オーストラリアに来てから1週間が経った。
2回目の撮影も終えて順調にスケジュールをこなせていると言われた。
この日は牧場での撮影だった。遠くから馬の鳴き声が聞こえてくる。
普段は馬場として使っているのか、柵に囲まれ足元は芝生になっていた。
撮影も3回目となると衆人環視での脱衣にも慣れてしまった。
イエローのシャツにデニムのミニスカート、今回は乗馬も行う予定なので専用のブーツを履いていた。
馬場を歩きながら風に乱れた髪を掻き分ける。芝生の上に横たわり、シャツのボタンを外して黒いレースで装飾された下着を露わにする。やちよの呼吸に合わせて胸が上下する様子をカメラマンが接写している。それを流し目で見ながら微笑み、フロントホックを外して乳首を露わにする。次いで立ち上がってミニスカートも脱ぐとサイドストリングの下着に包まれた尻が現れた。
柵に手をついて尻を突き出す。そのタイミングを見計らって脱いだ衣類をスタッフが回収し、牧場主が馬を連れてきた。
馬に騎乗してからの脱衣は流石に危ないだろうとの判断からそのまま柵の前で下着を脱いでいく。サイドストリングの下着の紐を解くと陰部が露わとなったが慣れないブーツを履いていたから、脱ぐ時の事を考えるとこのタイプの下着で正解だったのかもしれない。
全裸にブーツという変態的な格好で馬に近付いていく。人に慣れているのか顔や首を撫でてみても嫌がる様子はない。牧場主から引き馬のレクチャーを受け、手綱を張って歩いてみると素直に歩いてくれた。こんな状況である事を無視すれば楽しいと思えた。3周ほどした事で遂に騎乗する事になった。
用意された足場に乗り、左足を鎧に乗せて鞍に跨る。この時大きく開脚をしたので意図せず秘部が撮られたり、見られてしまったかもしれない。
右足も鎧に乗せてホルダーを握る。いつもより高くなった視点で風を素肌で感じるのは気持ちが良かった。
手綱を牧場主が引くと馬がゆっくりと歩き出す。揺れは大きくはないが陰部が直接鞍に触れているうえに、体重もそこに一番かかっているので少しだけ痛みを感じた。ゴダイヴァ夫人も同じような思いをしたのかと思ったりもしてしまう。
馬から降りる時は鎧から抜いた右足を大きく回して左足と揃えて、上半身を鞍に預けて身を捩るようにゆっくりと降りていくのだが、きっとこの時にも陰部をアップで撮られていたのだろう。
撮影が終わったところで牧場主が話しかけてきた。簡単な英会話なら出来るので全裸という状態ではあったが、乗馬に関しての感想や質問を重ねて楽しむ事が出来た。
『中々出来ない体験が出来て良かったじゃないか』
鳥羽が会話に割り込んできた。
思わず胸を手で隠すが鳥羽は気に留めた様子もない。
『その牧場主の親父さんとは付き合いが長くてね。君と同じようなモデルに獣姦の撮影をさせた時以来かな?』
「ジュウカン?何ですか、それ?」
それは聞いた事がない言葉だった。
『人間と動物が交わる事さ。あの時は馬にフェラをしたり、性器の挿入までしていたな』
そんな事がこの場で行われていたと思うと吐き気がしてくる。
『まあ、安心したまえ。牧場主が代替わりしてからは「馬にそう言った事はさせられない」と断られるようになってしまってね。ヌード撮影や裸での騎乗という事で手を打ったから、君がそれをする事はないよ』
「あなた、本当に酷い人ね」
『何とでも言いたまえ。この後の撮影も楽しみにしているよ』
憎たらしい言葉を残して鳥羽は去っていく。
この日も撮影を終えられた事に安堵のため息をついた。
宿での夕食を終えて部屋の浴室で一日の疲れを落とす。女性スタッフとは打ち解ける事が出来てメイク中にも談笑をするようになった。
明日は次の撮影地に前乗りして休暇をとり翌日に撮影となっている。
少しは気を休められるだろうと思い、この日は早く寝る事にした。
休暇日は秋穂と2人で散策に出かけて気分転換しようと思っていたのだが鳥羽が部屋を訪ねてきた。後方には秋穂や他の女性スタッフが控えていたが皆一様に表情は暗い。
「何かご用ですか?」
『これから彼女たちとヌーディストビーチに行く事にしてね。君も来たまえ』
有無を言わさぬ口調に従うしかなかった。既に用意されていた車に乗り込み目的地に向かう。
ヌーディストビーチというだけあって利用者は全員裸だった。もっとも年配者が多いのが救いだったが、日本人の集団というのは目を惹くようだった。
鳥羽や鷹野は気にした様子もなくパラソルやシートを用意し、周囲の視線を気にする事も裸になる。
『どうした?君たちも早く脱ぎなさい』
スタッフ達にも脱衣を指示する。諦めたように脱ぎ始める彼女たちを見てもしかしたら彼女たちも立場は自分に近いのかもしれないと思った。
やちよと秋穂もそれに倣い全裸となった。
撮影以外でも裸を晒すことになるとは思わなかった。
これでは休暇と呼べるのかどうか分からないが、少なくともポーズやカメラを気にしなくてよいだけマシなのかもしれない。
そう思う事にして泳ぎに行く事にした。少しだけでも鳥羽から距離を取りたいのもあるが、憎い男の性器を視界に入れておきたくなかった。
秋穂も誘おうと思ったのだが、鳥羽の飲酒に付き合わされていて、とても泳げるような状態ではなかった。しかし、秋穂の裸体を舐めるように見る鳥羽の視線が穢らわしく思えて、海に逃げ込んでしまった。
明日の撮影に影響が出ない程度で済まして水面に浮かんでいると鳥羽が泳いできた。
裸は海中にあるので見られることはなかったが、それでも近付いてほしくはなかった。
「何かありましたか?」
冷静さを保ち要件を聞く。
『木原くんが酔ってしまってね。今日はこれでお開きにすることにしたよ』
(貴方が無理矢理呑ませたのでしょう?)
文句の一つでも言いたいところだったが、今は彼女の様子を見に行く方が先だ。ビーチに向かって泳ごうした時、尻を撫でられた。
「な、何を?」
『少しぐらい触ってもいいだろう。拒めば今日も木原くんに相手をしてもらう事になるぞ?』
「"今日も"って貴方、まさか!?」
『言っておくが申し出てきたのは彼女の方からだぞ。販売だけはやめてほしいと言うから、この撮影期間中に私を満足させられれば一考すると言ったらどんなプレイにも応じてくれたよ。まあ、毎日のようにしていたから若干飽きてきたところだがね』
イヤらしく尻を揉みながら話しかけてくる。
「そんな事をして、私がこのまま撮影を続けると思っているの?」
『まさか。でも、この後の撮影を拒めば木原くんとの行為の動画を売らなければいけなくなるな』
「卑怯者」
『そうやって私はこの業界で成り上がってきたのさ。君が私に身体を赦す日が来るのが楽しみだよ』
それだけ言い残して鳥羽は先にビーチへと泳いでいった。
酔ってしまった秋穂を介抱しながら服を着せて車へと乗せる。鳥羽と鷹野は程よく回った酒に上機嫌で談笑を続けていた。
4回目の撮影地は鳥羽が所有しているプライベートビーチだった。
今日の撮影に秋穂は体調不良で参加出来なかった。
加えて鳥羽と鷹野も来ていないので、その事が不安に拍車をかけるが撮影を抜けたら何をされるか分からない。
予定通りにホテル近くの港から船で無人島へと向かう。
やちよはホテル内で既にミントグリーンのビキニに着替えて乗船をしていた。
撮影が始まると今までと同じようにカメラに向かって淫らなポーズをとり、胸の谷間やお尻を強調してみせる。そして焦らしに焦らしたところで水着を脱いでいくのだ。
首の後ろに手を回して結ばれた紐を解いて身体から離れた水着を砂の上に落とす。
スタッフから渡された炭酸水を口に含む。ペットボトルについた結露を乳首に当てたり、炭酸水を胸に直接かけたりもした。
トップレスのままビーチを歩き洞窟に辿り着いた。
潮が引いた洞窟内で残る一枚も脱ぐ。湿り気が残る壁に手を当て尻を突き出すポーズをとる。
しかし、このポーズだけではマンネリになっていると監督から意見が出ていて、やちよは案を考えた結果、その言葉は知らなかったがM字開脚となり性器も自ら開いてみせることにした。
目を閉じたくなるのを堪えて監督を見ると満足そうに頷いている。
カメラマンが接近してきたので開き続けていると当然のように接写をされたが、今度はカメラを構えて仰向けになったので意図が分かり、カメラを跨いで尻を自ら開く。
今度は性器だけでなく肛門も撮られてしまっているのだろう。このような格好は肌を重ねた彼に対しても見せたことはなかったが、表情には笑みが浮かんでいて本心と乖離しているような気がしてくる。
撮影を終えて船に乗っていても水着の奥で身体が疼いているような気がした。
ホテルに戻ると私服に着替えてすぐに秋穂のいる部屋に向かった。
チャイムを鳴らすとすぐに出迎えてくれたのでホッとした。どうやら鳥羽は来なかったようだ。ビーチでの撮影は無事に終わった事を伝えた。それから、自分の裸体を収めた動画の販売を止めるために鳥羽に身体を差し出した事を知った事も。
泣き出した秋穂を抱きしめて慰める。何としてでも鳥羽からその映像を奪う方法がないかをやちよは考え始めていた。
そして、最後の撮影は入浴シーンを撮る事になっていてやちよの個室で行う事になった。
その為に1人で使うには広すぎる部屋を当てがわれ、浴槽も足を伸ばして尚、余裕があり潜ることが出来る深さもあった。
最後の撮影は衣装は用意されておらず、私物である白い襟が付いた白いドットプリントの黒いワンピースを纏い、下着も同じく私物の青い上下セットのものを着用していた。
カメラに撮られながらの脱衣も慣れたものだった。
ベッドルームで全裸となり、予め湯が張られた浴室に向かう。
浴室はガラス張りになっていて全方位から裸体を見る事が出来るようになっている。
ガラス越しにカメラと向き合いガラスに胸を押し付ける。僅かに快楽を感じるがそれを悟られないように表情を取り繕いながら続けて、今度は同じように尻を押し当てて腰を振る。
浴室の熱気に当てられたように頭がボヤけてくる。浴室内にカメラマンが入ってきた。シャワーを浴びて全身を湯で濡らしていく。オーストラリアに来てからも処理を禁じられていたアンダーヘアが肌に張り付いている。
ボディソープを手に取り泡立てて身体中に塗っていく。その最中に乳首や陰部など敏感なところに当たったときは思わず喘ぎそうになった。
それらをシャワーで洗い流し、再度全裸を曝け出して湯船に浸かる。張り付いていた陰毛は肌を離れて水中に広がっている。
水中カメラが投入され、その様も間近で撮られてしまった。
気にしない事にして脚を開き陰毛を自らの指に絡めて遊んでみる。今回の撮影では特にイヤらしく振る舞うようにと監督から言われ、思いつく限りの事をしてみる。
次は浴槽の淵に肘をついて身体を水面に浮かべる。胸は水中に隠れてしまったが、背中や尻をカメラが舐めるように撮っていく。
再び水中カメラが使われて胸やアンダーヘアを撮っていく。
そろそろ湯辺りしそうというところで撮影は終了した。
(これでやっと解放されるのね)
やちよは心の底から安堵していた。