※この作品はR-18です。

ザ・ワンゲーム   作:獄華

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芽生えた感情

 

 アスファルトに落ちた銀色に光るナイフをよく見ると所々赤い物が付着していた。

 ゲームの内容とナイフから立ち込める匂いがソレ(・・)がどうして赤くなったのかを美銀達に補完させた。

 

 「なに驚いてんだよ?。俺のナイフ技術を味わえ」

 

 少年はまたもナイフを放つが美銀は咄嗟にトランクケースを翳し攻撃を凌いだ。

 

 「お、お姉ちゃん!流石!」

 

 「面倒くせぇ!着いて来いお前ら!」

 

 言って泰は美銀と光の手を取りすぐ脇に有った民家に入る。

 スライド式のドアを閉めた瞬間、「カキィン」と金属と金属がぶつかった音が響いた。

 

 「またもナイフの投擲ね……」

 

 「で、でも、間に合いました!」

 

 「この家に逃げんのはな……問題は奴の追撃だろ」

 

 「そうね」

 

 あの男は間違いなく追って来る。

 一応此方も武器は携帯してるものの、あんな身体の一部のようにナイフを扱う者からすれば狼と羊である。

 容易に食い殺されてしまう。

 

 「美銀、何か策はあるか?。このままじゃ乗り込んできたあいつに御陀仏にされるだけだぜ」

 

 「策ねぇ……」

 

 急拵えでかつ家の中にある物で相手を無力化ないしは殺害する……どんな物があるだろうか。

 考え込む美銀は家の中を少し探索しある場所に繋がるドアがアルミで出来ているのに気付いた。

 

 「洗剤もあるわね。よしこれなら奴を殺れるわ。皆の協力が必要だけどね」

 

 「こんな状況だ。ぶっ殺せるなら何でもいい」

 

 「私も!ワンチャンに賭けましょう!」

 

 三人は早速準備を初めた。

 

 

 

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 

 「馬鹿共が抜け抜けと袋小路に追い詰められたか」

 

 少年、峰先鋼(みねさきはがね)は笑いながらある物を取り出した。

 携行缶に入ったガソリンだ。

 

 ―――この殺し合いに小細工なんざいらねぇ。

 

 玄関ドアに掛かるようにガソリンを全てばら撒くと鋼はそこにまたナイフを一投する。

 カキィンと音と共に生じた火花が紅蓮の爆炎を発生させた。

 生じた爆炎は尋常ならざる速度で家を包み込んでいった。

 

 中からは悲鳴が聞こえる。

 

 ―――奴らが逃げるとすれば裏口か?。

 

 そう考えた鋼は裏口まで移動する事にした。

 密接する住宅街の為、この家の裏に周るのには少し時間を有する。

 だが相手は四人しかも幼い赤子を背負っている。

 機動力は大幅に限られるのでそこを突けば良いのだ。

 

 

 前門の炎……後門の鋼。

 

 

 二つの門が美銀達を追い詰める……。

 

 

 

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 

 

 鋼の予想通り家の内部ではパニック状態になっていた。

 

 「あのナイフ野郎!何考えてやがんだ!。火を放つなんてよ!」

 

 「落ち着いて泰!パニクっても仕方ないわ!。家での迎撃プランがお釈迦になった以上あいつを倒す………いや、なんとか退けないと!」

 

 「で、でもどうするんです!?」

 

 「さっきの塩素系の漂白剤と酸性の洗剤を混ぜて使用するプランは変わらないわ」

 

 先程美銀達が考えたのはスマホに録音した自分達の音声を使い鋼が風呂場に入った後三人がかりでドアを閉め異なる性質で混じり合った中毒作用を起こすガスで風呂場で彼を毒殺するプランだったが彼が火を放ちお釈迦になった。

 

 ならば………。

 

 「玄関は炎で出れない。だから私達が出れるのは裏門しかないけど当然そこに奴はスタンバってるに違いないわ」

 

 「そこに待つあいつに中毒ガスを浴びせる………?」

 

 「正解よ光ちゃん。さぁ時間はないわ。このビニール袋に出来るだけガスを集めましょう。投擲は泰!貴方に任せるわ!」

 

 「責任重大だなおい。だが奴を殺す大チャンスだしやってやるよ!」

 

 美銀は一旦猛を寝かせ、風呂場に生じた中毒ガス集めに専念した。

 まさしく火事場の馬鹿力が働いたか否か定かではないがガス集めは意外とすぐ終わった。

 

 泰は裏口を少し開け鋼がいるかいないか確認しようとしたが少しドアを開けただけでカキィンとドアにナイフが当たった。

 ドアを蹴って開けると待ってましたと言わんばかりにナイフが飛んで来たが彼は怯まなかった。

 美銀が防いでくれるから。

 事実美銀は完璧に鋼のナイフを防ぐ。

 泰もリラックスした状態で鋼に中毒ガスが濃縮されたビニール袋を投げる事が出来た。

 ビニール袋は鋼の顔面に当たり破裂し鋼は悶え苦しむ。

 

 「チャンスね」

 

 「あぁ。ジャイアントキリングしてやる」

 

 二人は直ぐ様鋼の元に寄ると、泰は鋼のナイフを突き飛ばし、美銀はトランクケースで鋼の頭を何度も強打した。

 気を失ったようだ。

 二人は鋼が持っていたナイフをそれぞれ手に取る。

 

 「殺る?泰」

 

 「勿論。ただ愛するお前と一緒がいい美銀」

 

 「ふふ、なんか歯痒いわね」

 

 「何だよお前これからもっと愛してやんのに今からそんなんじゃ耐えられねーぞ」

 

 「楽しみにしてるわ私の好きな泰」

 

 「へっ、そうかよ。じゃ殺るぞ?」

 

 「うん」

 

 美銀は首を、泰は心臓を。

 二人は同時にナイフを下ろした。

 

 

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