほんのわずかに色づいた兆しがあった。

 変わらない風景。でも、それでも季節は巡っている。

 自身はといえば、巡るどころか、一歩も進んでいない気がする。

 魔術師であること。遠坂家の当主であること。

 それを背負って、今日も凛は優等生でいなければならない。

 教科書を開く。目は文字を追っている。でも、意識は別のところにある。

 もし、誰も見ていなかったら。

 もし、誰も期待していなかったら。

 凛は、もっと違う自分でいられただろうか。

 机に頬杖をつく。窓から差し込む光が、手の甲を白く染めていく。

 爪はきちんと磨いてある。指先に力を入れると、かすかに関節が軋む。

 この身体は、まだ戦える。

 けれどこの心は、何と戦っているのだろう。

 チャイムが鳴った。

 日常が始まる。仮面をかぶる時間だ。

 遠坂凛は、何事もなかったかのように、すっと背筋を伸ばす。

 そして今日もまた、完璧な遠坂凛を演じる。

 

 

 

 

 夕暮れ時の校舎裏は、音が溜まる場所だった。

 水の流れも、鳥の羽音も、通り過ぎる風さえも、すべてがこの狭い一角にとどまり、静寂を濃くする。

 その一角に、三人の影があった。

 遠坂凛。間桐慎二。そして間桐桜。

 ――処置を行うには、ここが最適だった。

 

「やっべー、また来た。ぶっちゃけ今朝から張りっぱなしでさあ。死ぬかもしれない」

 

 張り詰めた下半身。ズボンの布地越しでも、その膨張具合は尋常ではなかった。

 

「さっさと成仏しろ」

 

 ばっさり。ためらいなし。

 が、慎二は全然こたえていない。むしろ誇らしげに大きな根っこを取り出す。

 その瞬間、空気の質が変わった。

 そこに現れた慎二の大きな根っこは、まるで魔術的圧力を帯びた魔石のように赤黒く、膨れ、うねり、脈打っていた。

 

「遠坂、もうヤバい……張りすぎて、ちょっと動くだけで爆発しそう……」

「はぁ……なんで私が、こんな抜かないと死ぬ呪いの管理任されてんのよ……」

 

 凛は観念したようにため息をついた。

 

「……じゃ、始めるわよ。時間もないし、ちゃっちゃと終わらせるから」

 

 そう言って凛はスカートの裾をひるがえし、しゃがみ込んだ。

 その動きに、慎二の呼吸が浅くなるのが分かる。

 桜は冷静だった。ポーチからタオルと消毒液、潤滑用のジェルを取り出す。

 必要なのは感情ではない。手順と管理、衛生と安全。それが当番制を維持する最低限の条件だった。

 凛の吐息が震える。

 それは恐怖ではない。羞恥でもない。

 いや、そのどちらでもあるが――もっと根深い、現実の異常が、日常になっていくことへの困惑だった。

 凛の指先が、透明なジェルをすくい取り、

 慎二の大きな根っこをそっと包み込む。

 慎二の全身が震え、背筋が反る。

 唇が勝手に笑みに歪むのが、桜の視界に入った。

 その顔を桜は見なかった。

 凛が顔を近づける。

 唇が、大きな根っこの先端に触れる。その瞬間、介護が始まった。

 舌が尿道の縦溝をなぞり、唇がゆっくりと先端を吸い込む。

 慎二は呻いた。

 桜の手が、タマタマをやさしく包み、体温を調整するように掌を添える。

 口と指。吸引と支え。

 姉妹による連携は、最初の処置とは思えないほど滑らかだった。

 慎二の下腹が跳ねる。

 白濁が、遠坂凛の喉奥へと奔流のように押し寄せる。

 それを、凛は喉を鳴らして飲み干した。

 桜はタオルを差し出し、慎二の呼吸が整うまで、お袋さんの収縮を支え続けた。

 ワカメの大きな根っこはまだ衰えていなかった。

 の壁に背を預け、ズボンと下着を膝まで下げぼろんと出したその姿は、一言で言えば――発情した獣。

 そして、その獣を前に跪くのが二人の少女だった。

 遠坂凛と、間桐桜。

 

「ちょっと……まだやるの……」

 

 凛の声は呆れ混じりだが、目元は微かに赤い。

 羞恥か、怒気か、それとも別の何かか。桜には読み取れなかった。

 

「おう……優しく頼むわ……」

 

 桜はしゃがみ込む。そのまま、指先を慎重に大きな根っこへと添える――

 

 ――ぬちゅ。

 

 湿っている。熱がある。ぴくりと跳ねた。

 これは呪いではない。純粋な肉体反応だ。

 

 (……兄さん、これ……)

 

 桜は、無意識に喉を鳴らした。

 そうして――その瞬間だった。

 慎二の手が、動いた。

 

「なっ……!」

 

 凛のスカートの奥に、すっと指先が滑り込む。

 太腿の間に差し込まれたその指は、ためらいもなく下着をずらし――ぬちゅり、と音を立てて膣口へ侵入していく。 

 

「ば、バカッ!! 抜かれてる最中に……何入れてんのよっ!」

 

 怒声。だが腰が引けていない。

 むしろ、逆に押し返すように太腿が慎二の手を挟み込んでいる。

 

「だってさ……感じてるんだろ? どうせ今日も」

 

 その言葉に、凛は言葉を詰まらせた。

 反論が遅れた。その一瞬の沈黙が、何よりも雄弁だった。

 一方、桜のスカートの裾も――すでにめくられていた。

 

「兄さん……っ、ちょ、だめ……今は処置が……っ」

「でも、お前も濡れてるだろ? ほら……」

 

 慎二の指が、桜の下腹部に触れる。

 そのまま下着の中に潜り込み、割れ目の奥へと――ずぷりと音を立てて、第二関節まで沈んでいく。

 

「……っ、や、兄さん……それ、奥……っ!」

 

 桜の太腿が跳ねる。指が膣内をなぞりながら、柔らかな肉を押し広げていく。

 

「ふふ……ふたりとも……すごく、よく締まるなぁ」

「だっ……誰がそんな反応してるってのよ……っ、んっ!」 

 

 慎二の両手は、まるで計測器のように正確だった。

 角度、深さ、圧力。姉妹の反応を一つ一つ観察しながら、最も効率のいい愛撫の形を選択していく。 

 

「こっちはもう中がうねってるし……お前も、ほら、吸い付きすぎだろ……」

 

 口で奉仕を続ける凛の頬が、熱く紅潮する。

 唇の奥で慎二の先端がびくびくと震えるたび、同時に膣内を探る指先が姉妹の内壁をなぞっていく。

 

 ぬちゅ、ぐちゅ、じゅぷ――

 

 湿り気と粘度を伴った音が、倉庫裏の狭い空間に反響する。

 

「やっば……ふたり同時って……マジで……死ぬ……っ」

「死んでもいいから黙れええええええ!!!」

 

 凛の叫びは、ほとんど自棄だった。

 けれどその口は、まだ離れない。

 桜の指も、慎二の根元から離れない。

 

 そして、ついに――

 

「く、来るっ……また出るっ……!」

「っ、ん……!」

 

 凛の喉奥に、熱が弾ける。

 桜の手が竿を支え、飛び散りを防ぎながら根元をしごく。

 どく、どく、と白濁が唇を濡らし、喉へと滑り落ちていく。 

 そしてその瞬間――慎二の指が、さらに奥へと差し込まれた。

 凛と桜、同時に太腿を震わせる。

 それは射精の余韻に合わせて膣内が収縮したせいなのか、それとも――彼女たち自身の、素の反応だったのか答えは出ない。

 誰も、それを口にしない。

 ただ、膣の奥に残る指の感触だけが、事実としてそこにあった。

 介護の処置は完了した。

 だが、何かが残っていた。

 それは、凛の唇に。桜の指先に。

 そして慎二の、鈍く満ち足りた笑みに。

 

「ふ……はあ……えがった。マジで……生き返った……」

 

 その言葉に、凛はついに立ち上がった。

 

「……次、忘れたら、殺すからね。今度こそ、ほんとに」

「はいはい、当番制な。スケジュール帳、桜がちゃんと管理してるから」

 

 空は茜色だった。桜は鞄から小さな手帳を取り出して、淡々とメモした。

 それは呪いの記録であり、姉妹が常識を手放していく手帳でもあった。

 夕焼けの中、誰にも知られないところで、姉妹は一線を越えた。

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