生きると言う事は地獄に違いない。
考えただけでこんな怠い人生を何十年も生きるなんて地獄………。
だから痛みが私を救済する。
少女、綾坂苺は心でそう唱えると自分の腕にカッターナイフを走らせた。
刃物と共に熱さと痛みが走るもその後には快楽が待っているのだ。
薄暗いカーテンが閉まった部屋で苺は一人歓喜する。
「あははは……。私に生を与えてくれるのは痛みだけぇ……」
赤く澄んだ瞳は光を発さず鏡のように光景をただ見るだけ。
耳を貫通しているピアスを引っ張る、痛い。
染めた金髪を引っ張る、痛い。
舌を噛む、痛い。
痛いが快楽だ。
―――そう言えば二日前変な女の子が来たっけな。
『お前達人間に殺し合いをしてもらう』
赤と黒のドレスを身に纏い此方を明らかに見下した目と態度だが不思議と怒りは沸かなかった。
寧ろ幸福すら覚えた。
殺し合いとなれば新たな痛みに触れる事が出来る……。
更にはこの腐った浮世から飛び立てる可能性もある。
死んだ後に待ち受けるのが天国だろうが無になろうが関係ない。
確実にこの世から消える事が出来るのだから。
「……あぁんぅ。疼くぅ……」
下腹部がジンジンする。
蜜壺が熱い……。
死と言う最大の痛みをこの身体で味わえるなんて苺にとっては幸せでしかない。
秘所に指を突っ込むと濡れていた。
着いた愛液を親指と人差し指で拡げると二つの指の間に銀色の橋が架かる。
「初めてした時も痛かったけど気持ち良かったしなぁ……」
―――死はそれを上回ってくれるかな。
取り敢えず動いた方が出会える確立も上がるかな、と考えた苺は立とうとするが立ち眩みを起こし倒れた。
「そう言えば二日前からご飯食べてないや……餓死してもいいけど殺された方が気持ち良さそうだしなんか作ろう」
一先ず彼女は台所に向かった。
―――――
「猛と光は?」
「仲良く寝てる」
「そうか」
二日目の今日美銀達は誰も居なくなった病院の一室に根城を構えていた。
病院の廊下向き側に建設されたこの病室なら多少大きい音や光が漏れても外には見えない。
数人部屋でカーテンの向こうの一つのベッドで猛を抱き締めながら光は寝ている。
「する?」
「勿論」
泰は膝の上に美銀を座らせ、両者はまず対面する形でキスするとそのまま舌を出し口内を貪り合った。
「……はぁ………んぅ…………」
「…ふぅ………はぁ……………」
淫らな水音が病室に響く。
互いに舌の感触が伝わり、官能を昂らせていった……。
「ひぅ……」
舌に集中していた美銀は発生したもう一つの快楽に甘い声をあげ身を震わす。
泰の右手が美銀の腰を抑え、左手はへその下をゆっくりなじりながら蜜壺へと向かっていった。
下着の上から彼の人差し指が美銀の秘所に触れる。
「パンツの上からでもはっきり分かるくらい濡れてんじゃん」
「言わないでぇ……」
頬を赤くし涙目になった彼女の頭を優しく撫でると美銀は目を細めた。
「……お前って育ち良さそうなのにエロいよな」
「泰のせいね。貴方が私が初めてセックスした人だから」
「光栄だな」
「クスッ、褒めてないわよ………ねぇ……それより早く欲しいぃぃ……」
泰のズボンの膨らみを見ながらねだる美銀。
彼女は今自分がどんな顔をしながらおねだりしてるか分かっているのか泰は不安になった。
そこにいつも皆を引っ張る優等生な彼女の姿はなくだらし無く物欲しそうな表情をして下の口を濡らしている。
―――マジ、理性が持たね……。
「きゃあぁぁ!」
泰は美銀を押し倒すと今すぐ襲いたい衝動をどうにか抑えながら荒い呼吸をし彼女をゆっくりと脱がしていく。
「お前の身体マジエロい……。(俺の歯止めが効きそうになくて)ムカつくわ」
「怒るより笑ったほうがいいわよ……んぅっ……!」
「誰のせいだと思ってやがる。覚悟しろ」
泰の膨らんだ欲望が美銀の中に入り抽送を初めた。
一日振りの蜜壺は絶対逃さないと言わんばかりに締め付けてくる。
「あぅ……!。ふわぁ………!」
「相変わらず気持ちいいな」
「……良かったぁ。お互いに気持ちよくてぇ」
心の底からの嘘偽りのない安堵した声音で美銀は告げた。
彼女へのまっすぐな愛情と支配欲、多幸感が泰の脳内で渦巻く。
―――こいつの気配りすら官能になる……。
本当……末恐ろしい奴だぜ。
あんな事されたのに何も着飾らず俺を信じ愛してくれるなんて……。
そんな女に惚れねぇわけがねぇだろ、チキショー。
こちらも彼女とまっすぐな気持ちで向き合わなくてはならないと言う思いが彼を突き動かす。
「…美銀」
「はぁっ……なぁに、泰…………」
「君が大好きだ」
抽送を一時的に辞めて思いを伝えると彼女の中にいる肉棒をギュウと膣壁が締め付ける。
彼から伝えられた言葉が美銀の官能を引き上げた。
―――セックス中に得意気に思いを伝えるなんて……いけない人だね泰……しかもこんな甘い口調で。
益々貴方を愛したくなっちゃう。
「待って……っ、それは反則だよぉ……」
「…………美銀の返事はどうなの?」
「もぅ、分かってるクセに!」
「駄目。君の口から聞きたい」
まるで幼子のように邪気を感じない澄んだ目が美銀に向けられる。
「泰……私も貴方が大好きだよ……!」
愛の感情を抱いてから約半日二人は初めて互いに好きだと言う気持ちをぶつけ合った。
言葉と肉体で……。
「……もっと君に甘えて居たい」
「私も貴方をもっと愛したい…!」
深い闇の中二人は交わり続けた。