鳥羽は今日も不在だった。
性的な行いが連日続いていたので休憩に当てるのが良いのだろうが、する事が何もなく手持ち無沙汰になっている。
いっそのこと、昨日のように何か指示でも出してくれていれば良いのにと思ったが、慌ててその考えを掻き消す。ここにいるのはあくまでイメージビデオの元データを受け取るための取引なのだ。性欲に屈しているようでは意味がない。
部屋に篭っていても気が晴れないので散歩がてら温泉に入りに行く事にした。
「鷹野さん、温泉に行ってきます」
掃除機をかけていた鷹野に声をかける。
『いってらっしゃい』
鳥羽がいないと鷹野も多少は気が緩むのか、話し方も少しラフな感じになっていた。
(今日を除けばあと2日。もう少しの辛抱ね)
ここに来てからというもの多くの痴態を晒している。明日、鳥羽が戻ってきたら身体を求められると思うと気が重い。
(まあ、考えても仕方がない事なのだけれども)
それにしても今日は雲一つなく気温もちょうど良くて気持ちが良い。
温泉に浸かれば気持ちも晴れるだろうと思った。
(そういえば、初日から裸で歩かされたのよね)
あの時は鳥羽からの指示だったので仕方なく従ったが、その事を思い出すと悪い欲求が湧き出してくる。
(また脱いで行ってみようかしら…)
指示された訳でもないのに一度芽吹いた欲求には逆らえない。
別荘にいる人に見られているかもと思ったが気にならなかった。野外での脱衣も慣れたもので早くも全裸になってしまった。
(やっぱり外で裸になるのは気持ち良いわね)
温泉への道を記憶を頼りに歩いていると硫黄の匂いが漂ってきて岩場が見えた。
初日から辱めを受けた場所だが温泉を独り占め出来るのは悪くない。あの時は景色を楽しむ余裕まではなかったので改めて見回してみると、紅葉が始まっていて風に吹かれて散った葉が流れる川もあった。
オーストラリアでの撮影も悪くはなかったが、どうせならこういう落ち着いた場所の方が良かったなと思ってしまう。
思い返せば鳥羽と知り合ってから様々な辱めを受けてきた。
裸の動画撮影、アンダーヘアの処理、初めての膣内射精、公開放尿、肛門調教。
しかし、それらの事を思い出すと身体が疼いてくる。
(誰も来ていないわよね?)
辺りを見回して確認し、性器に指を這わせる。
そこは既に濡れていて指を容易に飲み込んでしまう。
しかし、それだけでは物足りなく感じて指を唾液で濡らして肛門内にも挿れる。
指先で内部を刺激するだけでよがり声が止まらなくなる。
野外で自慰行為に耽るなんて変態的な行為でしかないが、自分自身を貶める言葉が精神的な快楽を与えてくる。
今ここに鳥羽がいたらどんな言葉をかけてくるだろうか。
指だけでは物足りなくて膣への挿入が恋しくなったが、脳裏を過ぎる男根の主は恋人ではなく鳥羽だった。
その事に愕然とするも指は止まらない。むしろ挿入されたいという欲求が更に強くなるだけだった。
何度達したかも忘れるくらいに自慰行為に耽り、尿意を感じれば岩場で放尿を行う。
鳥羽のお気に入りの場所を汚す事で少しだけ鬱憤を晴らす事が出来た。
『お帰りなさい。遅かったですね』
昼食の準備をしていた鷹野が声をかけてきた。
「ええ、気持ちが良くて長風呂してしまいました」
『湯冷めするかもしれないので程々にしてくださいね』
「気を付けます」
食事を終えて自室で課題を終わらせると気付いた時には空に夕焼けが広がっている。
窓に寄って見惚れているとドアをノックする音が聞こえた。
『阿見です。入っても良いですか』
(何の用だろう?)
「どうぞ」
『やちよさん、これから温泉に行きませんか』
「これから?夕方だし涼しくなってるわよ?」
『湯冷めしないようにしておけば大丈夫よ。それにこんな綺麗な夕焼けを見ながら浸かるのも良いんじゃなくて?』
「…それもそうね」
何か企んでいそうな気もしたが、確かにそれは魅力的だった。
『鷹野さん、私たち温泉に行ってきますね』
『分かりました。夕食までには戻ってきてくださいね』
「行ってきます」
別荘を出てからすぐの事だった。阿見さんが服を脱ぎ始める。
「…何してるの」
『初日も裸で行ってから露出にハマっちゃって、温泉に行く時はずっとこうしていたの』
「だから別荘にいない時間があったのね」
『やちよさんだってそうでしょ?さっき裸になってるの見てたんだから』
「覗きなんて悪趣味ね。私にも脱げって?」
『そのぐらい良いでしょ。おしっこを掛け合った仲じゃない』
「嫌な仲ね。…はあ、分かったわ。こんな事で夕焼けを逃すのも勿体ないしね」
一日に二度も野外露出するとは思わなかったが、それも悪くない。
サマーカーディガンとロングスカートを脱ぐ。
『やちよさん、今日の下着はピンクなのね。何か意外ね』
「そういう貴女こそ水玉模様なんて、随分と可愛らしいのを着けてるじゃない」
脱いだ服はテラスに置いておく。
『早く行きましょ』
「はいはい」
夕日によって肌も赤く染められながら温泉への道を行く。
『ねえ、やちよさん。昨日は何してたの?鳥羽さんから指示が出てたみたいだけど』
「お尻を使う練習させられたわ」
『へえ、感想は?』
「お腹の中を綺麗にするのが一番大変だったわね」
『まあ、初めてだと辛いわね。でも慣れれば気持ちいいし精液出されると最高よ』
「お尻の中に射精するって事?想像するのも嫌になるわ」
『一昨日だって中出しのおねだりしてたじゃない。やちよさんならすぐに堕ちそうね』
「あと2日で関係は終わるんだから。堕ちたりなんかしないわ」
話をしているうちに温泉に着いた。空はまだ燃えている。
「間に合ったわね」
『そうね。早く入りましょ』
「それで?ここに連れてきた理由は何かあるんでしょ?」
『理由?鳥羽さんもいないし、やちよさんとセックスしたいなと思って』
「鷹野さんとでもすればいいじゃない」
『鷹野さんは木原さんを気に入ったみたいでね。今頃2人でしてるんじゃないかしら』
「あの2人が?まさか」
『そんな事より私たちもしましょ?男では出来ない事、してあげるわ』
「…早く済ませましょ」
タオルを敷いた岩の上に横になる。私が下、阿見さんが上。いわゆる69になり互いの性器を舐め合う。女性器を舐めるのは初めてだけど嫌な気はしたかった。目の前にある阿見さんのそれは綺麗なピンク色で、甘い匂いを放つ愛液を啜り飲み込む。
阿見さんも同じようにしているが私よりも夢中になっている気がする。
女性器を舐める事なんて考えたこともないが、野外で裸になり夕陽に赤く染められているという非日常感に当てられて興奮している気がする。互いに愛液の味を満喫したところで阿見さんが私から降りた。
「それで?男では出来ない事って何をするの?」
『やちよさんは貝合わせって知ってる?』
「言葉だけならね」
『話が早くて助かるわ』
互いに脚を開いて性器を擦り付けると2人の愛液が混ざり淫らな水音が鳴る。
「何と言うか、背徳的な事をしている感じがするわ」
『イく事は出来ないかもしれないけど、ずっと続けられそうな気がするでしょ?』
「そうだけど、イけないなら終わり時が分からないわね」
『あの夕陽が完全に沈むまででどうかしら?』
「分かったわ。そうしましょう」
その時まで一心不乱に腰を動かしてもどかしい快楽を貪り、最後に2人で放尿するところを見せあった。
裸のまま帰路に着き、テラスに置いておいた服を着て別荘に入る。
夕食を4人で食べたが、室内に残る甘い匂いと2人の様子から秋穂さんと鷹野は本当に行為に及んでいたようだ。
その残り香に当てられて私は自室で再び自らを慰めて、何度目かも分からない絶頂を迎えた。