※この作品はR-18です。

深見さん家の ふたりごと   作:霧里

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DLC:見て、触れて、心が揺れて…(Hシーン差分

 

 

「お嫁さん、か…」

 

呟いた言葉が、静かな浴室にぽつんと響いた。

 

水面に揺れる自分の顔をすくい上げ、私は まじまじとそれを覗き込んだ。

 

わかってるの? それってさ…。

 

指の隙間から、お湯がさらさら流れ落ちていく。空っぽになった手のひらを、握って、開いて、そっと胸元へと置いてみた。ドキドキ、ドキドキ、心臓の音は相変わらずだ。もしかしたら、さっきより少し早いくらい。

 

「奏汰…」

 

名前を口にすると、胸の鼓動が跳ねる。ちょっと痛い。でも、不思議とイヤじゃない。むしろ、心地いいだなんて思ってしまった。

 

私なんかで、良いのかな?

 

こんな面倒くさい女の子で。何をするにも遅くって、いまでも迷惑掛けてるのに。奏汰は良いの? 本当に、ちょっとも、邪魔とかって、思わないかな。

 

「お嫁さん…。私が、奏汰の…」

 

小さな呟きが、水音に紛れて消えていく。

 

それはつまり。いつかは彼とキスしたり、その後はきっと…。

今まで、考えた事もなかった。自分には関係ないことだと遠ざけるだけで、いざ自分の番になっても、実感なんて湧いてこない。私は奏汰が好きで、奏汰も私の事が好きだったとして。

 

何を、どうしたら良いんだろう?

 

指先が、自然と唇に触れる。

 

奏汰、イヤじゃなかったかな?

 

私が飲んだ後のペットボトルに口を付けて、ごくり、ごくり…。大きく動く喉仏を思い出して、また、胸がドキドキとしてきた。誰かを思って体が熱くなるなんて、初めての経験に少し戸惑う。

 

唇を撫でていた指先を、首筋へと滑らせた。下顎をくすぐりながら、その下へ。そこにはなにもない。なめらかな肌の感触が、すっと降りていくだけ。

男の子との体の違いを思い返して、また顔が熱くなる。

 

なんだか、体の奥がむず痒かった。

 

心臓が私を急かすように強く叩いてくる。

もじっと、太ももを寄せ合い、両手で自分を抱きしめた。なのに、落ち着かない。

 

少しだけ…怖くなる。

 

でも、それ以上の興味と好奇心の方がずっと強い。

だって、あの時と一緒。奏汰の体に興味を持ったみたいに、今は、体が落ち着かない理由を知りたかった。

 

「…ぁっ」

 

胸の膨らみに、指先がそっと触れる。

なんでもない、はずだった。いつも通り。着替えの時も、体を洗う時だって、当たり前に触れているのに。

 

なのに、なんだろう?

 

上手く言葉にできない。

息が漏れ、胸の奥がきゅっとなる。

 

もやもやする。ざわざわする。

 

奏汰の事を想いながら胸に触れていると、その感覚はどんどん強くなっていく。

まるで、彼に触ってもらっているような気がして、また体がもじっと動いてしまう。

 

変だな…。

 

のぼせたみたいに、頭が ふわふわ してきた。

 

湯船から上がろうとはするけど、名残惜しさに引き止められる。

両手は、自分を抱きしめたまま。胸に当てた指は、撫でるだけじゃ物足りなくなって、もっとはっきりを求めてくる。

 

やわらかく、沈んでいく指先。

 

その奥に硬い骨を感じながら、肌の張りに押し返される。

奏汰の胸板とは、まるで違う。彼の胸はもっと角ばっていて、ちゃんと筋肉の形があった。

 

「私は…」

 

ちゃんと、女の子らしくなれてるんだろうか?

 

見下ろした自分の身体に、自信なんてなかった。まだまだ成長途中。

そう言い訳はできても、やっぱり不安だ。お母さんくらいには なれるのかな?

大人になった自分の姿は、まだ湯気の中にあって、私はその背中を眺めるしかできない。

 

気にしないようにはしても、やっぱり気になる。

 

同い年の女の子の中には、もう見て分かるくらい女性らしくなってる子もいて、男の子たちの視線を集めていた。エッチだなって、そんな彼らを軽蔑することもあったけど。

 

「奏汰は…違う、よね?」

 

そう思いたいのに。

 

また、ヤキモチだ。

 

彼が誰かを見ていたわけじゃないのに。むしろ、私の事をいつも見ていてくれるのに。なんで、イヤだなんて思うんだろう。なんで、もっと見て欲しいなんて思ってしまうんだろう。

 

「ぁっ…」

 

また、声が漏れる。

 

胸の膨らみが、手のひらに包まれる。大きくなぁれ、大きくなぁれ。そんな、おまじないでもするみたいに、おもむろに手を動かしていく。

揉んだら、大きくなるって、あの噂。信じたわけじゃない。けど、他に、どうしようもなくて、付け焼き刃の知識にも縋りたかった。

 

「んっ、はぁ…っ、ぁ、はっ、ふぅ…んぅ…」

 

胸をもみ続けていると、変な声が出てしまう。いつのまにか吐息も熱くなり、鼻に掛かった自分の声に、ますます変な気分になった。

体がもじもじとして、落ち着かなくなる。つい、太ももを擦り合わせては、そこから力が抜けていく。

 

ダメ、これ以上は…。

 

無理矢理に止めた指先は、胸の上に置かれたまま。引き剥がそうともしているのに、興味が私を引き止める。これ以上は、ただの興味じゃ済まない気がしているのに、好奇心が私をそそのかす。

 

考えちゃダメ。もう、湯船から上がろう。

一人でいるから、こんなこと考えるんだ。そう、お夕飯。お母さんのお手伝いをしよう。そうしてる間に、こんな変な気持ちは忘れられるはず。いつも通りに過ごしていれば、きっと、それで良いはずだ。

 

「ぁっ…」

 

なのに。

 

泥沼に嵌まったみたい。

 

湯船から出ようとして、太ももの内側が擦れてしまう。

ぴくっと、体が震えて、ふわふわするの。息が詰まりそう。お腹の奥が、じんわりと熱を持ち始めると、そこから温かい何かが広がってくる。

 

「奏汰…。ごめん…ね。私、こんな…の。えっちで…」

 

悪いと思う。彼の顔が、頭の奥に浮かんで離れない。こんなエッチなこと考えてるって知られたら、嫌われちゃうかも知れないのに。もう、自分じゃどうにもできなかった。

 

名前を呼ぶ度、胸がきゅっとなる。ドキドキと、もやもやが、胸の中で混ざり合って、もう溢れ出しそうだった。もじっと、太ももを擦り合わせただけで、ふわふわして、頭の中がいっぱいになるの。胸を揉む手にも熱が入り、今、自分が何をしているのかなんて、分からなくなっていた。

 

「はぁっ、はぁっ…んっ。ぁっ、ゃ、だめなの、に…やめなきゃっ。あっ、なに? 今の…。あぅっ、な、あ、あ、なんか…これ、だめっ!」

 

ふわっと、きた。

 

頭も、体も、真っ白い綿に包まれたみたいだった。

寄せ合った太ももに力が入る。ぎゅっと、体が縮こまって、胸の膨らみに指先が食い込んだまま動けない。

 

なに? いま、私、どうなっちゃったの?

 

考えるのも億劫だった。全身が、甘く痺れて気が抜けていく。

一つ、二つ、三つと数えて、ようやく。ふっと、体の緊張が解けると、私は大きく息を吐きだせた。

 

「ふぅ…ふぅ…。すぅ…はぁぁ…」

 

なん、だったんだろう?

 

わかんない。

 

ようやく戻ってきた自分にほっとする。

あんなに苦しかった、ドキドキも、もやもやも、少しずつ静まっていって、今までのことがなかったみたい。

 

「…なにやってんだろ、私」

 

エッチなことしちゃってた。自己嫌悪と、罪悪感で、体が重たくなったみたい。

力の抜けた体が湯船に沈み、肩までお湯に浸かっていく。ぶくぶくと、拗ねたように息を吐きだす。水面に揺れる私の顔は、なんだか気だるげで…。でも、ほんの少しだけ夢見心地だった。

 

 

***

 

校庭の片隅。木陰の裏側。向こうにたくさんの人の気配を感じながらも、誰かの視線はここまで届かない。

 

濡れて張り付いた体操着の下に、柔らかな体のラインが浮かんで見える。

思わず目を逸らそうとして、逸らせない。奏汰の視線は、美優を見つめたまま、すっかりと見惚れていた。

 

何のつもりだったんだろうな…本当に。

 

あの後、着替えに戻った美優とはそれっきり。

俺は、彼女を待つこと無く、体操着のまま家に帰った。正直、どんな顔をしていいか分からなかったし。落ち着くだけの時間が欲しかった。

 

なんで、俺の身体に触ってみたいだなんて。

 

結局は聞けないまま。

 

解消されないモヤモヤは、とうとう夢にまで出てしまっていた。

 

木の幹に背中を預けた美優は、俯いていた。

頬を赤くして、息を整えるように胸が上下を繰り返す。

 

「奏汰も、触ってみる? 私の身体…興味ない?」

 

それを口にした本人が、一番恥ずかしそうだった。

 

そんなこと、美優は一言だって言わなかったのに。

でも、もし。あの時、俺が彼女を止めていなかったら。何かのはずみで、俺は美優の身体に触れてしまって、それでも彼女が拒まなかったら、どうなっていたんだろう?

 

体操着に透ける肌色にさえ、惹きつけられている自分には、首を振ることなんて出来なかった。一歩、踏みだせば、美優の身体に手が届く。

なにを、やって。こんな所、誰かに見られるかも知れないのに。俺の手が、美優の頬に触れた瞬間に、そんな不安はすっかりと忘れてしまっていた。

 

柔らかい。

 

もち肌って、聞き覚えのある言葉の意味を実感する。

ぴくっと、美優は肩を震わせるけれど、逃げ出す気配はない。それどころか、首を少し傾けて、首筋を晒して見せてくる。

 

触って欲しいってこと?

 

促されている。あるいは、助け舟のつもりだったのかも。

頬に触れて、少し撫でて、もうおしまい。俺が尻込みしていることなんて、すっかり見透かされているようだ。

 

首筋、思ったより細いんだな…。

 

白い素肌が、項からすぅっと伸びていく。喉仏なんて当然無い。指先に吸い付いてくる肌の感触が、くすぐったいくらいだった。そのまま滑らせた指先が、鎖骨の窪みに引っかかる。

 

流石に、それ以上は…。

 

目のやり場にも困ってしまう。そこから下はもう、美優の胸元だと言って良い。人によっては膨らみだって感じられる場所だ。つまりは、目立っていないだけ。すぐそこに、美優のおっぱいがあるって、思うと、体がムズムズし始める。

 

視線を感じた。

 

首筋は晒したまま、時折、美優のこちらを伺うようにして、視線で促してくる。本当に、わかってて言ってるんだろうか? 触って良いって、こんな距離で、そんな事。冗談だったと言われた方が、よっぽど気が楽なのに。

 

「美優…」

 

やっぱりやめよう、そう言うつもりだった。

なのに、何を勘違いしたのか、美優はただ小さく頷きを返す。

 

ぱきって、音するんだな。

 

何かが折れた気がした。

 

鎖骨に留まっていた指先が、窪みを出ると、体操着の襟首に指がかかる。

濡れた体操着が、少しズレる。覗いた肌は光を反射して、透き通るように輝いて見えた。

 

「あのっ…奏汰? 体操着、伸びちゃうから…ね?」

「あ、あぁっ!? ご、ごめん…おれ、つい」

「…ううん。いいよ、だいじょうぶ。服の、上からだったら、いいから、ね?」

 

ようやくの抗議に、俺は慌てて指を離す。

美優はますます頬を赤くして、少し困った顔をしていた。抵抗とも言えない。羞恥心が少し、言葉になっただけ。「見たい」って、ちょっと強引に迫れば、本当に見せてくれそうな気配すらある。

 

いや、でも…。

 

夢の中とは言え、そんな勇気は出なかった。万一にでも泣かれたら、真っ逆さまに悪夢に変わってしまう。ごくり…。息を呑んで、気持ちを切り替えた俺は、美優に促されるまま、淡く膨らむ彼女の胸に指を伸ばす。

 

さわり…。

 

濡れた体操着が、今度は俺の指先に張り付くようだ。

淡い膨らみ、その柔らかさに指が包まれる。あのとき俺に触れた、彼女の指先のように。ひやりと、冷たい感触があるのかと、一瞬思った。けれど、胸の膨らみは、温かく俺を迎え入れてくる。

 

「あっ…んっ」

 

美優の熱っぽい吐息に、俺の心臓が跳ねた。

我慢なんてとっくにもう。むしろ、どこまでなら美優が許してくれるのか、それが知りたくてたまらない。

 

「美優、もっと、良いか? その、お腹…とかさ?」

「え、お腹…? うん、良いけど…」

 

体操着の裾に手を掛けた美優は、ゆっくりとそれを胸元までたくし上げていく。揺れる肌着と、赤いハーフパンツ。その隙間から覗く、小さなおヘソがいやに魅力的だった。

 

呼吸に合わせて、ふわり、ふわりと、揺れる小さなおヘソ。

誘われるように手を伸ばした俺は、ぺたり、ぺたぺた。美優がそうしたように、彼女のお腹に触れていく。

 

「んっ、はっ、奏汰。あはっ、んっ、ちょっと…くすぐったいって」

 

少しだけ、逃げるように美優が身を捩った。くすぐったそうに笑う声の中に、熱っぽい吐息が混ざる。止まらない、止められない。色っぽい美優の声を聞いた俺は、確かに興奮していた。彼女のお腹に手を置いて、上へ、上へと、柔らかい肌に手を滑らせる。

 

ゆっくりと、白い素肌が目の前に広がっていく。

 

おヘソどころか、もう胸の下の方まで見え始めていた。もっとだ。さらに肌着の奥へ、手を潜り込ませていく。

 

どうしよう?

 

戸惑うように、美優の視線が揺れていた。たくし上げていた体操着の裾が、少し緩む。止めようにも、止めどきを見失っている彼女の様子に気づきながらも、俺は何も言わないまま、胸へと直接触れようとして…。

 

「うわぁぁっ!! はっ、はっ…はぁ、はぁっ」

 

指先が、美優に触れたその瞬間、飛び起きた。

 




夢精してて欲しい。これが精通だったら、悶えるくらい可愛いと思う。
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