【ゲームのデータ】引き継ぎ! C級テイマーに転生! 作:BIBI
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――クラマルと旅を始めて、一ヵ月が経つ。
色んなモンスターと出会い、その全てを殺し尽くし勝利した。敵の中には人もいたが気にしたら駄目だ。ここがゲームの世界だとしたら悪人なんて腐るほどいる。そりゃあ殺す事だってあるさ。普通普通。
「にゃ」
短い足に纏う光の刃――〈神死斬り〉で、レベル30相当のモンスターだろうと軽く引き裂き、クラマルは死体の山を作る。
ここは数百を超えるモンスターの群れがいたのだが、殆どクラマルに殺され尽くした。ぐちゃぐちゃにされた死体がそこら中に散らばっている。
大して苦労もせず、クラマルは余裕過ぎて欠伸をしていた。もうクラマルには最初の頃みたいな恐怖は欠片もない。明らかに自分が強者側だと自信を持っている。
「にゃ」
軽く駆けて、クラマルがやってくる。相変わらず不愛想な表情で眠たげな半眼だが、最近は少し懐いてくれている。クラマルは自分の意思で僕に抱き着き、肩に上ったり、体を擦り付ける様になっていた。
「ちょっと待ってね」
隣の植物を編んで作ったカゴに、沢山の林檎が積んである。そしてリングからモンスターの魂を取り出し、錬金術を発動する。
淡く光り、モンスターの魂は大量の果物に吸収されていく。何故わざわざモンスターの魂を果物に吸収させる必要があるのか。それはモンスターの主食が、魂故である。
だから魂の宿っていない物を食べても、栄養は満たされないのだ。
「はい。お食べ」
僕は林檎を手に取り魔力で瞬間的に切り分ける。それを一つずつクラマルの口元まで運んであげる。
最近はクラマルが随分と甘えるようになって、切り分けた果物を口元に運んであげないと食べようとしなくなった。
「お前は可愛いなぁ」
あまり甘やかすのはよくないみたいだが、つい甘やかしてしまう。ゲームの中で眺めたりグッズを抱き締めて我慢するしかなかった期間が長かった所為だろう。可愛くて可愛くて仕方がなかった。
「にゃ」
モグモグと食べ、美味しいと返事をするように鳴き声を上げる。クラマルは長く毛の多い尻尾を動かし、ご機嫌アピールしている。
クラマルはレベル50。たった一ヵ月だが、随分と成長している。
世界大会に出場を選ばれる様なリーグ所属の選手なら、一体のモンスターをレベル1から50まで育てるのに、四年もあれば可能らしい。ゲームの設定だとそうだった。
それを加味して考えると、僕の育成速度は卓越しているのかもしれない。
だが考えてみれば当然と言えば当然。世界中に熱狂的なファンがいるゲームで、ノウハウを共有して導き出された結論を僕は知っているのだ。
たかがゲームキャラ如きに、育成速度で負ける訳がない。
しかし問題はここからだ。レベル50から急激に必要な経験値が増大する。これは僕のノウハウをつぎ込んでも、簡単にレベル上げなんて不可能だ。
〈あとがき〉
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