体力が回復するまで休んでいようとベッドで横になっていると扉が開いたので誰かが忘れ物でもしたのかと思ったが、入室してきたのは鳥羽だった。
『市長から連絡をもらってね。上手くいったそうじゃないか』
「…鳥羽さん」
憎い相手の筈なのに、その姿を見て何故か視界が潤み始める。
『しかし、沢山したみたいじゃないか。精液がまだ残っているようだな」
ベッドに上がってきた鳥羽に精液に塗れた陰部を見られてしまった。
「…見ないでください」
『そう言うな。君の姿を見ていたら昂ってきてしまったよ』
服の上からでも分かるほどに鳥羽のものは屹立していた。
『こっちへ来なさい。特別に口でさせてあげようじゃないか』
傲慢な物言いに以前の自分なら反発していただろうが、今はそうしたくて堪らなかった。
這うようにして近付いて男根を取り出す。
「きゃっ…」
いつもどおりの力強さを持ったそれは、先ほどの3人のものが子どもに思える程だった。
『臭いはどうかな?』
その言葉に肉棒に鼻先を近付けて匂いを確かめると1日の汚れを纏ったよう感じがした。
「…とっても、臭いです」
鳥羽は愉快そうに笑っている。
『それなら口で綺麗にしてもらわないとな。さあ、熱烈に頼むよ』
私は頷いて、鬼頭を中心に何度も口付けを行う。唇に少し触れただけでも熱さを感じ、雄の匂いが鼻腔に入ったことで正常な判断力が奪われる。
意を決して口に含むと、改めてその大きさが分かった。
(こんなに大きいのが私の中に入っていたの?)
口内だとより強く熱さを感じ、力強く脈打っているのも分かる。
舌を括れに絡ませたり、唇でリズミカルに締め付けるなど性技を施すと次第にアンモニア臭が薄れてきて、肉本来の匂いが感じ取れるようになった。
上目で顔を見ると満足そうにしている。
(良かった…気持ち良いんだ)
更に快感を与えてあげようと思い、咽そうになるギリギリまで咥え込んで長めのストロークを行う。
それを繰り返していると塩気のある粘液が飛び出してきた。
舌がピリピリする感じがするが、汚いとは全く思わずに飲み込むと身体の芯が疼いて指を伸ばしたくなる衝動に駆られる。
今は奉仕の最中だと自分に言い聞かせて行為に没頭する。
『中々上手いじゃないか。どうやって身に付けたんだ?』
「バイブで練習したり、ネットで調べたり…です」
いろは達には知られたくない秘め事だが、口にしてみると気持ちが楽になってくる。
『やはり君は淫乱の気があるようだ』
鳥羽に髪を撫でられたが嫌な気はせず、されるがままに受け入れて口淫奉仕を続ける。
『そろそろ出そうだ。口の中に出すから全部飲むんだ』
あの日以来、連絡もしていない恋人にフェラをした事はあったが飲んだ事はなかった。
口に出すというのは本来なら汚らわしい行いだが、今は自分の身体を白く染め上げた精液がどんな味がするのか確かめたくて仕方がなかった。
睾丸に柔らかな愛撫な施しながら、ストロークの速さを更に上げて射精へと導いていく。
『さあ、出るぞ。口内で受け止めるんだ』
宣言通りに口の中に精液が吐き出された。始めこそ青臭さを感じたが、それはすぐに強い甘味に変換されていく。口内に溜め込むには量が多く、溢れる前に飲み込んでみると、その喉越しも濃厚な蜂蜜のように思えた。
(嘘…美味しい)
激しく撒き散らされる精液を飲み干すと幸福感が胸の内に広がるのを実感した。
まだ硬いままの男根に口付けをして、尿道に残った残滓を吸い上げて、それも飲み込む。自分でもはしたない事をしてしまったと思い、顔を伏せていると鳥羽に押し倒された。
『済まないがもう少し相手をしてもらおうか』
そのまま挿入をされただけで激しくイッてしまった。
『相変わらず挿入に弱いのだな。さて、口を吸わせてもらおうか』
キスだけは拒んできたが今は応じても構わないと思い、目を瞑り唇を差し出す。思いの外柔らかな唇が重なり、差し込まれた舌を受け入れて自分からも舌を絡める。
『君の唾液は中々に美味だな。これならいくらでも飲めそうだ』
そう言って私の唾液を吸い取り、嚥下音を何度も響かせる。
「ふふっ、ありがとうございます」
私も微かに煙草の匂いがする唾液を飲み込むと胃の中が火照った気がした。
『七海くん、以前話した事を覚えているかな?』
私の深いところで繋がったまま聞いてくる。
「何をでしょうか?」
『今回の件で出来た借りをどう返すかと言う話だが』
「はい」
『まだピルを飲んでいるんだろう?それは今日で止めてもらおうか』
突然の話に理解が追いつかない。
「えっ…と、どういう事でしょうか?」
『私もそろそろ子を成そうと思ってね。木原くんが私の子を産みたいと名乗りを上げてくれたんだ。私の子を産む気がないなら精液が勿体無いからこのまま終わりにして帰る事にするよ。仕事や同居人についても干渉するつもりはもうないから、安穏と暮らすが良い』
みかづき荘でいろは達と暮らす事が目的で望まないセックスに応じて、やっと解放されるのに、それを手放すのが惜しく思える。
『さあ、どうする?』
それはきっと、もっと罪深い行いなのかもしれない。でも、私はそれを拒めない程に堕ちてしまっていた。
「飲むのを止めます。だから中にいっぱい出して…」
それを言葉にすると箍が完全に外れてしまった気がした。
巧みな腰使いに合わせて私も腰を振り、射精しやすいように促す。
「お願い。もっと突いて…」
内臓が押し上げられているような圧迫感すらも快感に変換されていく。
激しい抽送の後に最奥で精液の本流を受け止めると同時に私も絶頂し、夢中で私の方から深い口付けを交わす。
まだまだ硬さを保ったそれを私に埋め込んだまま楽しそうに言う。
『今日は帰さない。朝まで2人で楽しもうじゃないか』
(帰れない言い訳を考えなきゃいけないわね)
私は意識も思考も白い快楽の中に飲み込まれていった。