夕闇が屋敷の中に射し込む。
赤い光はロサと美銀をボウっと照らした。
いつもは神秘的な光景なのだが今日は別だ……美銀の心に恐怖が落とし込まれる。
「意味が分からないわ……。若い人間以外消したって何よ!?。ばあやや皆はどこ!?」
思わず激昂しながら聞き返す美銀だが少女は全く動じず不敵な笑みを崩さないまま口を開いた。
「そのままの意味。正確には0歳の赤ん坊から貴女方の通う高校なる教育機関の3年生までの若者は残したと言うべきかしら」
「なんでそんな事をしたの!?」
「いちいち怒らないと話せないわけ?。お兄ちゃんが決めたのよ。将来が
「……人の命をなんだと思ってるの?」
「あんた達こそ地球をなんだと思ってるの?。ってか怒りたいのはこっちなんだけど戦争や大気汚染を引き起こしお兄ちゃんが創りあげた地球を壊してるくせに」
「それは……」
今彼女が言った事は紛れもない事実。
人間のエゴで戦争が起き、科学が発展するにつれ深刻な大気汚染が引き起こされてきた。
しかしだからといって……大切な人達を奪う理由にはならない。
「地球を大切にして来なかった事は一人の人間として謝るわ!ごめんなさい!だから皆を元に!」
「無理。お兄ちゃんはブチギレてるし、私はこれから貴方達が迎える死のゲームの見届け人としての役割しか負ってないしねぇ」
飄々と話すロサに美銀の中で何かが切れた。
「何よそれ。創造主様ってのは随分と暇なのね」
思わず出てしまった創造主への侮蔑の言葉。
瞬間、視界が暗転した。
気づくと無表情だが殺意が極限まで高められた目で睨見つけながらロサは美銀の上に馬乗りになっていた。
「あまり調子に乗るなよ人間風情が」
先程の飄々とした声ではなくドスの聞いた恐ろしい声でロサは言う。
こちらが彼女の本性なのだろうか。
「ぁは♪。でも初めてかも身の程知らずにも私にこんな大口叩いた人間は。今すぐ殺してやってもいいけど弱いあんたを殺っても何の面白みもないしなぁ。やっぱり殺るなら後かな」
「がふっ!?」
ロサは美銀を蹴り飛ばした。
思わず胃の中の物を戻しそうになるが、すんでで堪える。
「このゲームにはカラクリがあるのよ。敵を倒せば倒すだけあなた達はレベルが上がり属性の力を扱う事が可能となる」
「ゴホッゴホッ……!。属性……?」
「えぇ。属性が解放されればまた新たな強さを得る事が可能よ。ま、結構殺らなきゃ解放されないんだけどね♪」
「………それだけ属性は強力なのね」
「そっ。もしかしたらだけどレベリングも極め属性もMAXまで強化すればぁ、ワンチャン私達と対峙出来るかもね〜ワンチャンだけどぉ」
「あんた達創造主を倒せば世界を元に戻せるわけ?」
「まぁ。限りなく0に等しいけどね」
これは良いことを聞いた。
0に近いとは言え明確に0%ではないならチャンスはある。
正しく一縷の希望だ。
「ただその為にはいっぱい人を殺さなくちゃならないよ」
「……覚悟の上よ。あんた達を倒して消えた人達やこれから殺すであろう人達を元に戻す!」
「口だけは達者だねぇ。じゃあまた会おうねぇ黒後美銀」
一瞬でロサは姿を消した。
屋敷に一人残された美銀は重圧から解放されるもあまりの肉体的ダメージと精神的疲労から膝から床に付きそのまま気を失うように廊下で眠りに着いた。
彼女に真の重圧が襲い掛かるのはこれからである。
「ただいま〜」
創造主の家族が住む星にロサが帰るとヘレは少し怒った様子だった。
「感心せんな。あんなにベラベラと人間と話すなんて」
「どしたの?お兄ちゃん嫉妬しちゃった?ウケる〜!」
ダン!とヘレは思いっきり地面に足を叩きつける。
「ロサお前は喋りすぎだ。人間に要らぬ知恵を付かせて俺の計画を破綻に追い込む気か?」
「大丈夫だって。あいつら自己中だし……それに一人だけで私ら倒せる程簡単じゃないしね」
「ふん。まぁいい次からはその口の軽さを気をつけろ」
「はーい」
特に何の変哲もない返事をロサはした。